セレブも出没するお洒落なイメージのあるマイアミビーチには、ちょっと楽しい美術館があります。バスミュージアムオブアート (Bass Museum of Art) というコンテンポラリーアート美術館なのですが、しばらくリノベーションのため閉鎖されていて、2017年の秋に再オープンしたばかりの新しい美術館です。マイアミらしい趣のあるアールデコ調の建物の美術館で、館内はとても美しく、センス良く、とても個性的な現代アート作品が展示されています。実はとても小さいミュージアムなのですが、展示されているアートは非常に印象的なものが多く、とても楽しい美術館です。一番印象的だったのは、ピエロのお部屋です。たくさんのピエロたちが自由な姿であちらこちらにいる姿はまるで本当に人間が演じているかのようで圧巻のアートでした。
バスミュージアムオブアート (Bass Museum of Art) は、現在でも使用されている1930年代に図書館兼アートセンターとして建てられたアールデコ調の建物に、1964年にオープンした美術館です。その歴史ある建物は、国家歴史登録財 (National Register of Historic Places) にも指定されています。2015年からリノベーションのためミュージアムは閉鎖されていましたが、2017年10月から再オープンし、楽しいコンテンポラリーアートを中心とした展示がされています。
以前は、例えば、ボッティチェリやエル・グレコなどスペインやイタリアの古典的なアートが中心の展示だったようなのですが、現在では、コンテンポラリーアーティストの特別展を中心にした展示へとシフトしています。今でもその貴重なクラシカルアートを見ることもできますが、展示の中心はコンテンポラリーで、現在は3名のアーティストの作品の展示が行われています。しかもそのうち2名はニューヨークで活躍しているアーティストでした。
マイアミらしくカラフルな明るい作品がよく見られました。
最も印象に残っているのが、こちらのたくさんのピエロが登場するインストレーションアート。スイス出身でニューヨークで活躍するアーティスト、Ugo Rondinone さんの “Good Evening Beautiful Blue” と題されたテーマの展示の一作品です。
大きなお部屋にピエロたちが大集合。
一人一人顔つきや体型、表情が違い、とても細やかに作られていて、今にも動き出しそうです。
本当に人が演じているんじゃないかと思うほどのリアルさで、ミュージアムの閉館時間になったら、ピエロたちは普通にすくっと立ち上がって、各々家へ帰っていくんじゃないかと思ってしまいました。本当に面白いアート作品でした。
Ugo Rondinone さんは、マルチメディアアーティストで、クールな映像作品もありました。
こちらは、カメルーン出身、ベルギーで活躍するアーティスト、Pascal Marthine Tayou さんの “Beautiful” と題された展示です。この美術館のパーマネントコレクションのヨーロッパの古典アート作品と調和するように飾られています。奥に見える作品は、1492年頃、ボッティチェリにより描かれた “The Coronation of the Virgin with Saints” です。
古典アートと現代アートは普通当たり前のように別々のセクションに存在し展示されているものなので、今回のこの特別展でその時代を超えた作品がコラボして展示されている様子はちょっと感動がありました。
ヨーロッパとアフリカ、新旧が混在する中、調和が見られる面白い展示となっています。
こちらのシュールで不思議だけどコミカルな作品は、アルゼンチン出身でニューヨークで活躍するアーティスト、Mika Rottenberg さんの作品です。
何だろう、と思って近づいてみると。
ポニーテールがピョンっと跳ね上がり、ビックリです。
固定概念に囚われない新しい形の実験的なビックリアートが色々と見られ面白いミュージアムでした。
ミュージアムの中には、ちょっとお洒落な雰囲気のお土産屋さんもあります。
美術館の外の広場には、一際目立つ Ugo Rondinone さんのカラフルな作品が飾られています。マイアミらしい色合いで、みんなの目を引く写真撮影スポットになっていました。
マイアミビーチにも近く、ビーチ遊び以外にどこか行きたいな、という時におすすめの楽しいミュージアムです。
バスミュージアムオブアート Bass Museum of Art
2100 Collins Ave, Miami Beach, FL 33139 地図