ニューヨークでは、すっかり涼しくなり、お散歩もしやすい、芸術の秋を迎えていますが、そんなシーズンは、ニューヨークのギャラリー巡りもおすすめです。ニューヨークで最も多くのアートギャラリーが集まっているのが、チェルシーです。久しぶりに色々とギャラリー巡りをしていたところ、どこのギャラリーもすっかりパンデミック前の状態になっていて、たくさんの人たちがやって来ていました。色々と面白い展示がありましたが、中でも印象的だったのが、ギャラリー全体が、たくさんのLEDの電球で埋め尽くされ、とても写真映えする幻想的な空間を作り出していた、Rafael Lozano-Hemmer さんの展示です。ギャラリー内の電球が、まるで鼓動を打つかのように調和して振動し、何か不思議な感覚にさせてくれる、テクノロジーを駆使したインストレーションアートです。
幻想的なイルミネーションアートをはじめ、テクノロジーを駆使した面白いインストレーションアートが展示されている、Rafael Lozano-Hemmerさんの個展、Common Measures は、ニューヨーク、チェルシーアートギャラリー街のペースギャラリーにて開催されています。ペースギャラリー (PACE Gallery) は、25ストリートの 10アヴェニューと 11アヴェニューの間に2ヵ所ありますが、イルミネーションアートの展示は、10アヴェニューに近い方の小さなギャラリー (510 West 25th St) で行われています。
暗闇の中での展示で、中から外は見える一方、外から中は見えない状態になっているので、中に入るまで全くわかりませんでした。
中に入ると、LEDの電球がいっぱいで、圧巻です。こちらは、メキシコ系カナダ人アーティストで、モントリオールやマドリードで活動している、Rafael Lozano-Hemmerさんの2021年の作品、Pulse Topology です。
人気SFドラマ、Stranger Things の世界の中に入り込んだかのような不思議な世界です。どこで聞きつけたのか分かりませんが、たくさんの人がやって来ていて、大変人気のある展示となっていました。
1つ1つは、何気ないLEDの電球ですが、ギャラリー内に波打つように美しく配置されていて、思わずポーズをとってしまう人続出の写真映えスポットです。
手を光にかざすと、ギャラリー全体に広がる無数の電球が、まるで生き物のように鼓動を打つかのように点滅しはじめます。
隣の小さなギャラリーには、同じくテクノロジーを駆使した面白いアート作品が2点あります。
一つ目がこちら、まるでドライアイスのように白い煙がもくもくと広がるこちらの作品は、2016年の Call on Water という題名の作品で、超音波アトマイザーを使用し、けむりを発生させています。
Hormonium と題されたこちらの2022年の最新作は、有機ELディスプレイを使用した映像作品です。色々な言葉や文字が海の波に流されてくるという、とても面白いものです。自然のものと人口的なものが入り混じった映像作品で、不思議な世界を作り出しています。
チェルシーには、たくさんのギャラリーがあるので、お散歩しながら面白そうな場所に立ち寄ってギャラリー巡りをするのも楽しいと思います。あまり時間がないという人は、どんな展示が行われているか調べてから訪れると効率よく回ることができます。
チェルシーのギャラリー巡りは、以下の記事など参考にどうぞ。