ニューヨークでは、近年、次々と新ミュージアムが登場していますが、最新のミュージアムの一つが、ストックホルム発の写真美術館、フォトグラフィスカ・ニューヨーク (Fotografiska New York) です。アーティスティックなものから社会問題をテーマとしたフォトジャーナリズム的な作品まで多様なテーマで、様々なフォトグラファーによる作品が、独特のダークルームの中でライトに照らされ美しく展示されている、カッコいい雰囲気のフォトミュージアムです。ギャラリーの他にもオシャレなミュージアムショップもあり、写真やアート好きの人におすすめのニューヨークの最新スポットです。
フォトグラフィスカ・ニューヨーク (Fotografiska New York) は、2019年12月に、フラットアイアン地区、マディソンスクエアパークのパークアベニュー沿いにある、美しい歴史的な建物に誕生しました。隣接する教会の付属施設として、19世紀末に建てられた、北方ルネサンスリバイバル様式の建物で、Church Missions House と呼ばれ、アメリカの歴史登録財 (National Register of Historic Places) にも登録されています。
フォトグラフィスカ (Fotografiska New York) は、ストックホルム観光 でも紹介しましたが、昨年旅行したスウェーデンの首都、ストックホルムでも訪れたことがあります。ストックホルムに、2010年にオープンしたとてもかっこいい個性的な写真美術館で、エストニアのタリンに続き、ニューヨークにも進出してきました。
中に入ると、美しいおしゃれなフォトグラフィスカのミュージアムショップがあります。
美術館は、6階まであり、3-5階の3フロアがギャラリーに、最上階がゆっくりと過ごせる休憩スポットになっています。まず最上階に向かい、そこから順番に階段で下へ移動しながら、それぞれのギャラリーを鑑賞していきました。
フォトグラフィスカ・ニューヨーク (Fotografiska New York) では、3つのフロアで、いくつかのテーマの特別展が同時開催されています。中でも印象深かったのが、3階で展示されていた、Sarah Cooper & Nina Gorfer の二人のアーティストのコラボ作品、Between These Folded Walls, Utopia です。まるでユートピアの世界のようなアーティスティックな迫力ある作品が並んでいます。
色合いとポージングがとてもクリエイティブで美しく、引き付けられる作品が色々ありました。
ミュージアムへは、カップルできている人、一人でふらりとやって来ている人が多い印象です。最上階のゆったり休憩スペースの他、ギャラリー内にもベンチが点在していてのんびりと過ごすことができます。
対照的な赤と黒の明暗法、キアロスクーロ(Chiaroscuro)だけでも十分ドラマチックですが、さらに躍動感も加わり、迫力が増しています。
映像作品もありました。こちらも、白と黒の対比が際立ち幻想的です。
New Visions と題されたグループ展では、個性的なアーティストたちの様々な作品が展示されていました。こちらは、なんとなくアジアっぽい雰囲気のモチーフが、欧米風のポップなカラーで表現されています。
大自然の中の人間を美しく表現した、シュールで不思議な世界感の作品など、本当にバラエティに富んだ作品が色々展示されています。
写真のテクニックを教えて欲しい、どうやって最終的に仕上げたのか興味深い、シューレアリスム的な作品もありました。
ナイジェリア人アーティストの作品など世界各地のフォトアーティストの作品が選ばれています。
こちらは、Julie Blackmon さんの Fever Dreams という特別展です。子供たちを中心とした何気ない暮らしの様子を撮影した作品なのですが、どこか幻想的で、アーティスティックな作品ばかりでした。
配置やポージングなどクールな独特のスタイルで、ママインフルエンサーも参考になる部分があるかもしれません。
多くの人が日常撮影することが多い、ポートレートのスナップ写真がテーマとなった展示もあります。ブルックリンとメキシコシティを拠点に活動するアーティスト、Naima Greenさんの特別展、Brief & Drenching では、たくさんの普通の人々が登場する温かい雰囲気の写真が並んでいます。
それぞれの人たちの個性がよく映されたスナップ写真展示です。日常の写真撮影のちょっとしたポージングの参考になるかもしれません。
5階では、Martin Schoeller さんのフォトジャーナリズム的な映像作品の展示、Death Row Exonerees が行われています。後に無実が認められ釈放されることとなった元死刑囚の姿から、死刑制度の存在について問うというテーマのものです。無実の罪にも関わらず、死の恐怖と隣に合った人々の話が、臨場感を持って語られていて迫力がありました。
フォトグラフィスカ・ニューヨーク (Fotografiska New York) には、2階にはレストラン、Verōnika があり、その他、バー、カフェなど飲食系も充実していますが、現在は、まだNYCでは、インドアダイニングが禁止となっているため、全て閉鎖されています。最上階にあるゆったりとしたスペースは、休憩スポットになっていて、周辺の街並みが見渡せます。今は、BLM運動でよく見かけたような光景の社会的抗議のフォトジャーナリズム的作品が飾られています。
写真美術館だけあって、館内に美しい写真の数々が飾られていて魅せられます。
ミュージアムショップでは、そんな写真のポスターの他、お土産にもおすすめな色々なものがあります。お洒落な雑貨やフォトブックなどのセレクションもよく、見ているだけでも楽しめます。
フォトグラフィスカ・ニューヨーク (Fotografiska New York) は、基本毎日、午前9時から午後9時までオープンしています。夕方以降、どこかお出かけしたいな、という場合にもおすすめです。見学所要時間は、1時間くらいで、のんびりと全体を見て回ることができます。
二ューヨークの行き放題の観光パス、ニューヨークパス や ディスカウントチケット も利用できます。
Fotografiska New York (フォトグラフィスカ ニューヨーク)
Park Ave S, New York, NY 10010 地図
営業時間:日-火 9:00 AM ― 9:00 PM、水-土 9:00 AM ― 11:00 PM
休館日:サンクスギビングデー
入場料:一般 $30、 学生・シニア $20、子供(0-6歳)無料
ちなみに、ストックホルムのフォトグラフィスカ (Fotografiska) も深夜近くまで営業していて、夕暮れ時には、水辺の向こうには、ストックホルムの中心、ガムラスタンの美しい夕日が楽しめました。はじめてフォトグラフィスカ (Fotografiska) を訪れたのが ストックホルム だったのですが、美しい写真、カッコいい写真に魅せられてファンになりました。