マークトウェインの家とミュージアム 『トムソーヤの冒険』が誕生した邸宅ツアー

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世界中で時代を超え愛されている名作、トム・ソーヤーの冒険、ハックルベリー・フィンの冒険などの作家として知られるのが、マーク・トウェイン (Mark Twain) です。小説を読んだことがない人も、ディズニーランドのトムソーヤ島やマークトウェイン号で、知っている人も多いと思います。コネチカット州ハートフォードには、マーク・トウェインが、トムソーヤの冒険など代表作を執筆した、19世紀後半に建てられたビクトリア様式の美しい建物のマークトウェイン邸が残されており、ガイドツアーで見学することができます。また、併設されている、マークトゥエイン・ミュージアムでは、マークトウェインについて詳しく紹介されており、トムソーヤはもちろん、アメリカ文学好きや建築好きの人も訪れてみると楽しめます。

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マークトウェイン邸・博物館 (Mark Twain House & Museum) は、コネチカット州ハートフォードのダウンタウンから車で、5分程西に向かった場所にあります。マークトウェイン邸のある高台から坂の下にある駐車場 (地図) に車を止め、まずミュージアムセンターに向かいます。

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ミュージアムセンターでは、マークトウェイン邸のガイドツアーのチケットが購入できる他、マークトウェインに関する展示や映像作品の上映が行われています。カフェ、トイレ、ミュージアムショップなどもこの建物にあります。

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センター内では、シンボルとなっているマークトウェインの顔の彫刻や、レゴで作られたものなど、様々な形で飾られています。マーク・トウェイン (Mark Twain) という名前で広く知られていますが、実は、この名前はペンネームで、本名は、サミュエル・クレメンス (Samuel L. Clemens) と言います。

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マークトウェイン邸ツアーは、General Tour (約1時間) と、当時のコスチューム姿のガイドさんが案内してくれる Living History Tour (約1時間15分) の2種類があり、それぞれのツアーが、1時間に1回程催行されます。一回のツアーの定員は14人なので、週末や連休など混みそうな日で訪問時間が決められるなら、ホームページ からチケットを事前購入しておくのがおすすめです。週末のお昼ごろに訪れたら、チケットカウンターは大行列で、この日予定していた時間のツアーを一本見送り、次のツアーに参加することになりました。

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センター内には、サミュエル・クレメンスさんの人生と当時のアメリカ社会を紹介した展示ギャラリーがあり、ツアーの前後に見学することができます。

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また、シアターでは、マーク・トウェインのドキュメンタリー作品 (Mark Twain by Ken Burns) も上映されています。ツアー開始までの待ち時間に見ておくことができます。

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サミュエル・クレメンスさんは、1910年に亡くなりましたが、2008年7月14日のタイムズの表紙にも、”The Dangerous Mind of Mark Twain” というコピーで登場したそうで、その影響力の大きさが感じられます。

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サミュエル・クレメンスさんは、1835年、ミズーリ州に生まれ、後に、ミシシッピ川の船の操縦士をしていたこともあり、そんな経験が後の名作『トムソーヤの冒険』などに反映されています。その後、アメリカ西部に移り住み、ジャーナリスト、そして作家へとシフトしていきます。アメリカだけでなくヨーロッパなど様々な場所を旅し、そんな旅から生まれた作品も残しています。その後、1870年代に結婚し、ハートフォードの豪邸に移り住み、トムソーヤの冒険などの名作を生み出し、世界中で知られる、19世紀アメリカ文学を代表する作家の一人となりました。

こちらの映像では、マークトウェインことサミュエル・クレメンスさんのバイオが要約され、紹介されています。

今回参加したのは、ガイドさんが普通の姿で普通に案内する General Tour です。いざ出発!邸宅内は、写真撮影は禁止となっています。

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マークトウェイン邸は、19世紀後半の著名建築家、Edward Tuckerman Potter のデザインにより、1874年に完成したゴシックリバイバル様式の建物です。最初に小説を出版したのは、1865年。その後、1874年までに、マークトウェインの小説は、何冊か出版されていましたが、そこまでの財産はなく、妻、Olivia Langdon Clemens の実家の援助により、この豪邸の建設に至ったようです。

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マークトウェインこと、サミュエル・クレメンスさんは、その後、この家のビリヤードが置かれている最上階の書斎で、トムソーヤの冒険、ハックルベリーフィンの冒険など数多くの名作を生み出し、超有名作家となっていきます。作家としての人物像の他、当時は、列強国による植民地獲得競争の全盛時代でしたが、そんな政策に反対した反帝国主義者だったことでも知られています。

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こちらで、邸宅内の様子が紹介されています。

サミュエル・クレメンスさんが、この邸宅に住んでいたのは、1874年から1891年まででした。その後、マンハッタンのグリニッジビレッジ (14 West 10th Street) にも、短期間ですが、住んでいたことがあります。
ミュージアムセンターには、ミュージアムショップもあり、マークトウェイン関連の本やグッズが色々あります。

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マークトウェイン邸&ミュージアム Mark Twain House & Museum
351 Farmington Ave, Hartford, CT 06105 地図

マークトウェイン邸のお隣には、Harriet Beecher Stowe Center があります。Harriet Beecher Stowe も19世紀の著名作家です。代表作は、奴隷制度の現実について描いた1852年の “Uncle Tom’s Cabin” で、南北戦争、奴隷制廃止へと向かう当時の社会に大きな影響を与えたようです。Harriet Beecher Stowe 邸もガイドツアーで、見学することができます。こちらも当時の売れっ子作家の家ということで、豪華な建物です。実は、マークトウェインが、Stowe 邸の隣に引っ越してきたのは、出版関係の人がよく出入りする売れっ子作家の家があったからだそうで、その家より豪華な家を建ててみたりするなどなかなか戦略的だったようです。マークトウェインの一般公開用の写真を撮影するときは、外向けの同じ服装で映るようにし、イメージ作りも大切にしていたようです。ツアーでは、マークトウェインのそんな知られざる素顔のお話を聞くこともできます。

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マークトウェイン邸、Harriet Beecher Stowe Center 周辺には、クイーンアン様式の美しい邸宅、Katharine Seymour Day House もあります。Katharine Seymour Day は、Harriet Beecher Stowe や、マークトウェインの邸宅を引き継ぎ、保存に努めた人物です。

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マークトウェイン邸の近くには、一際目立つ教会、Cathedral of Saint Joseph があります。1962年に建てられたもので、ゴシック様式をモダン建築で表現しているそうです。

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ハートフォード周辺は、素晴らしい作品の数々を有するワズワース美術館など色々見どころがあり楽しめる、ニューヨークからのショートトリップにもおすすめです。

ワズワース美術館の見どころ ハートフォードのアメリカ最古の美術館 Wadsworth Atheneum Museum of Art

マークトウェインの家とミュージアム 『トムソーヤの冒険』が誕生した邸宅ツアー was last modified: 8月 19th, 2019 by mikissh