多様な人たちが住むニューヨーク。1月に入り新年を迎え、ほとんどの人にとってはホリデーシーズンは終わっているのですが、新年が明けた後も実はまだ続いている人たちがいます。スペインやメキシコ、プエルトリコなど、ラテン圏の国出身の人々にとっては、1月6日がクリスマスイベントの最後の日なのです。この日は Three Kings Day(三賢王礼拝の日)。ニューヨークでは毎年1月6日に、Three Kings Day パレードが行われます。パレードイベント自体の規模は小さく、ニューヨークに住んでいても知らない人も多いかもしれません。でも、ニューヨークには様々な文化を持つ人が住んでるんだなぁ、と改めて実感させられる異文化体験ができるイベントです。本物の3匹のらくだがニューヨークの街中をパレードしちゃいます。
クリスマスから12日後となる、このThree Kings Dayは、Epiphany とも呼ばれます。スペイン語では、”El Día De Los Reyes”。聖書の中のお話で、三賢王たちがイエス・キリストの誕生をお祝いしてベツレヘムを訪れた日です。
こちらが三賢王、ガスパール (Gaspar)、メルキオール (Melchor)、バルタザール (Baltasar)。この3人は、ヨーロッパ、アラビア、そしてアフリカを象徴しているそうです。聖書のお話では、東方の三賢王は、空の星の導きで、救世主となるユダヤの王(イエス・キリスト)の誕生を知り、会いに行くことになります。
パレードが行われたのは、スパニッシュハーレムからも近い、106St & Lexington Ave から 115St & Park Ave にかけての3rd Ave 沿いです。街の中を歩く3匹のラクダたち。超人気者に!
暖かい地方に住むラクダ、ニューヨークの寒さが大丈夫か少し心配です。
太鼓をたたきながら、音楽を奏でながら、進むパレード。
このパレードを見にやってきた子供たち。みんな王様の冠を作ってきていて、とってもかわいい!
学校の前にも出てきた子供たちが勢揃い。このThree Kings Dayを祝うおうちでは、実はこの日に子供たちはプレゼントがもらえるのだそうです。プレゼントを入れてもらえるように前日には靴を玄関に置いておくのだそう。でも、最近では12月25日にプレゼントをもらう慣習も広がってきていて、12月25日のプレゼントはサンタさんからのプレゼント、1月6日のプレゼントは三賢王からのものとして別のイベントして2回もらえるというおうちもあるようです。
赤ちゃんを抱いたマリア様。
またこの Three Kings Day の日には、王様の冠に見立てた伝統的なパン the Rosca de Reyes (Kings’ Bread) を食べる伝統があるそうです。
華やかな装いのパレードは続きます。
たくさんの子供たちがパレードを見に来ているので、パレード中、握手しにきてくれる人もいます。
パレードには有名人も参加していて、俳優の J.W. Cortés さん。テレビシリーズのGOTHAMに出演しています。俳優になる以前は、ニューヨーク地下鉄、MTAで警察として働いていたそうです。
そして、グラミー賞 (Grammy Award) 受賞ジャズピアニストの Arturo O’Farrill さんも。
ラクダが街中を歩いちゃうような珍しいイベントなので、写真を撮りにやってきている人も結構いました。
王様の冠をかぶったかわいい子供たちが集まるイベントで、ほのぼのした雰囲気です。
このThree Kings Day のパレードを主催しているのは、ニューヨークのラテン文化の中心的存在となっている、エル・ムセオ・デル・バリオ (El Museo del Barrio) のミュージアムです。
パレードの最終地点はミュージアムで、パレード後も色々とイベントが行われたそうです。
El Museo del Barrio は、こんなミュージアムです。
El Museo del Barrio
1230 5th Ave, New York, NY 10029 (104-105th Street) MAP