カリフォルニア、サンフランシスコの対岸オークランドという街で生まれたブルーボトルコーヒー。ニューヨークでもとても有名なお店ですが、ついに日本にも上陸、第1号店として東京の清澄白河にオープンし、想像を超える人気になっているようです。ニューヨーク周辺ではマンハッタンとブルックリンにありますが、中でも一番ゆったりとしたスペースがあって居心地がいい、個人的なお気に入りはブルックリンのウィリアムズバーグにあるニューヨークの第1号店です。そのブルックリンのブルーボトルコーヒーのお店の様子と一緒に、ブルーボトルコーヒーってどういうお店なの?ということで、その独特の魅力を紹介したいと思います。いくつかのニュースでも報道されていましたが、お店のツイッターのコメントでも大変な混雑状況が伺えます。最近ニューヨークでも場所によっては行列ができるようになっていますが、さすが東京、尋常ではない様子、コーヒー1杯のために3時間もの大行列ができているようです。
大変お待たせしておりまして申し訳ございません。
ただいま3時間待ちの行列となっております。
営業時間は19時までですが、16時までにお並びいただいた方で、終了させていただく予定です。
ご理解いただけますよう、お願い申し上げます。
— Blue Bottle Japan (@bluebottlejapan) February 6, 2015
昨夏、ウィリアムズバーグのブルーボトルコーヒーを訪れた時の様子です。
大きなりすの壁画が目印。広い敷地にシンプルな建物、内部にはコーヒー豆を焙煎する部屋もあり、正面はガラス張りの明るい店内、というのは清澄白川店も同じような感じでしょうか。
このブルーボトルコーヒーの創業物語は、自宅のガレージから始まります。
創業者のジェームス・フリーマンさんが2002年8月に自宅のガレージで始めたのがブルーボトルコーヒー、そうこの始まりはまるでアップルのよう、コーヒー界のアップルと呼ばれるのは質へのこだわりというだけでなく、そんなストーリーもあるからなのかも。アメリカは、大量生産主義で品質は二の次という昔のイメージからはすっかり変わりつつあり、最近は高品質なものを求めるようになってきて、こういうお店が人気となっています。
今までのコーヒーとは違い、”マイクロブリューコーヒー”といって、1カップずつ丁寧にいれることを特徴としていて、そういうコーヒーの流行の波は”サードウェーブ(第三の波)”と呼ばれています。
でも、この1杯づつ丁寧にコーヒーを入れるっていうのは、そもそも日本の古き良き喫茶店のコーヒーからきているんです。フリーマンさんは日本の喫茶店のコーヒーに魅されて、そんな1杯1杯心のこもった丁寧に入れたコーヒーをみんなに提供したいって思ったそうなのです。
そして焙煎してから48時間以内の豆のみ使うというポリシーで丁寧に入れたコーヒーは、芳醇な香りと味わいを楽しめるのです。
日本進出の初店舗として東京の中でも清澄白川を選んだのは、ブルックリンの店舗を見ているとなんとなくわかります。ローカルに溶け込んだ、ゆったりとした空気が流れている場所、そこで地元の人たちがくつろぎながら、おいしいコーヒーを楽しめるというコンセプトのお店。それがブルックリンの店舗で感じる印象です。
清澄白川店は駅から徒歩十分くらいかかる場所で決して便利な場所ではない思いますが、ブルックリンのお店も全く同じです。駅前で急いでいる人々にコーヒーを出すような雰囲気のお店ではなく、休日にゆったりと友達とおしゃべりしながら、もしくはひとりで本を読みながらコーヒーを楽しむ場所という雰囲気なのです。
このコーヒー屋さん、何がいいかというと、やっぱりこのゆったりとした時の流れの雰囲気。夏だとオープンな感じがさらに心地よくて、時が経つのを忘れてしまい居座ってしまう居心地のいい空間。上質の空間で、上質のコーヒーをゆったりと楽しめるのが魅力です。マンハッタンのお店は席スペースがあまりないので、ゆったりとしたブルックリンのお店の方がおすすめです。ブルックリンには、このウィリアムズバーグのお店以外にもダウンタウンのBoerum Hill にもう一店舗あります。
シンプルなメニュー。
美味しそうなスイーツも並んで。
人気があるのはいいことですが、何時間も行列して、コーヒーを手に入れるというのは、なんだかこのカフェには似合わない感じがします。
ブルックリンで訪れた時は、”Kyoto”、”New Orleans”という名前のアイスコーヒーがありました。”Kyoto”の方は、日本式、Kyoto Styleと呼ばれる背の高い装置を使い長時間かけドリップされます。”New Orleans”の方は、New Orleans Styleという方法でいれられたもので、日本のメニューにもあるようです。全体的に酸味の強いコーヒーで個性的な味で、特に”Kyoto”はそれを強く感じます。独特の味で、癖になるかならないかは人によるかもしれません。以前は、アメリカでは、アイスコーヒー自体があまりありませんでしたが、すっかり変わりつつあります。
お店の様子です。
日本の喫茶店にインスパイアされて生まれた店、ブルーボトルコーヒーは、日本に出店することでさらに日本から学んで、海外のお店にも影響を与えることになるかもしれません。ちなみにフリーマンさんが好きな日本の喫茶店は、渋谷の”茶亭 羽當”だそうです。私はそちらが気になります。
こちらが、”Kyoto”と呼ばれる装置で、Japanese Style Slow Dipのマシーンです。
2015年2月6日に第一号店の清澄白川がオープン、続いて、3月7日に第二号店の青山店オープン、そして更に続いて第三号店として代官山店も春にオープン予定だそうです。
行列は好きではないけれど、上質のコーヒーを楽しみたい人は、実は、自分なりのプレミアムコーヒーグッズとコーヒー豆を用意すれば、こんな風に簡単に自宅でゆったりとコーヒータイムを楽しむこともできます。
ちなみに、Blue Bottle Coffeeでは、コーヒードリップポットとしてTakahiro、コーヒーメーカーとしてChemexを使っているようですよ。こちらでBlue Bottle Coffee流の美味しいコーヒーのいれ方が紹介されています。