ニューヨークのルーズベルト島のフォーフリーダムズパーク (Franklin D. Roosevelt Four Freedoms State Park) に、夏らしいひまわりがいっぱいの階段が登場しました!マンハッタンとクイーンズの間を流れるイーストリバーに浮かぶ島、ルーズベルト島は、マンハッタンのミッドタウンの摩天楼やイーストリバー沿いの水辺の景色が楽しめる、旅行者にも人気のスポットです。今年は、ニューヨーカーしかいない夏を迎えて、静寂の時間が流れています。ほとんど人のいない公園では、エクササイズや、日光浴、読書などをしたりして、それぞれゆったりと過ごしています。
ルーズベルト島といえば、空中散歩が楽しめるトラム (Roosevelt Island Tramway) が有名ですが、マンハッタンからは、トラムまたは地下鉄F線で訪れることができます。クイーンズ側からは、徒歩やサイクリングでもやってくることができますが、マンハッタン側からは道がないので、何か乗り物に乗ってくることになります。
ルーズベルト島は、主に居住用のエリアになっていて、多くの人が住んでいるので、ロックダウン中も、トラムは運行を続けていました。現在、地下鉄同様、深夜から早朝にかけては停止し、清掃・消毒が行われています。他の公共交通機関同様、マスク着用が必須で、トラム内や、乗場には、ソーシャルディスタンスの目印がつけられていて、人数制限もあり、コロナ対策下での運行となっています。通常、かなり混み合うトラムなのですが、今は、かなり空いていて快適です。
ルーズベルト島へのトラムの乗り方は、こちらで紹介しています。
ルーズベルト島で、おすすめの散策コースは、島の南端に広がる、サウスポイントパーク (South Point Park) と、その奥のフォーフリーダムパーク (Franklin D. Roosevelt Four Freedoms State Park) を訪れるコースです。島には、最近完成したばかりのコーネル大学のコンピューターサイエンスをはじめとしたエンジニアリング系の大学院、Cornell Tech のキャンパス があります。
イーストリバーのマンハッタン側には、ミッドタウンの摩天楼が広がり、クライスラービル、エンパイアステートビル、国連ビルなどが見えます。
ルーズベルト島の南端にあるのは、サウスポイントパーク (South Point Park) です。
人よりも鳥の方がたくさんいるかもしれないと思ってしまった、ルーズベルト島の公園ですが、ニューヨークでは、連日、猛暑が続いているので、鳥たちも日陰で、水浴びをしながら涼んでいました。
サウスポイントパーク (South Point Park) のさらに奥には、2012年に誕生した、フォーフリーダムパーク (Franklin D. Roosevelt Four Freedoms State Park) があります。Franklin D. Roosevelt の Four Freedoms を記念した州立公園で、イエール大学やペンシルベニア大学の教授も務めた著名建築家、Louis Kahn によりデザインされました。
そんな公園の階段には、ひまわり畑を背景に、”The right of citizens of the United States to vote shall not be denied or abridged by the United States or by any State on account of sex.” の 19th amendment の条文が描かれています。
これは、1919年に提案、可決され、1920年8月18日に批准され、女性の参政権を確立することとなった、アメリカ合衆国憲法修正第19条 (19th amendment) の100周年を記念し、ニューヨークヒストリカルソサエティ と League of Women Voters により描かれたものです。
この階段には、プライド月間の6月には、レインボーが描かれていました。
上から見たり横から見ると普通の階段なのに、
真正面から見ると、迫力のひまわり畑になる芸術的な階段です。
ルーズベルト島は、ニューヨークの桜の名所の一つで、毎年、桜祭りが開催され、この階段の周辺も、その会場となっています。
階段を上って行くと、緩やかな傾斜の丘があり、木々が整然と植えられた美しい癒しの空間になっています。
ルーズベルト島は日影になるようなものが少ないところなのですが、陽射しの強い開けた空間の公園の中、数少ない涼める休憩スポットとなっています。
並木道の中央の芝生でも、とても気持ちよさそうに日光浴を楽しんでいる人もいました。
公園の名前にある4つの自由 (Four Freedoms) とは、ナチスや大日本帝国を念頭に、第二次世界大戦時のアメリカ大統領、フランクリン・ルーズベルトの1941年の演説に登場したもので、言論と表現の自由 (freedom of speech and expression)、信教の自由 (freedom of worship)、欠乏からの自由 (freedom from want)、恐怖からの自由 (freedom from fear) の4つの自由から来ています。
フランクリン・ルーズベルト像も飾られています。
4つの自由は、ノーマンロックウェルのポスターでも表現されています。
さらに奥へ進むと、イーストリバーの下流の景色が目の前にばっと現れます。そこには、いくつかの小さな島があったり、遠くには、ウィリアムズバークブリッジなども見渡せます。
公園周辺には、中には入れませんが、廃墟となったかつての病院、Smallpox Memorial Hospital もあります。
公園は、午後4時半まで入園でき、午後5時で閉園です。
フランクリン D. ルーズベルト・フォー・フリーダムズ州立公園 Franklin D. Roosevelt Four Freedoms Park
1 FDR Four Freedoms Park, Roosevelt Island, NY 10044 地図