ニューオーリンズ旅行で外せない、ジャズ誕生の地ニューオーリンズならではのジャズ巡り。有名なジャズバーがたくさんあり、一日に何軒もはしごしたくなるほどなのですが、中でも行ってよかったおすすめのジャズバーを紹介します。
妖しい光を放つ夜のニューオーリンズのバーボンストリート (Bourbon Street)。レストラン、バーなど多くの店が立ち並び、夜が更けるごとに賑やかになっていきます。公道や公園でアルコールを飲んではいけないという “Open Container Law” による制限が普通であるアメリカにおいて、珍しくそれが許されている街ニューオーリンズでは、歩きながらカクテルを飲んだり、酔っ払いに出会うこともあります。日中、目一杯 見どころ満載の異国情緒溢れる港街を観光 したり、ケイジャン&クレオール料理とグルメ三昧 したりして疲れていても、夜になると独特の雰囲気の中、つい夜更かしをしてしまう街ニューオーリンズ。そんな夜の楽しみがジャズ巡りです。
ニューヨークはジャズのメッカと言われていますが、元祖と言えばニューオーリンズ。その歴史からフランス、スペイン、アフリカ、そしてアメリカと様々な人種と文化の入り混じったニューオーリンズで誕生したと言われているのがジャズです。多様な人と文化が集まり、それがぶつかり合う街では常に何か新しいものが生まれていくようです。
ニューオーリンズを訪れたら是非楽しんで欲しいのがノスタルジックな雰囲気を漂わせる元祖ジャズ。ホテルのジャズバーなどのフォーマルなものから、伝統を感じさせる純粋なジャズ専門のクラブ、新しいタレントの息吹を感じさせるカジュアルな繁華街の中のジャズバーなど様々なジャズクラブがあり時間が経つのを忘れてしまいます。
まずは、ホテルのジャズバーで本格的なカクテルからスタートです。
Irvin Mayfield’s Jazz Playhouse
バーボンストリート (Bourbon Street) にある、ロイヤル・ソネスタ・ホテル (Royal Sonesta Hotel) のバー、Irvin Mayfield’s Jazz Playhouse は、アップスケールなジャズバーです。
主役はドラムの Jason Marsalis。完成度の高い、完璧な演奏のプロ意識の高いジャズでした。しっとりと落ち着いていて、この素敵な大人のジャズバーの雰囲気にぴったりな演奏でした。ニューヨークのリンカーンセンターやブルーノートで演奏することもあるようです。どうやら最近は鉄琴(vibraphone) にも力を入れているようで、新しいジャズを切り拓いていこうという心意気を感じます。
Jason Marsalis さんは、ニューオーリンズで有名なジャズ一家の一番下の息子さんのようです。Marsalis ファミリーみんなで演奏した、こちらはまさにニューオーリンズらしさ満点の曲です。Jason さんはドラムで出演しています。単独で見た時は、貫禄あるミュージシャンだったのですが、このお兄さんたちに囲まれてしまうと周りの存在感がすご過ぎて少々かすんでしまいます。家族全員がプロ集団、本当貫禄があります。
ジャズプレイハウス
Irvin Mayfield’s Jazz Playhouse
ロイヤルソネスタホテル Royal Sonesta Hotel
300 Bourbon St, New Orleans, LA 70130 MAP
バーボンストリートを歩いていると、こんなニューオーリンズの有名なジャズプレイヤーの像も。ここはニューオーリンズ・ミュージカル・レジェンドパーク (New Orleans Musical Legends Park) で、ライブジャズの演奏が行われていることもあります。
ニューオーリンズ・ミュージカル・レジェンドパーク
New Orleans Musical Legends Park
311 Bourbon St, New Orleans, LA 70130 MAP
プリザベーション・ホール Preservation Hall
19世紀後半から20世紀初頭にかけてジャズの誕生したニューオーリンズですが、1920年頃から全国的にジャズ人気に拍車がかかり、次第に有名プレイヤー達はシカゴやニューヨークなど他の都市へ移っていき、ジャズの中心もそれに伴い変わってきました。それ以降下火になっていたニューオーリンズのジャズシーンですが、ニューオーリンズを訪れ、ブラスバンドスタイルのニューオーリンズジャズを気に入ってしまったオーナーにより、1961年に、今も残る老舗中の老舗のジャズホール、プリザベーション・ホール (Preservation Hall) が設立されたのです。今でも伝統的なニューオーリンズジャズを中心にしたセッションで、長椅子席か、床のざぶとんに座って聞くような素朴で簡素な雰囲気の会場です。こんなに近くで聴いたことないくらい演奏者のまん前で座って聴きます。ここの演奏者は年配の方が多いのですが、みんなとにかくとっても楽しそうに演奏しているのが本当に印象的でお客さんもおもわず笑顔になってしまいます。たっぷり2時間、2セッション続けて聴いてきました。
レトロ感満点です。日本語のポスターもあります。
こじんまりとした学園祭のような雰囲気の中 Dixieland Jazz と呼ばれるニューオーリンズらしい明るい、活気のあるジャズを聞くことができます。
プリザベーション・ホール
Preservation Hall
726 St Peter St, New Orleans, LA 70116 MAP
The Spotted Cat Music Club
最後の登場は、Frenchmen Street の人気スポットと言われている、ザ・スポッティッド・キャット・ミュージック・クラブ (The Spotted Cat Music Club)。ドリンク1杯でチャージなしで楽しめちゃうお得なお店なので、常に混んでいて席を確保するのはなかなか難しいです。私たちは偶然席を取れましたが、どんどんどんどんお客さんが入ってくるので立ち客でお店の中はぎゅーぎゅーです。演奏者は名を揚げようと頑張っている若いミュージシャンが多く、雰囲気はとにかく元気な感じです。
ミュージシャンとの距離も近く、とても盛り上がります。
Kristina Morales & The Bayou Shufflers。若々しい、フレッシュなニューオーリンズジャズで好感が持てます。
ザ・スポッティッド・キャット・ミュージック・クラブ
Spotted Cat Music Club
623 Frenchmen St, New Orleans, LA 70116 MAP
ジャズの帰り道に通りかかった、1807年から続いているという歴史のある有名なバー、Old Absinthe House。看板にはJean Lafitteという名前も。1812年から始まった米英戦争の際、ニューオーリンズの防衛にあたるアメリカ側のリーダーだったAndrew Jacksonが当時この一帯で名をはせていた海賊、Jean Laffit とここの2階で、仲間の恩赦と引き換えに同盟を結びました。そして Laffit の活躍もありニューオーリンズの戦いでイギリス軍の撃退に成功したようです。バーボンストリート散歩中に立ち寄ってみましょう。
長い夜はまだまだ続きます。
ラファイエットスクエアで野外無料ジャズコンサート
こちらは、春限定ですが、ニューオーリンズのフレンチクオーターの南西側の隣のビジネス地区(Central Business District)にある公園、ラファイエットスクエア(Lafayette Square) では、Wednesday at the Square という無料のコンサートイベントが行われています。2019年は、3月20日から5月22日までの毎週水曜日、午後5時から8時までの開催となっています。イベントには、たくさんのグルメな出店や雑貨マーケットも登場する楽しいイベントです。
ラファイエットスクエア
Wednesday at the Square
S Maestri Pl, New Orleans, LA 70130 MAP
最後にニューオーリンズ出身で、その後シカゴやニューヨークなどで活躍したジャズ界で最も有名なルイ・アームストロング (Louis Armstrong) の家がニューヨークでミュージアムとなっています。
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