ニューミュージアム多様な現代アートでギャラリー空間が大変身！不思議で斬新なイマーシブ特別展

ニューヨークを代表する現代アート美術館、ニューミュージアムでは、世界の様々な国のアーティストによる、斬新な空間作りで印象的な没入感のある特別展が行われています。近年、ビンテージショップや雑貨屋さんなどキュレーションや並べ方、全体的なコーディネーションで、そのお店ならではの個性的で美しい世界を作り出しているお店屋さんがありますが、映像や、プロジェクションマッピング、インストレーションアート、音響などを駆使し、独特の世界に入り込む感じのイマーシブエクスペリエンスを売りにしたアトラクションなどアートをフルに活用したリテールビジネスの世界に通じそうな、空間作りとセンスが垣間見られる特別展です。ストレンジャーシングスのような世界が作り出されていたりと面白い展示になっています。

ニューヨークのロウアーイーストサイドにある、コンテンポラリーアートの美術館、ニューミュージアムでは、世界中の様々な文化をバックグラウンドとしたアーティストたちによる特別展が行われています。他のミュージアムでは中々目にすることのないような斬新な作品に多く出会うことができるミュージアムです。現在は、プエルトリコ、ペルー、ベトナム、韓国など世界の様々な地域出身の現代アーティストの特別展が開催されています。
1階ロビーの奥のギャラリーでは、ペルー人アーティスト、Wynnie Mynerva による The Original Riot と題された巨大な壁画を中心とする迫力ある作品が飾られた独特の空間が作り出されています。

2階では、プエルトリコ出身のアーティスト、Pepón Osorio の個展、My Beating Heart/ Mi corazón latiente が行われています。

タイトルとなっている心臓のアートが飾られていたり、びっくりした表情の女性がいたりなど、遊び心いっぱいの展示となっています。

無数の面白い雑貨が、お部屋や、学校、お店、廃墟など様々なシチュエーションに合わせて、几帳面に飾られていて、全体として、ラテンアートらしいインストレーションアートになっています。
とある男子のお部屋があるかと思えば、

こちらは、学校の教室。先生が笑顔で立っていて、子供たちが発声練習をしている授業中の様子がアートになっています。

お次は、カラフルで派手だけど、アーティスティックな床屋さん。

最近よく見かけるようになって来ているお洒落なお店屋さんのような楽しい雰囲気です。

近年、SNSでも大人気ですが、アーティストの世界でもすっかり人気の媒体となっているのが映像です。3階では、ベトナム出身のアーティスト、Tuan Andrew Nguyen の映像作品を中心とした個展が開催されています。

ギャラリーは3つの雰囲気の異なるセクションに分かれていて、くつろぎながら3作品を鑑賞することができます。合わせて、写真などその他の媒体の作品も展示されています。

4階には、不気味な世界が広がっています。こちらは、韓国人女性アーティスト、Mire Lee の Black Sun と題された個展で、ギャラリーの中央には、温室の箱のような空間が登場し、その中全体がアート作品になっています。かなり没入感のある雰囲気作りがされているアート作品で、この空間に入っていくことすら、ちょっとためらわれるほどでした。

中に入った瞬間、もわっと伝わってくる空気に、何かの生き物がいる不思議な世界にトラップされてしまった感覚になります。Stranger Things の世界に入り込んでしまった感じです。インストレーションアートの随所には、ぐるぐる、ジュージュー、不気味な音を発する機械があり、ねばねばした泥のような物体がゆっくりと動いているような、イマーシブなキネティックアートになっています。

異世界のアートが集まる、斬新な美術館、ニューミュージアムですが、屋上に出た瞬間、ようやく現実世界に戻ってきたような感覚になります。
ニューミュージアムの最上階からはニューヨークの絶景が見渡せます。

ニューミュージアムの今回の特別展は、今週末の9月17日までの開催なので見てみたいという人は急ぎましょう。
なかなか奇抜で斬新な作品が多いですが、没入感のあるアートな空間に興味がある人には、面白い展示になっていると思います。