メトロポリタン美術館が今とても面白いクールなミュージアムになっています。現在、美術館の正面入口のグレートホールが、ダンスをテーマにした色鮮やかなデジタルアートの世界に包まれ、がらっと雰囲気が変わりとても賑やかになっています。メットでは、9月から1930年代のアメリカをテーマとした特別展がはじまっていますが、そんな展示に合わせて、1926年に設立されたアメリカ最古のダンスグループ、マーサ・グラハム・カンパニー (Martha Graham Company) のダンサーたちにより、1930年代に作られたダンスのレパートリーの数々が館内の様々なギャラリーで披露される特別イベントが開催され大盛り上がりになっています。
ニューヨークを代表するミュージアム、メトロポリタン美術館と言えば、ネオクラシカルな建物で、厳かな雰囲気ですが、現在、正面入口のグレートホールは、デジタルアートの色鮮やかなバーチャルなゲームの中のような世界が広がり、ブルックリン美術館 のファーストフライデーナイトのパーティ会場のような賑やかな雰囲気になっています。
メトロポリタン美術館は、最近では、映像やパフォーミングアートなどの分野もフィーチャーされるようになって来ていて、グレートホールでは、現在、ダンサーでデジタルアーティストでもある Jacolby Satterwhite さんによる A Metta Prayer と題されたゲームの中のようなイマーシブなデジタルアートの映像作品が上映され、様々なダンサーたちによるパフォーミングアートイベントも予定されています。
ダンサーでもあるアーティスト Jacolby Satterwhite さんは、ホイットニー美術館のオープン記念パーティにも登場していたことがあります。
メトロポリタン美術館では、現在、1930年代のアメリカンアートをテーマとした特別展、Art for the Millions: American Culture and Politics in the 1930s が行われています。
今から100年近く前の1930年代は、ギルディドエイジと呼ばれた1920年代が終わり、1929年のウォール街大暴落に端を発した世界大恐慌の時代でした。不況で活力をなくした暗い時期という印象がありますが、実は、連邦政府が景気対策として様々な社会的なプロジェクトやパブリックアートを支援したこともあり、アーティストの活躍の場は確保され、少数のお金持ちだけではなく、一般の人々をターゲットとしたアートが隆盛しました。
今回の特別展では、労働者や日常をテーマにした絵画や写真、ポスターなどそんな時代の様々なアート作品が展示されています。
この頃の流行スタイルだったのが、エンパイアステートビル などでもお馴染みのアールデコです。アールデコ調の雑誌の表紙やポスターが色々と展示されていて面白いです。
そして、そんな1930年代をテーマとした特別展に合わせて、なんと1930年代に作られたというダンスが行われていました。
この日行われていたのは、Radical Dance For The People: Martha Graham Dance Company と題された、マーサ・グラハム・カンパニー (Martha Graham Company) のダンサーたちによるソロダンスのショーです。今見ても、全く昔のものとは思えないむしろ斬新な素晴らしいダンスで驚きました。
現在も存在する、マーサ・グラハム・カンパニー (Martha Graham Company) は、なんと1926年に設立されたアメリカ最古のダンスグループです。1930年に作られた Lamentation をはじめ、個性的な動きとドレスで観客を魅了するインパクトのあるダンスでした。
ダンスの雰囲気は、こんな感じです。ダンスイベントは、明日2023年10月10日にも行われるので、見てみたいという人は訪れてみるといいと思います。
メトロポリタン美術館と言えば、少しかしこまった雰囲気で、これまでは、小さい子連れのファミリーだと少し訪れにくい雰囲気がありましたが、今はかなり変わってきています。9月から、子供用のインタラクティブな遊び場、81st Street Studio が登場したり、Roblox (ロブロックス) のゲームが登場したりと、キッズフレンドリーになってきていて、小さな子供連れの家族層も増えて来ています。
メトロポリタン美術館の基本情報は、こちらです。はじまったばかりのマネとドガの特別展の他、初期仏教アートの特別展 なども開催されています。
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