ニューヨークのダウンタウン、ワールドトレードセンターに新劇場、ペレルマンパフォーミングアートセンター (Perelman Performing Arts Center) がオープンしました。ここしばらくワールドトレードセンターに巨大な立方体の箱のような存在感のある建物が登場していて、何だろうと思っていた人も多いと思いますが、ようやく完成しオープンしました。一昨日、オープン記念パーティのようなオープンハウスイベントがあり、新劇場の様子を見て回ることができたので、劇場、ロビー、ラウンジなど内部の様子を紹介します。

ペレルマンパフォーミングアートセンター (Perelman Performing Arts Center)

ニューヨークには、リンカーンセンターやカーネギーホールをはじめ様々な劇場がありますが、そのほとんどがミッドタウンとアップタウンに集中しています。そんな中、ダウンタウンのワールドトレードセンターに、待望の新劇場、ペレルマンパフォーミングアートセンター (Perelman Performing Arts Center) が、2023年9月にオープンしました。

ワールドトレードセンターと言えば、2001年のアメリカ同時多発テロ事件で破壊されてしまいましたが、その後の復興開発計画で再開発され、現在では大部分が完成しています。劇場は、そんな復興開発計画の目玉の一つで、2004年には既に計画されていました。

2004年当初は、建築デザインは、フランクゲーリー (Frank Gehry) らが担当していましたが、途中で頓挫し中止となってしまい、そのあと様々な制約がある中で 2015年から建築ファーム REX の Joshua Ramus と Davis Brody Bond が担当することになりました。2019年完成を目指していましたが遅れ、総工費 5億6000万ドルをかけ、ようやく今年2023年9月にオープンに至りました。

美しい大理石のパネルで囲まれた巨大な立方体の形をした、ペレルマンパフォーミングアートセンターの劇場は、ワンワールドトレードセンター、オキュラス、911メモリアルに隣接する、ワールドトレードセンターの中心部にあります。劇場の入口は 911メモリアルに向かった南側にあり、階段を上って入館します。

ペレルマンパフォーミングアートセンターロビー & ラウンジ

一昨日、オープンハウスイベントがあったので、早速訪れてみました。オープンしたばかりと言うこともあり、たくさんの人がやって来ていて、オープン記念パーティのような雰囲気になっていました。
建物内は、全体的に、広々とした開放感のある空間が広がっていて、ソファやテーブルなど休憩スペースなども多く設けられていて、パーティ会場にもちょうどいい感じです。

入口のフロアには、ロビーの他、飲食ができる巨大なラウンジスペースがあります。公演前や休憩時間には、レストランになり、セレブシェフ、Marcus Samuelsson さんの料理を楽しむことができます。

クールな天井の照明が印象的なラウンジで、中央には、バーカウンターもあります。

この日は、ワインなどのドリンクと簡単なスナックが振る舞われました。

ラウンジから外に出てみることも可能で、外にもテーブルが用意されています。

外席があるのは北側で、周囲を 1 World Trade Center、7 World Trade Center など高層ビルで囲まれています。

入口の階段の上に当たる、ロビーの中心から離れた南側には、少人数用の静かな休憩スペースも用意されています。

劇場は上階にあり、エレベーターまたは階段で向かいます。ロビーにも若干トイレはありますが、より広いトイレが上階にあります。

劇場のあるフロアは、周囲に通路があり、中央に劇場という配置になっています。通路は、新劇場の建築の一番の特徴となっている薄い縞模様の大理石パネルで上の方まで覆われていて、うっすらと外の光が射し込んで来ます。こちらの大理石は、ポルトガル産で、両面がガラスと一体型の断熱パネルでラミネート加工されています。
通路には、トーテムポールの写真が飾られていて、アートスペースになっていました。