昨日、ブルックリン出身、ニューヨークで活躍した黒人アーティスト Jean-Michel Basquiat さんの1982年の作品が、ニューヨークのサザビーズで行われたオークションで $110.5 Million (約123億円)で落札されました。80年代のコンテンポラリーアートの作品が一気に、ピカソ、ゴッホ、ウォーホールなどの世界トップレベルのアーティストたちと並ぶレベルの $100 million 越えで落札されたと言うことで、注目を集めています。
落札したのは、なんと日本の ZOZOTOWN の創業者・社長で、日本のアートコレクターでもある前澤友作さんです。昨年も、Basquiat の作品を $57.3 million で落札しているようで、かなりの熱烈なファンのようです。喜びのツイッターの様子。
バスキア落札しました。アートを好きになってよかった。このペインティングをはじめて見た時、心からそう思いました。みなさんにも見てもらえる機会を作れたらいいなと思っています。バスキアありがとう! #jeanmichelbasquiat pic.twitter.com/xZrhCcX7bz
— 前澤友作 (@yousuck2020) May 19, 2017
地元の千葉県にコンテンポラリーアートのミュージアムを創設するそうで、こちらの作品も含め、どんな構成のミュージアムになるのか楽しみです。
何もない所から、価値のあるものを築きあげていくというアントレプレナー的な活動とアーティストの活動はかなり似ている部分があり、その魅力に取りつかれることも多いと思いますが、当然、マーケティングや投資的なビジネス的な判断も大きいと思います。前沢さんは自身もミュージシャンだったこともあり、アメリカでの生活経験もあるようで、Basquiat に強く惹きつけられるものがあるのかもしれません。
この作品は、1984年に $19000 で購入されたもので、それ以来マーケットに登場するのははじめてのようです。サザビーは、$60 million のギャランティーで今回のオークションで取り扱っていたと報じられており、結果が $110.5 Million というのは、サザビーにとっても思いがけない大ヒットとなったと思います。
Jean-Michel Basquiat さんはブルックリン出身で、グラフィティ、ヒップホップなどカウンターカルチャー的な活動を経ながら、Neo-expressionism のアーティストとしてギャラリーやミュージアムなどに登場するようになっていきました。アンディ・ウォーホール (Andy Warhol) にその才能を認められ、友人となり、コラボなどもしていたそうですが、27歳で、ヘロインのオーバードースにより亡くなりました。そのため、バスキアが生涯に残した作品数は80点のみと少なく、そんな作品数が限られている点や、デヴィッド・ボウイ、マドンナ、Jay Z をはじめとした作品を手放す可能性の低いセレブリティのファンが彼の作品を所有している点も投資対象としての魅力を高めているように思います。
サザビーズにより、こんな紹介ビデオも作成されています。
長編ですがこちらのドキュメンタリーでもJean-Michel Basquiat さんについて詳しく紹介されています。
2015年にはモジリアーニの作品の高額オークションが話題となりましたが、株式マーケットの調子と連動し、アートの世界も再び過熱しつつあるようです。