Freedom Trail (1)

フリーダムトレイル ボストン旅行の定番散策コースでアメリカの歴史を再発見

ボストンと言えば、アメリカ独立のきっかけとなり、独立戦争の火蓋が切って落とされたアメリカの独立に大きな役割を担った街です。そんな歴史的な街、ボストンには歴史的に有名なスポットを結んだ、フリーダムトレイルというボストン旅行で定番となっている2.5マイル (4 km) 程の歴史を学びながら散策できるコースがあります。お天気がいい日には、赤煉瓦のブリックが印象的なボストンの街並みを、昔の歴史を思いながら歩いてみるのもおすすめです。

ニューヨークが、ニューアムステルダムとして成立したのは1625年のことですが、ほぼ時期を同じくして、1630年にボストンが誕生しました。ボストンをはじめ、マサチューセッツ州の特徴は、絶対王政下のイギリス国教会に反対するプロテスタントであるピューリタン(清教徒)が多かったことです。ボストン周辺は現在でも数多くの大学などの教育機関がある街となっていますが、そんな一般市民の教育を大切にするところはピューリタンの影響が残っているからなのかもしれません。

フリーダムトレイルの全体像はこんな感じになっていて、全てを周ると所要時間は大体2時間くらいかかります。ゆっくりと入場可能な場所を見ているとさらに時間がかかります。時間に応じて一部だけを散策してみるのもいいと思います。地図上の青いスポットが主な見どころです。

Boston Common

フリーダムトレイルの出発点となるのは、1634年、アメリカ最古の都市公園として造られたボストンコモンです。今でも憩いの公園となっていて、冬はアイススケート場もオープンしています。

ボストンコモンのマサチューセッツ州庁舎の向かい側には、19世紀アメリカの有名な彫刻家、Augustus Saint-Gaudens さんの作品があります。Augustus Saint-Gaudens さんと言えば、メトロポリタン美術館に多くの作品が残されていて、またセントラルパーク近くの黄金の像も彼の作品です。

Massachusetts State House

黄金のドームが印象的なマサチューセッツ州庁舎 (Massachusetts State House) です。

実はこの州庁舎で、2015年に昔の貴重なタイムカプセルが見つかりました。なんと、1795年のアメリカ独立運動で活躍し、当時の州知事でもあった Samuel Adams らによって埋められたタイムカプセルでした。歴史的に大変貴重なものということで、とても慎重に開けられたようです。その様子がビデオに映されていますが、中から出てきたのは、意外なものでした。

サミュエル・アダムズ (Samuel Adams) さんとは、アメリカ独立時に活躍し、アメリカ独立の父 (Founding Fathers) の一人とされている人物です。
もともとボストン周辺はピューリタンが多く、反イギリス的な部分が強かったと思いますが、18世紀のイギリスはフレンチ・インディアン戦争の借金を支払うための資金が必要で、ボストンを含むアメリカの植民地から、公的な紙の使用量や関税など様々な方法で税金をかけていたこともあり、それらに反対する機運が高まっていきました。 そんな中、登場したのが Samuel Adams らによる “Sons of Liberty” という反イギリス組織で、ニューヨークの Fraunces Tavern でも登場しましたが、13の植民地が、”No taxation without representation” というスローガンの下、代表者なしに決められる税制などに反対し団結しはじめました。その後、”ボストン大虐殺 (Boston Massacre)” や “ボストン茶会事件 (Boston Tea Party)” などイギリスと植民地側の間で様々な衝突事件が起こり、それらを経ながら、アメリカ独立戦争のきっかけとなる1775年のレキシントン・コンコードの戦いへと続いていきます。

Park Street Church

1809年に完成したという尖塔が印象的な教会、パークストリート教会です。当時アメリカで最も高い建物だったそうです。

Granary Burying Ground

Park Street Church の隣にあるのが Granary Burying Ground です。John Hancock、Samuel Adams、Paul Revereさんらアメリカ独立時に活躍した人々が眠っています。
一番目立っているのが、あのベンジャミン・フランクリンを生んだフランクリン家のお墓です。

こちらは、Paul Revereさんのお墓。

King’s Chapel

1749年に建設がスタートし、1754年に完成した、イギリス国教会 (Anglican) のチャーチです。National Historic Landmark にも指定されています。

教会の中へ入っていくと、まるで歓迎してくれているかのように、パイプオルガンの音色が響いていました。

そのお隣には墓地があります。

Statue of Benjamin Franklin

1856年に建てられたベンジャミン・フランクリン像。ベンジャミン・フランクリンと言えば、フィラデルフィアですが、実は出身はボストンでした。兄の経営する新聞社で働いていましたが、兄弟での対立の末、フィラデルフィアに転居したそうです。

こちらの雰囲気のある建物は、かつての市庁舎です。現在は、なんと Ruth’s Chris Steak House というステーキ屋さんになっています。

Old South Meeting House

Old South Meeting House は、1729年に教会として建てられ、その後、ボストン茶会事件の集会場所としても有名になった場所だそうです。National Historic Landmark にも指定されています。

向かいの角には、ボストンで最も古いブリックの建物、Old Corner Bookstore がありました。しかし、現在では、ファーストフードの Chipotle が入っており、あまり趣がなくなってしまっています。

Old State House

Old State House は、1713年に建てられ、もともとは植民地政府の庁舎として使われていた建物です。こちらも National Historic Landmark に指定されています。

Boston Massacre

Old State House の目の前にあるのが、ボストン大虐殺 (Boston Massacre) の跡地です。1770年に、イギリスと植民地側のいざこざから発展した事件で、大虐殺と言うとものすごい事件だったのでは、という印象を持ちますが、実は死者は5人だけだったそうです。

プロパガンダ的とも言えるかもしれませんが、大きく全植民地内で伝えられ、反イギリスの機運を高め、結果的にアメリカ独立のきっかけとなった事件でもあります。

Faneuil Hall

1743年に建てられた歴史ある建物で、こちらも National Historic Landmark に指定されています。この場所で、Samuel Adams らがアメリカ独立の気運へとつながっていく演説を行ったそうで “Cradle of Liberty” と呼ばれており、ホールの正面には、そんな Samuel Adams の像が立っています。

Quincy Market

Faneuil Hall とその隣にあるのがクインシーマーケット (Quincy Market) です。19世紀中頃に建てられた、こちらも歴史ある建物で、現在、フードコートになっています。

ニューヨークやフィラデルフィアなどの最近のフードコードと比べると、このクインシーマーケットはちょっと一昔前の雰囲気を感じます。

真中のドームの食事スペースはなかなか雰囲気がいいです。

クラムチャウダーや、ロブスターロールなどシーフードのお店もあります。

Quincy Market の両隣には、North Market と South Market があり、様々なお店が入っています。

Paul Revere’s House

レキシントン・コンコードの戦いの時、深夜に馬を走らせて、レキシントン・コンコードのアメリカ民兵に、イギリスの進軍の様子を知らせたことで知られる Paul Revere の家です。ミュージアムとなっており、見学することも可能です。

Old North Church

Old North Church は、1723年に建てられた歴史ある教会で、こちらも National Historic Landmark に指定されています。
教会の裏手には 馬に乗った Paul Revere の像があります。

ボストンのフリーダムトレイル沿いには、大抵何人か旅行者が歩いていて、ボストンへ訪れたときの定番のコースとなっています。

Copp’s Hill Burying Ground

さらに教会を越え、北へ進んで行くとボストンで2番目に古い墓地、Copp’s Hill Burying Ground があります。

USS Constituion

Copp’s Hill Burying Ground のある丘を下り、Charlestown Bridge を渡り、ウォーターフロント沿いを歩いていくと18世紀後半につくられた軍艦 USS Constitution があります。


(Wikimedia)

Bunker Hill

Bunker Hill は、レキシントン・コンコルドの戦いに続き、1775年に起こったバンカーヒルの戦いを記念して造られたメモリアルです。

ボストンで誕生し、全植民地へと広がっていった “Sons of liberty” をテーマにした同名のドラマが数年前に放送されていました。イギリスへの謀反、反逆として、一歩間違えると簡単につぶされてしまいそうな状態の組織からスタートしたのですが、目指す理想の下、世界のどこにもない、自分たちの理想の国を創り上げたという、現代アメリカにも通じる歴史のお話なので興味がある人は見てみると面白いと思います。

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フリーダムトレイル ボストン旅行の定番散策コースでアメリカの歴史を再発見 was last modified: 6月 27th, 2021 by mikissh