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ジカ熱 恐怖のジカウイルスって何?

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ここ最近、ニュースなどで目にすることが増え、急速に注目を集めているのが Zika (ジカ) ウィルス による「ジカ熱」の感染症です。1月中旬に、アメリカの CDC(アメリカ疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention) )が、このジカウイルスの感染危険地域への旅行に警告を出しました。さらに今週の月曜日には WHO(世界保健機構) が、カナダとチリ以外の、アメリカも含めたアメリカ大陸全体にこのジカ熱感染症が広がる可能性が高いと発表したこともあり、急速に注目が集まっています。
今までほとんど聞いたことのない、この「Zika (ジカ) ウイルス」って一体何でしょう?そしてどのくらい危険なものなのでしょうか?

ジカウイルスとは

ジカウイルスは、蚊を介して、人から人へと感染するウィルスです。いわゆる、黄熱病やデング熱などを引き起こすウィルスの仲間で、蚊の生息する熱帯など暖かいエリアに生息しているウイルスです。
実際に感染した場合の症状はというと、発疹や発熱、軽い風邪のような症状で一週間もすると治ってしまう程度のもの。それどころか、全く目に見える症状がないという人も多いようです。それを聞くと、一見たいしたことない、特に問題のなさそうなウィルスなのですが、実は本当に恐ろしいのは、特定の人に対して、目に見えないところで恐ろしい影響を与えるとされる点なんです。

このジカウイルスは、実は生まれてくる赤ちゃんに対して致命的な影響を与える可能性があるウイルスなんです。
具体的には、小頭症(microcephaly)などの奇形や、脳成長障害などとの関連が疑われていて、妊婦さんは特に注意が必要です。

もともとはアフリカ、ウガンダの Zika Forest という場所で1947年に発見されたウィルスでした。アメリカ大陸では存在しないウイルスだったようですが、昨年、ブラジルでアウトブレイクし、それ以来、南アメリカを中心に広がりを見せているようです。

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(Zika affected Area 1/26/2016 by CDC)

一昨年には、エボラ出血熱の感染者がニューヨークにも登場しましたが、グローバル化、温暖化などの要因により、今後、このようなケースは増えていくかもしれません。
そんなジカウイルスの大流行に伴って、ブラジルなどでは奇形児や小頭症が急増していて、このジカウイルスとの関連性が認識されることとなり、このウィルスは大きな注目を集めるようになりました。

こちらのビデオではジカウイルスについて、コンパクトに解説しています。

基本的には、普通の人が蚊にさされてジカウイルスに感染したとしても、軽い症状なので、今のところは心配はいらないそうです。ただし、妊婦さんと、これから妊娠を予定している人は要注意です。もし、ジカに感染した場合、その後数年間は妊娠をしない方がいいといわれています。なんと、中米のエルサルバドルでは、全ての女性に対して、2年間妊娠を控えるように、とアドバイスをしているという報道もされています。

現在の所、このジカウイルスについてそれほど詳しくは分かっておらず、有効なワクチンや治療法は存在しないそうで、研究が急ピッチで進められているようです。
そんな事情なので、航空会社によっては、妊婦さんのみなど条件が異なりますが、このジカウィルスが流行している地域への予約済みの航空券の払い戻しをはじめたそうです。こちらの記事では、各航空会社や著名なホテルグループなどによる対応がまとめられています。
アウトブレイクしているブラジルでは、これからあの世界的に有名なリオのカーニバルのシーズンを迎え、今夏にはオリンピックも予定されています。妊婦さんや、妊娠を予定している人は感染が確認されているラテンアメリカ地域へ行くのを控えるのはもちろん、どうしても訪れる必要がある場合は、とにかく蚊にさされないよう、しっかりとした虫除け対策が必要になります。また世界中から人が集まるオリンピックを通じ、さらに拡散が起こることが心配されています。

アメリカでも感染が報告されていますが、旅先で感染したもので、アメリカの蚊が原因ではなかったようです。
アフリカで発見されたウイルスが、どういう経路をたどったのか、ブラジルやメキシコなどのラテン、中央アメリカ地域にまで蔓延し始めたので、北アメリカはすぐお隣同士ということもあり、WHO の言うように、次はアメリカに広がる可能性もあり、心配なニュースとなっています。

ジカ熱 恐怖のジカウイルスって何? was last modified: 9月 6th, 2016 by mikissh