ニューヨークのモーニングサイドハイツにある、セント・ジョン・ザ・ディヴァイン大聖堂（Cathedral of Saint John the Divine）は、ニューヨーク、アメリカで最大、世界で6番目に大きい巨大な大聖堂ですが、いまだに完成形ではなく、未完の教会として知られています。建築や彫刻、アートなど色々な工夫が凝らされ、見どころいっぱいの教会です。そんなセント・ジョン・ザ・ディヴァイン大聖堂の名物行事の一つが、クリスマスイブの夜に開催されるクリスマスミサ、Christmas Eve Festal Eucharist です。教会の様子に加え、クリスマスイブの夜10時30分に始まり、日にちが変わり、クリスマスの日の深夜1時に終了という、なかなか本格的なクリスマスミサの様子も紹介します。
この教会には毎年クリスマスツリーが飾られるのですが、なかなかめずらしいクリスマスツリーです。クリスマスツリーのデコレーションがすべて手づくりの白い折鶴。グリーンのもみの木に白い鶴が映えて美しいです。
セント・ジョン・ザ・ディバインは、1892年に建造がはじまったという歴史あるエピスコパル派の教会です。現在、アメリカで最も大きな教会であり、さらに世界でも番目に大きな教会となっています。おもしろいのは、この教会、実はまだ現在でも未完なんです。将来、本当に完成する日が来るのか分かりませんが、”St. John The Unfinished” とも呼ばれています。
このミサの日、教会には、ちょっと早目に到着しました。前方の席はチケットを持っている人の専用エリア、チケットを持っていない人は、後方のエリアの席になります。この日は、早目の到着で、余裕で席を選ぶことができましたが、どんどん席は埋まり、最終的には満員となり、脇の立ち席から参加している人もたくさんいる状態でした。余裕を持って1時間から1時間半くらい前に来るのがいいかと思います。
NYCでクリスマスイブの深夜にミサを行っている有名な教会というと、このセント・ジョン・ザ・ディバインと、チケット要ですがミッドタウンにあるセント・パトリック大聖堂、そしてロウアーマンハッタンにあるトリニティチャーチなどがあります。
ミサでは、みんなでの合唱、聖歌隊による合唱、そして台本に沿って牧師さんとみんなとの少し劇のようなやり取り、が繰り返されていきます。その中で、キリストがパンとワインを分け与えたというEucharistを模した儀式も行われ、ウエハースとワインを頂くことができます。
歴史あるThe Great Organのドラマチックなパイプオルガンの音色が音響効果抜群の巨大な空間に響き渡ります。
実は、以前にも一度ここのクリスマスイブのミサに参加したことがあるのですが、一番記憶に残っているのは、独特のキリスト教らしいお香の香りです。今回も式の途中にありましたが、お香をグルグル振り回しながら歩くこの儀式は迫力があります。ミサの間に何回か行われ、教会中に広がるこのお香の香りがとても印象的です。
ミサの最後はキャンドルを灯し、とても幻想的な時間となります。
キャンドルを灯しながら歌う『きよしこの夜』。あらためて、音楽を大切にしている宗教だと実感します。美しい音楽とこの幻想的な空間が心に残ります。
大晦日に行われる New Year’s Eve Concert for Peace をはじめ、様々なミュージックコンサート、ハロウィンのイベントを行っていたり、アートを積極的に取り入れていたりと、かなり個性のある進歩的な教会です。
こちらは、教会のお隣の大天使ミカエルがサタンを退治しているという印象的な彫刻です。
この大きく立派な石造りの大聖堂の建物のセント・ジョン・ザ・ディヴァインは、教会などの石造り建築の専門家集団が起源の フリーメイソン の強い影響を受けているとも言われています。普通の教会では見られないような彫刻やシンボルが隠されているとても個性豊かな教会です。
普段訪れても、建築や彫刻、アートなど見所いっぱいの大聖堂です。こちらのビデオでは、そんな大聖堂の雰囲気が紹介されています。
ニューヨーク大聖堂
セント・ジョン・ザ・ディバイン大聖堂 Cathedral of Saint John the Divine
1047 Amsterdam Ave, New York, NY 10025 MAP
セント・ジョン・ザ・ディバイン大聖堂で開催された、ニューヨーク交響楽団のコンサートも素晴らしかったです。
