NYヒスパニックソサエティミュージアム 豪華コレクション展開催中!ベラスケス ゴヤらスペイン巨匠らの名画が勢揃い

ニューヨークのアップタウン、ワシントンハイツに、ヒスパニック・ソサエティ・オブ・アメリカ (Hispanic Society of America) という、スペインや、ポルトガル、ラテンアメリカの国々に旅行に来たような雰囲気を感じられるミュージアムがあります。ヒスパニック・ソサエティのある建物は、20世紀初頭に建てられた歴史的な美しいボザール様式建築の建物群にあり、オーデュボンテラス (Audubon Terrace) と呼ばれており、ライブラリーやギャラリーが公開されています。ヒスパニック・ソサエティ・オブ・アメリカは、ベラスケスやゴヤ、ソローラをはじめとした、スペインやラテンアメリカの国々の著名アーティストの絵画や彫刻、工芸品など膨大なスペイン系アートのコレクションを誇りますが、現在、そんなコレクションの中から代表的な作品が一堂に会したコレクション展が開催されています。

ニューヨークには、世界各地の様々な文化やアート、歴史を紹介するミュージアムが点在しています。スペイン、ポルトガル、歴史的に関係の深いラテンアメリカの国々の文化やアートをテーマとする、ヒスパニック・ソサエティ・オブ・アメリカ (Hispanic Society of America) は、ヒスパニック系の人々が多く住んでいる、ニューヨークのアップタウン、ワシントンハイツ (Washington Heights) にあります。

ヒスパニック・ソサエティ・オブ・アメリカがあるのは、アカデミックの雰囲気が漂う、オーデュボンテラス (Audubon Terrace) と呼ばれる 1907年に完成したボザール様式建築の歴史ある建物群の一角です。行き方は、地下鉄1番線の157ストリートの駅で下車し、徒歩ですぐです。

ヒスパニック・ソサエティでは、現在、代表的な作品を一挙に集めたコレクション展、Nuestra Casa: Rediscovering the Treasures of the Hispanic Society Museum & Library が行われています。今年2022年の2月中旬からはじまり今週末の4月17日までの開催で、木曜日から日曜日の正午から午後6時までオープンしています。

ヒスパニックソサエティは、1904年に、ハンティントンライブラリー で知られる鉄道事業で富を築いた大富豪、Collis P. Huntington の息子で、慈善家であった、Archer Milton Huntington さんの個人的なスペイン系のアートや文献などのコレクションをもとに設立されました。1908年以来、オーデュボンテラスが本拠地になっています。
現在は、メインギャラリーとライブラリーが修復中で、今回のコレクション展は、ブロードウェイ沿いから入って左手すぐの建物、イーストギャラリーにて開催されています。

入口には、歴史的な場面を描いた彫刻が施された立派な門があります。

ギャラリーの最初に出迎えてくれるのが、少女を描いたベラスケスの作品。ベラスケス (Diego Velázquez) は、宮廷画家として活躍したスペインを代表するアーティストです。

そして、バスク地方出身で、幼少期にメキシコのプエブロに移住したメキシコ人アーティスト、José Agustín Arrieta の黒人の少年を描いた、ベラスケスの影響も感じられる作品です。黒人を描いた古典西洋美術の作品はそれ程多くはありませんが、ベラスケスも黒人を描いており、メトロポリタン美術館に展示されています。

聖ヒエロニムスを描いた、エルグレコ (El Greco) の作品。

古代ローマ時代の殉教者、Saint Emerentiana を描いた、スルバラン (Francisco de Zurbarn) の作品。スルバランは、明暗法で知られ、ベラスケスと同時代に活躍したアーティストです。スペイン王の宮廷画家であった時期もあります。

ベラスケスと並ぶスペインの巨匠、ゴヤ (Francisco Goya) の The Duchess of Alba。

印象派というと、フランス人アーティストが思い浮かびますが、こちらは、スペインの著名印象派アーティスト、Joaquín Sorolla の作品、After the Bath。一度見たら覚えてしまう独特の雰囲気の作風です。

こちらは、Hermenegildo Anglada Camarasa の幻想的な作品です。マティスとクリムトが混ざったような感じの繊細なフォーヴィスムの雰囲気で、印象に残る作品です。

20世紀初頭以前の作品が中心ですが、新しいところでは、バルセロナで活躍した抽象アーティスト、Antoni Tàpies の作品も展示されています。
Antoni Tàpies は、スペインの バルセロナに美術館 があり、見に訪れたことがありますが、Antoni Tàpies の専門ミュージアムは、独特の世界観でした。

絵画の他、模様が芸術的なガラス細工をはじめ様々な工芸品も展示されています。

とても繊細な装飾が施された豪華な箱。

絹に金銀が織り込まれた色鮮やかで豪華なメキシコの布、そして同じくビビッドな色使いのイラスト。

スペインらしい闘牛や先住民を描いたイラストなども展示されています。

カトリックをモチーフとし、不気味な雰囲気を漂わせているスペインらしい4体の彫刻。エクアドルの先住民アーティスト、Manuel Chili “Caspicara” による、18世紀後半の作品とされています。

オーデュボンテラス (Audubon Terrace) は、入口のギャラリーだけでなく、現在は、修復中であるメインギャラリーやライブラリー、別のミュージアム、American Academy of Arts and Letters も入っているので、散策してみるのもおすすめです。ヒスパニック・ソサエティ・ミュージアムも含めて、全て入場料無料です。
ニューヨークに居ながら、どこか旅行にやって来たかのような気分が楽しめます。

ヒスパニック・ソサエティ・ミュージアム & ライブラリー
The Hispanic Society Museum & Library
613 W 155th St, New York, NY 10032 地図

ベラスケス、ゴヤ、エルグレコらスペイン巨匠の作品は、ニューヨークでは、メトロポリタン美術館で見ることができます。

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スペイン絵画に興味がある人は、マドリードのプラド美術館がおすすめです。スペイン王室コレクションを引き継いだ美術館だけあって、物凄い数のベラスケスとゴヤの作品があります。

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NYヒスパニックソサエティミュージアム 豪華コレクション展開催中!ベラスケス ゴヤらスペイン巨匠らの名画が勢揃い was last modified: 4月 13th, 2022 by mikissh