ニューヨークの劇場街といえば、タイムズスクエア周辺が思い浮かびますが、実は、ニューヨーク市内各地にも豪華で美しい劇場が点在しています。そんな劇場の一つが、スタテンアイランド北部、スタテンアイランドとマンハッタンを結ぶフェリー乗場の近くにあるセントジョージ劇場 (St. George Theatre) です。先日、ニューヨークフィルハーモニック交響楽団の屋内コンサートを聞きに、初めてセントジョージ劇場を訪れてみましたが、外観からは想像できない、素晴らしい豪華な内装に感動させられました。
夏のニューヨークは、様々なイベントが盛り沢山ですが、先日初めて、スタテンアイランドのセントジョージ劇場 (St George Theatre) で毎年行われている ニューヨークフィルの屋内コンサート に行って来ました。
セントジョージ劇場は、スタテンアイランドの北端、マンハッタンからのフェリーが到着する、セントジョージにあり、フェリーターミナルから徒歩で10分弱の訪れやすい場所にあります。スタテンアイランドフェリー からは、自由の女神やマンハッタンの素晴らしい絶景も楽しめます。
外観は、レンガ造りのタウンハウスのような建物なのですが、実は中身は、スペイン・イタリアバロックリバイバル様式の豪華な劇場です。中に入るとすぐ豪華なシャンデリアが迎えてくれ、金色に輝く別世界が広がっています。外観とのギャップにみんなびっくりです。
セントジョージシアターは、ギルディドエイジ (Gilded Age) の真っ只中、1928年に建設がはじまり、200万ドルをかけて、1929年に完成した歴史ある劇場です。建物は、当時の劇場建築で著名な建築家、Eugene De Rosa によるもので、内装は、タイムズスクエアの劇場のインテリアも数多く手掛けた Nestor Castro が担当しました。セントジョージシアターがオープンしたのは、ウォール街の大暴落の1ヵ月程後という不運に見舞われ、数年後には売却されてしまいます。ライブパフォーマンスの劇場として使用されていた期間は短く、1930年代中頃から1970年代まで主に映画館として使用されていました。ですが、最終的には 1978年に劇場は閉鎖されてしまいました。
そんなセントジョージ劇場は、NPO の St. George Theatre Restoration, Inc により、2004年に復活します。2017年の大規模なリノベーションなどを経て美しい姿に変身し、現在では、数多くのイベントが行われる、スタテンアイランドを代表する劇場となっています。
バロックリバイバル様式で、ロビーエリアには、スペインやイタリア風の壁画が描かれています。
劇場には、1階のオーケストラ席と上階のバルコニー、メザニン席があります。かつては、全部で2800席程あったようですが、現在は、その 2/3 程となっています。
天井の巨大なシャンデリア、点在する彫刻など劇場内の装飾も豪華です。人気ドラマ、ゴシップガール (You’ve Got Yale!の回) をはじめ様々な作品にも登場するロケ地にもなっている劇場です。
ニューヨークフィルの夏のコンサートと言えば、セントラルパークをはじめ市内各地の公園で行われる野外コンサートが知られていますが、1ヵ所だけ屋内会場で行われるのが、セントジョージ劇場のコンサートです。こちらは、野外コンサートとプログラムが異なっていて、オーケストラによる演奏ではなく、カルテットでの演奏でした。今回、初めて訪れてみましたが、劇場での素晴らしい音色を楽しむことができました。
ニューヨークフィルの夏の無料コンサートの中で、セントジョージ劇場での屋内コンサートのみチケット制になっています。ただし、巨大な劇場で席に余裕があり、スタンバイも受け付けていたので、当日に飛び込みでも参加できると思います。
セントジョージ劇場 St. George Theatre
35 Hyatt St, Staten Island, NY 10301 地図
スタテンアイランドといえば、フェリーも楽しいです。
スタテンアイランドに用事がある人はもちろん、そうでない人も、無料でニューヨークハーバーをクルーズでき、自由の女神やマンハッタンの絶景を楽しむことができます。フェリーターミナルの近くには、新ショッピングスポット、エンパイアアウトレット もあるので帰りにはお買い物も楽しめます。
