ニューヨーク ポスターハウス アールデコポスター特別展!Art Deco: Commercializing the Avant-Garde

ニューヨークのポスターに特化したミュージアム、ポスターハウス (Poster House) では、現在、ニューヨークの街並みのデザインでもお馴染みの 20世紀前半に世界的に流行した、アールデコ (Art Deco) デザインのポスター展、Art Deco: Commercializing the Avant-Garde が開催されています。世界中の数多くのアールデコのポスターが一堂に会する珍しい展示で、デザインに興味がある人におすすめの楽しい展示になっています。ニューヨークは、クリエイティブな仕事の人も多く、キュレーターによるツアーも大盛況となっていました。

ニューヨークには、多種多様なミュージアムがありますが、商業アートのポスターに特化した珍しいミュージアムが、チェルシーにあるポスターハウス (Poster House) です。ポスターハウスでは、期間限定で様々なテーマのポスター展が開催されています。ポスターハウスで現在行われているのは、アールデコをテーマにしたポスターの特別展、Art Deco: Commercializing the Avant-Garde です。会場となっているのは、1階のメインギャラリーで、2023年9月下旬からはじま 2024年2月25日までの開催となっています。

19世紀後半には、ワールドフェアやオリンピックなど世界各国が参加するイベントがはじまったりとお互い影響を与え合う国際社会の時代に突入しました。そんな国際社会の初期に世界的に流行したデザインと言えば、20世紀初頭前後に隆盛となった、アールヌーヴォー (Art Nouveau)、1920から30年代にかけて隆盛となった、アールデコ (Art Deco) があります。
ポスターハウスでは、以前、有機的なモチーフと優美な曲線が印象的な アールヌーヴォーのポスター展 が開催されましたが、アールヌーヴォーに続いて今回の特別展のテーマとなっているのは、それまでのデザインとは一線を画し、工業製品や都市などのモチーフ、直線や幾何学模様が特徴のアバンギャルドなデザインの「アールデコ」となっています。

アールデコは、エンパイアステートビル、クライスラービル、ロックフェラーセンターなど、ニューヨークの有名建築でもお馴染みのデザインです。

アールデコは、アールヌーヴォー同様、当時の世界の文化の中心だったパリ発祥のスタイルで、1910年代に登場し、1925年に開催された、パリ万国装飾美術博覧会(Exposition Internationale des Arts Décoratifs et Industriels Modernes) で世界に紹介されました。

第一次世界大戦終了後の1920年代と言えば、Roaring 20’s と呼ばれる復興期で、欧米では大きな経済発展を遂げると共に、様々な分野で新ジャンルやスタイルが登場し文化的にも繁栄しました。アールデコは、裕福な一般消費者が増えたそんな時代に人気となったスタイルで、ファッション、宝石、酒、タバコ、自動車など一般向けの嗜好品の広告のデザインにも多く取り入れられました。

こちらは、1920、30年代のイタリアの企業広告のポスター。右は、ハンガリー人デザイナー、Róbert Berényさんによるタバコ会社、Modiano の1929年の広告ポスターで、左は、イタリア人デザイナー、Severo Pozzati(SEPO) によるシャツ会社、Noveltext の1935年頃の広告ポスターです。どちらもパリで活躍していたデザイナーで、全体的には無機質な感じのアールデコ風ですが、アールヌーヴォー的な曲線も使用されていて、アールヌーヴォーの影響の強かったヨーロッパらしい両方のスタイルが入り混じっている似た雰囲気の作品です。

宝石会社とタバコ会社の広告。どちらも少しオリエンタリズム的な感じの無表情の人が印象的なポスターです。当時は、一般向け広告というのは珍しかったのか、不特定多数を表現していているのかもしれません。

現在でも良く知られているブランドもあります。イギリスの紅茶会社、トワイニング (Twining) の1930年のポスター。

当時、パリで活躍した著名ポスターデザイナーの作品も色々と展示されています。こちらは、A.M Cassandre によるフランスのアペリティフブランド、Dubonnet の1932年頃の広告ポスター。当時流行していた車の中から見る光景のように、動きながら絵を見ると動画のように変化して見えるという面白い連作です。

Charles Loupotによるフランスのワインブランド、St. Raphaël の1938年の広告ポスター。

嗜好品の他、当時のポスターの主要テーマとなっていたのは、旅行やイベントです。当時、現在の旅客機のような存在だったのが、ヨーロッパ内やヨーロッパと北米を結ぶ旅客船で、旅客船の航路のポスターなども展示されています。直線や幾何学模様を多用するアールデコは、未来志向の乗り物や都市を描くのにピッタリでした。

旅客船と並び、当時の交通に欠かせない存在だった鉄道のポスターもあります。1935年の大阪鉄道局のアールデコ風のポスターも展示されています。黒住豊之助さんのデザインです。
この他、Pierre Fix-Masseauさんのフランスの鉄道のポスター、Exactitude なども展示されています。

当時、急成長を遂げていた自動車関連のポスターも色々あります。Bugatti や、クライスラーのポスターの他、ジュネーブで開催されたグランプリなど、自動車レースのポスターなどもあります。

その他、映画、ラジオ、旅行のデスティネーション広告など当時の雰囲気が伝わってくる様々な分野のアールデコポスターがあり面白いです。

ポスターハウスの地下へ行くと、地下のギャラリーでは、1970年代以降の環境問題のポスター展、We Tried to Warn You! Environmental Crisis Posters, 1970–2020 が行われています。
可愛らしいキャラクターが何気なく危機を暗示している作品など、思わず目がいき、記憶に残ってしまうような印象的な作品がいっぱいあります。

世界各国の様々なスタイルのポスターが集まっていて、こちらも面白いです。

ポスターハウスのミュージアムショップは、おしゃれなデザインが多く楽しいです。アールデコポスター展の作品をテーマにした商品も色々登場しています。

アールデコと言えば、以前、クーパーヒューイットデザインミュージアムでは、1920年代のデザインをテーマとした特別展が開催されていました。

NYでジャズエイジ 1920年代のデザイン特別展 クーパーヒューイットデザインミュージアム

ポスターハウスでは、以前、20世紀初頭前後に世界的に流行したデザイン、アールヌーヴォーのポスターの特別展が開催されていました。

ポスターハウス ニューヨーク アールヌーヴォーのミュシャ展! チェルシーNY最新ミュージアム

ポスターハウスでは、毎月第一金曜日が入館無料となる First Friday が行われているので、そんな機会に訪れてみるのもおすすめです。

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