ニューヨークのメトロポリタン美術館は、丸一日かけても、その全てを見て回ることが難しい巨大なアートミュージアムです。世界の様々な時代、地域、分野のアートや歴史的な遺品が展示されていて、様々な見どころがありますが、中でも最大のギャラリースペースを誇り、メトロポリタン美術館のハイライトとなっているのが、13世紀から20世紀初頭にかけてのヨーロッパの絵画で、モネ、ゴッホ、ピカソ、ルーベンス、レンブラント、フェルメール、ラファエロをはじめ西洋美術史上欠かせない巨匠の見逃せない有名作品が目白押しです。メトロポリタン美術館の西洋絵画に絞り、その見どころ、有名作品、回り方など西洋アートの楽しみ方を詳しく紹介します。
メトロポリタン美術館の西洋美術ギャラリー
メトロポリタン美術館では、13世紀頃以降から20世紀初頭にかけての古典西洋美術の作品は、1階正面奥のロバート・リーマンギャラリーとその地下の特別展ギャラリー、2階正面奥、2階正面左手の3ヵ所で展示されています。(地図は下へ)
西洋アートも含め、メトロポリタン美術館の全体の見どころは、別記事でも紹介していますが、今回は、西洋絵画に絞ってさらに詳しく紹介します。メトロポリタン美術館の全体的な見どころについては、メトロポリタン美術館 見どころ完全攻略法 の記事をどうぞ。
ロバート・リーマンギャラリーでは、幅広い時代に渡る膨大な数の西洋アートのコレクションを誇るロバート・リーマンコレクションの展示が行われている他、特別展が行われています。
2階正面のギャラリーは、ルネサンス期から18世紀末までの西洋アート、2階正面左手のギャラリーは、19世紀から20世紀初頭にかけての西洋絵画が展示されています。2018年から2階正面のギャラリー、18世紀以前の西洋アートのギャラリーのリノベーション工事が行われていて、閉鎖されている部分もあり、少し変則的になっていますが、多くの有名作品は、場所を変えて展示されています。
2階正面奥のギャラリーでは、Skylights project と呼ばれるリノベーションが進行中で、2018年から、第一フェーズとして、上図の左半分の40%のギャラリーでのみ展示が行われ、全体の60% 程の赤いセクションが閉鎖となっていました。メトロポリタン美術館は、2020年3月から約5か月間の閉鎖を経て再開しましたが、2階正面奥のギャラリーはリノベーション工事でその後も閉鎖が続いていました。2020年12月12日からようやく再開し、今度は、下図の右半分の60%がオープン、以前オープンしていた残りの40%の赤いセクションが閉鎖されています。2022年には、リノベーションを終え、全てのギャラリーがオープンする予定になっています。
リノベーション後のギャラリーの様子は、こちらです。
メトロポリタン美術館 2階西洋絵画ギャラリー再開!スカイライトプロジェクトで明るく変身 A New Look at Old Masters
西洋絵画ハイライトを紹介!
ラファエロ
Robert Lehman Gallery の右側のギャラリー (Gallery 962) には、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロと並ぶ、ルネサンスの最盛期の著名アーティストとして知られる、ラファエロ(Raffaello Sanzio) の1504年頃の巨大な木製パネルに描かれた作品、Madonna and Child Enthroned with Saints があります。こちらは、かつて、金融王と呼ばれた J.P. Morgan が所有していた作品です。その脇には、ラファエロの小さな作品、The Agony in the Garden も展示されています。

Robert Lehman Gallery の1階では、この他、1969年に、メトロポリタン美術館に寄贈された Robert Lehman さんの、シエナ派、ルネサンス、北方ルネサンスから17、18世紀のアートからなる膨大な数のコレクションの一部が展示されています。
レンブラント
2階の18世紀以前のヨーロッパ絵画のギャラリーの一部閉鎖により、Robert Lehman Gallery の地下のギャラリー (Gallery 964&965) で、展示されているのが、17世紀オランダ黄金時代の絵画です。自画像をはじめ、レンブラントの数多くの作品が展示されています。
フェルメール
17世紀オランダ絵画で、レンブラントと並び、人気が高いのが、フェルメール (Johannes Vermeer) です。メトロポリタン美術館には、なんと フェルメールの作品が5点 もあります。昨年からしばらく、1点は、日本の特別展に貸し出されていたためありませんでしたが、現在は、全て揃っています。
2階正面
ブリューゲル
続いて、メトロポリタン美術館の2階正面のギャラリーでは、13-18世紀の西洋絵画が展示されています。中でも有名なのが Gallery 625 にある、北方ルネサンスの流れを汲み、後のフランダースやオランダ絵画にも影響を与えたブリューゲル (Pieter Bruegel the Elder) の1565年の作品 “The Harvesters” です。農夫たちが収穫する姿を描いた作品で、この時代の典型的なモチーフである宗教や肖像画とは異なり、ごく普通の人々の何気ない日常を周囲の景観と一緒に生き生きと描いた作品です。
ルーベンス
フランダース出身で、外交官でもあり、スペインやイギリスなど各国の王家にも重用されたのが、ルーベンス (Peter Paul Rubens) です。ルーベンスといえば、宗教画、肖像画、神話などをよく描きましたが、こちらは、ルーベンス自身の家族を描いている珍しい1635年の作品、Rubens, His Wife Helena Fourment (1614–1673), and Their Son Frans (1633–1678) です。ペアで展示されることが多い、ルーベンスの工房で働いていた、アンソニー・ヴァン・ダイク (Anthony Van Dyke) の作品と共に Gallery 617 で展示されています。

モネ
2階正面左手にある、19世紀から20世紀初頭にかけての作品が展示されているギャラリーは、フランスのアートを中心とした展示で、印象派の作品などもある人気のギャラリーです。印象派を代表するアーティスト、モネ (Claude Monet) の作品も数多く展示されています。こちらは Gallery 819 にある睡蓮の池にかかる日本橋を描いた 1899年の作品、Bridge over a Pond of Water Lilies です。

ルノワール
モネと並ぶ、印象派の代表的存在のアーティスト、ルノワール。Gallery 824 にある 1878年に描かれ、サロンに出展された、ルノワールにしては少しかしこまった感じの “Madame Georges Charpentier” と2人の娘を描いた作品をはじめ、いくつもの作品が展示されています。モネ、ルノワールの他、ドガ、マネ、セザンヌ、カイユボット、ピサロ、シスレーなど印象派アーティストの様々な作品も展示されています。
ゴッホ
メトロポリタン美術館には、ゴッホの素晴らしい作品が、数多くありますが、中でも有名な作品が Gallery 825 にある1887年に描かれた「ゴッホの自画像」です。
ピカソ
モダンアートを代表するアーティスト、ピカソ (Pablo Picasso) の20世紀初頭の若い頃の作品もあります。こちらは Gallery 830 にある、ピカソの青の時代が終わり、バラ色の時代がスタートした頃の1904–05年の作品 “l’Acteur (The Actor)”。この他、”At the Lapin Agile” など数点が、19世紀絵画のギャラリーで展示されている他、ピカソ後期の作品は、1階のモダンアートのギャラリーで展示されています。

その他の有名な西洋絵画作品
メトロポリタン美術館では、13世紀頃、ゴシック期のシエナ派の作品や14-16世紀頃のルネサンス期の作品から20世紀以降の近現代アートまで幅広い作品が展示されています。20世紀初頭以降の近現代アートは、西洋アートとは別のギャラリーで展示されています。ここでは、その区分に倣い、20世紀初頭までの西洋絵画の有名作品を紹介します。
ドッチオ
2階正面奥の18世紀以前の西洋絵画ギャラリーには、メトロポリタン美術館の中でも、最も古い絵画作品が展示されています。そんな絵画の代表が、ルネサンス以前に隆盛だった、シエナ派の代表、ドッチオ (Duccio di Buoninsegna) の聖母子像、”Madonna and Child” です。Gallery 624 にあります。なんと13世紀末頃に描かれたという作品で、ビザンチンアート風の金ぴかな背景が印象的です。シエナ派は、ゴシック期の教会に似合う、装飾性の高い宗教的作品で知られています。

Giovanni Bellini
ルネサンス期以降、著名アーティストを数多く輩出したベネチア派の初期の代表的アーティストが、ベリーニ (Giovanni Bellini) です。こちらは Gallery 603 にある、15世紀後期の聖母子像の作品、”Madonna and Child” です。

ファン・エイク
15世紀前半に、現在のベルギー、フランダース地方で活躍し、北方ルネサンスの代表的アーティストだったのが、ヤン・ファン・エイク (Jan van Eyck) です。こちらは Gallery 602 にある、ヤン・ファン・エイク の1440–41年の2枚パネルの作品 “The Crucifixion; The Last Judgment” です。背景、細部までとても精密に描かれている作風で、後のオランダ絵画に大きな影響を与えたアーティストです。
Albrecht Dürer
北方ルネサンスにおいて、ドイツで活躍した著名なアーティストが、Albrecht Dürer です。Albrecht Dürer は、イタリアを訪問したことがあり、ダヴィンチら当時のイタリアの著名アーティスト達とのコミュニケーションもあったようで、お互い影響を与え合った他、後のアーティスト達にも大きな影響を与えた人物です。こちらは、Gallery 626 にある、Albrecht Dürer が、1505年頃に描いた未完の作品、Salvator Mundi です。Salvator Mundi と言えば、現在、行方不明中の、ダヴィンチのものとされる、史上最高額で落札された作品が、思い浮かびますが、イタリアでよく描かれたモチーフで、キリストが右手を上げ、祝福している姿の作品です。ダヴィンチの作品などを見て、描いてみたものかもしれません。
Joachim Patinir
こちらは、Gallery 625 にある、フランダース地方で活躍した、風景画で知られるアーティスト、ヨアヒム・パティニール (Joachim Patinir) の1512–15年頃の作品 “The Penitence of Saint Jerome”。北方ルネサンス派の特徴的な色使いと精密な描き方による、3枚のパネルからなる巨大な風景画です。人物も登場しますが、どちらかと言うと風景が主役の作品を多く描き、風景画というジャンルを切り拓いたアーティストです。

Lorenzo Lotto
2階正面のイタリアのルネサンス期の主な作品が展示されているのが Gallery 608 です。こちらは、ルネサンスの最盛期に活躍したイタリア人アーティスト、ロレンツォ・ロット (Lorenzo Lotto) の1520年頃の作品「ヴィーナスとキューピッド」”Venus and Cupid” です。
Bronzino
こちらは、ルネサンスの最盛期にフィレンツェで活躍したアーティスト、アーニョロ・ブロンズィーノ (Agnolo Bronzino) により、1530年代に描かれた若い男性の肖像画「本を持つ若者の肖像」です。

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
こちらは、Giovanni Bellini らからはじまるベネチア派の巨匠の一人、Titian (Tiziano Vecellio ティツィアーノ・ヴェチェッリオ) の1560年代の神話を描いた作品「ヴィーナスとアドニス」”Venus and Adonis” です。世界の有名美術館で定番となっているアーティストです。
パオロ・ヴェロネーゼ
同じくベネチア派である、パオロ・ヴェロネーゼ (Paolo Veronese) の1570年代の作品「愛によって結ばれたマルスとヴィーナス」”Mars and Venus United by Love” です。マルスは戦争の神様ですが、キューピッドによってヴィーナスと愛で結ばれるという愛の偉大な力を表現したシーンです。ヴェロネーゼの有名な代表作です。

エル・グレコ
エル・グレコ (El Greco) は、ギリシア出身でイタリアに移り住みましたが、最終的には、スペインで活躍したアーティストです。グレコの作品群は、1階正面奥の Robert Lehman Gallery の Gallery 958 にあります。当時としては珍しい風景画で、グレコの風景画作品の中では最高傑作といわれている、グレコが暮らしたトレドを描いた 1596年頃の作品「トレド眺望」”View of Toledo” をはじめ、いくつものグレコの作品が展示されています。ルネサンス期、マネタリズムのアーティストとされていますが、一目で分かる独特な作風のアーティストで、ピカソをはじめモダンアートにも影響を与えたことでも知られています。
カラバッジョ
ルネサンス期のマネタリズムが衰退し、17世紀に隆盛となったのが、キアロスクーロ(Chiaroscuro)と呼ばれる明暗法などで、ドラマチックに描いたバロックアートです。バロックは、16世紀に誕生したプロテスタントへの対抗のために、カトリックが威厳を誇示するために推奨した様式です。初期バロックの代表的存在が、イタリア人アーティストのカラバッジョ (Caravaggio) です。こちらは Gallery 601 にある、カラバッジョの1610年の作品「聖ペテロの否認」”The Denial of Saint Peter” です。同じくカラバッジョの1597年の音楽隊を描いた作品 “The Musicians” は、Gallery 618 で展示されています。
アンソニー・ヴァン・ダイク
フランダース出身でイギリスで活躍した、アンソニー・ヴァン・ダイク (Anthony van Dyck) の1633–35年頃の作品、”James Stuart (1612–1655), Duke of Richmond and Lennox”。ルーベンスの工房出身のアーティストで、Gallery 617 では、ルーベンスとヴァン・ダイクの作品が数多く展示されています。ヴァン・ダイクは、イギリス王の宮廷アーティストとして活躍し、18世紀イギリスアートの肖像画アーティストたちに大きな影響を与えました。

ベラスケス
こちらは ルーベンス、ヴァンダイクらと同じギャラリー、Gallery 617 にある、スペイン王の宮廷アーティストでもあったスペイン人画家、ディエゴ・ベラスケス (Diego Velázquez) が、1650年に描いた肖像画です。描かれている人物は、肖像画としては、珍しいアフリカ系の人物、Juan de Pareja で、ベラスケスに属していた奴隷で、工房のアシスタントをつとめていたそうです。後に、Juan de Pareja は、自由民となりアーティストとして活躍したそうです。同ギャラリーには、ベラスケスと同時代に活躍したスペイン人アーティスト、Francisco de Zurbarán の作品も展示されています。

ムリーリョ
バロック後期のスペイン人アーティスト、バルトロメ・エステバン・ムリーリョ (Bartolomé Estebán Murillo) の1670–72年頃の作品「聖母子」”Virgin and Child” は、Gallery 601 で展示されています。バロック後期の作品ということで、随分優しい雰囲気の作品になっています。

François Boucher
18世紀前半頃から隆盛となったのが、天使が舞う華やかなイメージのロココ様式です。フランスのロココアートを代表する、Jean-Antoine Watteau、François Boucher、フラゴナールの作品が展示されているのが、Gallery 605 です。こちらは、フランソワ・ブーシェ (François Boucher) の1751年の作品「ヴィーナスの化粧」”The Toilette of Venus” です。

ティエポロ
こちらは、イタリアのロココアートの代表的アーティスト、ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ (Giovanni Battista Tiepolo) の1752年の作品「天体と大陸の寓話」”Allegory of the Planets and Continents” です。Gallery 622 には、ティエポロの他、18世紀に活躍した写実的な風景画で有名なカナレットらの作品が展示されています。また、2階正面ギャラリーの入口 (Gallery 600) の巨大な作品群もティエポロのものです。

ゴヤ
ロココからロマン主義への変遷期に活躍したスペイン人アーティストが、フランシスコ・ゴヤ (Francisco Goya) です。こちらは、Gallery 619 にあるゴヤの1787–88年頃の作品 “Manuel Osorio Manrique de Zuñiga” です。一階、Robert Lehman Gallery のエルグレコの部屋にも、ゴヤの作品 “Condesa de Altamira and Her Daughter, María” が、展示されています。

▶️ メトロポリタン美術館 ゴヤ特別展 版画作品集 デッサン大集合 Goya’s Graphic Imagination
ジョシュア・レイノルズ & トーマス・ローレンス
18世紀後半から19世紀前半にかけて活躍したイギリス人の肖像画アーティスト、ジョシュア・レイノルズ、トマス・ゲインズバラ、トーマス・ローレンスらの作品は、Gallery 615 で展示されています。こちらの2作品は、右は、ジョシュア・レイノルズ (Sir Joshua Reynolds) の1782年の作品、Captain George K. H. Coussmaker (1759–1801)です。左は、トーマス・ローレンスの1790年の作品、Elizabeth Farren (born about 1759, died 1829), Later Countess of Derby で、現在は、メトロポリタン美術館150周年記念展のギャラリーで展示されています。
Jacques-Louis David
こちらは、Gallery 614 にある、ルーヴル美術館 にあるナポレオンの戴冠式を描いたアーティストとして知られる19世紀フランスの著名アーティスト、ジャック=ルイ・ダヴィッド (Jacques-Louis David) の1787年の作品「ソクラテスの死」”The Death of Socrates” です。
ターナー
19世紀以降の西洋絵画は、2階正面左手のギャラリーで展示されています。19世紀の西洋絵画の中心は、フランスで、ほとんどがフランスアートとなっていますが、例外が、ターナー、コンスタブルら19世紀前半のイギリスアートで、Gallery 808 で展示されています。こちらの作品は、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー (Joseph Mallord William Turner) の1835年頃のベニスを描いた作品、”Venice, from the Porch of Madonna della Salute” です。ターナーの他、ロンドンのナショナルギャラリー などでもお馴染みのコンスタブル、Joseph Wright of Derby らの作品が展示されています。
ドラクロワ
ほぼ19世紀フランスアートの展示となっている2階正面左手のギャラリーでは、オルセー美術館 で展示されているアーティストが中心になっていて、そこに、ルーヴル美術館で展示されているドラクロワ、Jean-Auguste-Dominique Ingres ら19世紀前半に活躍した著名アーティストの作品も展示されています。こちらは、Gallery 801 にある、ロマン主義アーティスト、ウジェーヌ・ドラクロワ (Eugène Delacroix) の1846年の神話をモチーフとした作品 “The Abduction of Rebecca” です。

メトロポリタン美術館にて素晴らしいドラクロワ展も開催されました。
メトロポリタン美術館では、ドラクロワと同時代に活躍し、後に印象派にも影響を与えた新古典主義アーティスト、カミーユ・コロー(Jean-Baptiste-Camille Corot) の作品も数多く展示されています。
Jean Auguste Dominique Ingres
ドラクロワと同時代に活躍した対照的なアーティストが、写実的なアカデミックアートの作風で知られる、ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル (Jean Auguste Dominique Ingres) です。2階にも Jean Auguste Dominique Ingres の作品が展示されていますが、最も有名な作品は、1階の Robert Lehman Gallery の Gallery 957 に飾られている、1851–53年の作品 “Joséphine-Éléonore-Marie-Pauline de Galard de Brassac de Béarn (1825–1860)。

Rosa Bonheur
オルセー美術館の牛の作品が有名な写実的なアカデミックアートのアーティスト、Rosa Bonheur。こちらは Gallery 812 にある、生き生きと馬を描いた、1852–55年の作品 “The Horse Fair” です。
マネ
メトロポリタン美術館には、エドゥアール・マネ (Edouard Manet) の作品もたくさんあります。こちらは、Gallery 810 にある、闘牛士を描いたマネの1860年代の作品群で、特定のモチーフ、描き方が好まれる当時のサロンへのささやかな反抗が感じられます。フォーマルなサロンにも出展していたマネですが、その後、印象派の一人として自由奔放な作品を描いていったアーティストです。
ギュスターヴ・モロー
こちらは Gallery 800 の、幻想的な作風のシンボリズムアーティスト、ギュスターヴ・モロー (Gustave Moreau) の1864年の作品 “Oedipus and the Sphinx” です。Gallery 800 は、通路がギャラリーとなっていて、ロダンの彫刻、レイトン卿や Odilon Redon らシンボリズムアーティストの絵画などが展示されています。

クールベ
こちらは、Gallery 899 の、ギュスターヴ・クールベ (Gustave Courbet) の1866年の作品 “Woman with a Parrot”。クールベの作品は、他にも数多く展示されています。
Jean-Léon Gérôme
オリエンタリズムの代表的アーティスト、Jean-Léon Gérôme の1868–69年の作品 “Bashi-Bazouk”。Gallery 804 で、展示されています。

ミレー
こちらは、Gallery 802 にある、落穂拾いで有名なバルビゾン派の代表的アーティスト、ジャン=フランソワ・ミレー (Jean-François Millet) の1874年頃の作品、”Haystacks: Autumn”。
ドガ
ドガの作品もたくさんあります。こちらは、Gallery 815 にある、ドガ (Edgar Degas) が、バレエ教室の様子を描いた1874年の作品 “The Dance Class” です。現在は、メトロポリタン美術館150周年記念展のギャラリーに場所を変え、展示されています。この他、ピサロ、シスレー、カイユボット、Berthe Morisot ら印象派の代表的アーティストも網羅されています。パリの印象派展に出展していたアメリカ人アーティスト、Mary Cassatt の作品は、アメリカンアートのセクションで展示されています。

セザンヌ
こちらは、Gallery 826 にある、セザンヌ (Paul Cézanne) の1893–94年の静物画 “Still Life with a Ginger Jar and Eggplants” です。セザンヌとゴッホの他、ゴーギャン、ルソー、スーラ、シニャックらポスト印象派アーティストの作品もあります。
マティス
こちらは、Gallery 830 にある、アンリ・マティス (Henri Matisse) の1912年の作品 “Nasturtiums with the Painting “Dance” I” です。マティスは、ピカソと並び、20世紀を代表するアーティストの一人です。ピカソ同様、マティスの作品は、現代アートのギャラリーにも展示されています。マティスは、独特な色使いで知られる 野獣派 (fauvism) の代表的なアーティストの一人で、その他のフォーヴィスムで有名な、André Derain や Kees van Dongen の作品も展示されています。また、Robert Lehman Gallery には、Maurice de Vlaminck や Albert Marquet らの作品も展示されています。

ボナール
こちらは、Gallery 828 にある、ボナール後期、1939年の作品 “The Terrace at Vernonnet”。ボナールらしい色使いとタッチで、幻想的な雰囲気に描かれています。ボナールとペアで展示されることが多い、Édouard Vuillard の作品もあります。
クリムト
フランス、イギリス以外のアーティストの作品もいくつか展示されています。こちらは Gallery 829 にある、オーストリア人アーティスト、クリムト (Gustav Klimt) の1899年の作品 “Serena Pulitzer Lederer” (1867–1943)。もう一点の作品 “Mäda Primavesi” (1903–2000) も素晴らしいです。2階正面左手のセクションでは、この他、「叫び」で有名なノルウェー人アーティスト、ムンクの作品も数点展示されています。
このような感じでメトロポリタン美術館にはびっくりするほど素晴らしい名作がたくさん揃っています。
今回紹介した西洋アートの有名作品はメトロポリタン美術館の見どころのほんの一部です。まだまだ見るべき傑作作品がたくさんあります。以下記事もご覧ください。