アメリカのフロリダ州を訪れたら見逃せない観光スポットの一つといったら、今も現役で活躍中、NASAのロケット発射施設がある、ケネディ宇宙センター (Kennedy Space Center) です。ケネディ宇宙センターは、オーランドから車で一時間程のところにある、大西洋に面した ケープ・カナベラル (Cape Canaveral) という場所にあります。ケネディ宇宙センターのビジターコンプレックスでは、人類を月に送る、アポロプロジェクトや、スペースシャトルなど、これまでのNASAによる、アメリカの宇宙開発の歴史に関する素晴らしい展示や映像があり、楽しみながら色々と学ぶことができる他、打ち上げスケジュールにタイミングを合わせるとロケット発射の様子を見学することもできます。
ロケット打ち上げの日に、ケネディ宇宙センターを訪れてみましたが、とてもたくさんの人々が打ち上げを楽しみにやって来ていて大変な盛り上がりでした。また、ケネディ宇宙センターのロケットと一緒にクリスマスツリーが飾られる、クリスマスシーズンも、ケネディ宇宙センター観光のおすすめの時期でとても楽しめます。
ケネディ宇宙センターとは
ケネディ宇宙センターは、ヒューストンの ジョンソン宇宙センター と並んで有名な NASA 宇宙センターで、1962年から、アメリカのロケット、宇宙船発射施設となっている場所の一つです。月面着陸のアポロプロジェクトや、スペースシャトルなど数多くの歴史的な宇宙への有人飛行の拠点となっている歴史的にも重要な基地で、現在でも ISS (国際宇宙ステーション) への荷物の運搬などのためのロケット発射施設として使用されています。
ケネディ宇宙センター 行き方 入場料
ディズニーワールドなどテーマパークで有名なオーランドから東へ車で一時間程の大西洋に面した ケープ・カナベラル (Cape Canaveral) にあり、一般公開されているケネディ宇宙センタービジターコンプレックスの他、ビジターコンプレックスからのバスツアーによりケネディ宇宙センター内部も見学することができます。
ケネディ宇宙センタービジターコンプレックス Kennedy Space Center Visitor Complex
Kennedy Space Center, SR 405, Titusville, FL 32899 地図
営業時間:9AM- (閉館時間は5PM,6PM,7PMと、時期により変わります。詳細はこちら)
チケット・入場料:大人(12歳-)$75 子供(3-11)$65
チケットは チケットページ から事前購入がおすすめ!
駐車料金 $10
ケネディ宇宙センタービジターコンプレックスには、様々な展示、アトラクションの他、アイマックスシアターもあり、丸一日遊べる宇宙をテーマとしたテーマパークとなっています。ケネディ宇宙センターの見学所要時間は通常丸一日です。朝から夕方まで過ごすつもりで訪れることをお勧めします。
Heroes and Legends
ゲートを入ってすぐの場所にある、Heroes and Legends では、映像作品の他、実際に使用された宇宙船のカプセルなども見学できます。また、U.S. ASTRONAUT HALL OF FAME では、宇宙開発初期の頃に活躍した宇宙飛行士が紹介されています。
ロケットガーデン
ビジターコンプレックスの中央に位置するのが、これまで有人の宇宙船、衛星の打ち上げなど様々なプロジェクトで活躍したロケットが並ぶロケットガーデンです。
バスツアー
ビジターコンプレックスからは、ケネディ宇宙センターのロケット打ち上げ関連施設など一般立入禁止のエリアを見学できる無料バスツアーが出ています。最初の30分ほどバスの車窓からケネディ宇宙センターの施設を見学し、アポロセンターで降り、展示やアトラクションを楽しんだ後、再びバスに乗って帰ってきます。バスツアーの所要時間はトータルで2時間から2時間半程度のコースになります。バスの時間は、通常、午前10時から15分おきの出発となり、最終は午後3時45分となります。ロケットの打ち上げの日は、変則的になり、打ち上げの前から終了までの時間、バスツアーは休止となります。
とても巨大なロケット組み立て施設、VEHICLE ASSEMBLY BUILDING (VAB)。かつて世界最大の単一フロアの建物だったこともあり、アポロ計画のサターン5やスペースシャトルの組み立てなどもここで行われました。
ロケット運搬車、クローラー・トランスポーターも巨大です。
SpaceX の施設です。ちょうどこの日は SpaceX の発射があった日のため、この施設が開いていて、中での作業の様子が少し見られました。
ケネディ宇宙センターのロケット打ち上げポイントはこちらです。ロケット打ち上げポイント (Launch Complex 39) は、なだらかな坂になっています。ここはかつて、アポロ計画のロケット打ち上げに使用された打ち上げ地点でもあります。Launch Complex 39 には、A、B、Cと三つの打ち上げ地点があり、そのうちのひとつ、Aは、SpaceX にリースされており、SpaceX の打ち上げは、Launch Complex 39A から行われます。
アポロ・サターン5センター Apollo / Saturn V Center
バスツアーの途中に立ち寄るのが、人類を月に到達させたロケット、SaturnⅤなどアポロ計画に関する詳しい展示がされているアポロ・サターン5センターです。ここでは、好きなだけ時間を過ごすことができ、見学終了後、バスに乗り込み、ビジターコンプレックスに戻ります。
中へ入ると、当時のコントロールルームを再現した部屋で、臨場感のある打ち上げのシーンの映像を見て、盛り上がった後に、
サターンⅤが展示されてあるとても広い展示スペースへと進みます。
あまりの巨大さに感動です。アポロ計画は、旧ソビエト連邦との宇宙開発競争の中、1960年代から70年代前半にかけて、人類を月に到達させるという目標のプログラムでした。
人類が月に初めて到着した時の世界中の新聞記事です。当時、新聞の一面を飾るそれはそれは大きなニュースだったことがわかります。「いま月を踏んだ」という大きな見出しの日本の新聞の一面も展示されていました。
月面の石を触ってみよう、は人気のコーナー。かなり小さな石です。
実際に使用された宇宙船、アポロ14号の司令船です。
宇宙服の展示。
月面の上を探索するときに使用する車です。映画で見たことありますが、本当にそれが実在し、それが目の前に展示されていることにちょっと感動です。
打ち上げ前のテスト時の事故でなくなった初代、Apollo 1 の3名の宇宙飛行士さん達のメモリアルもあります。宇宙へ行くということがいかにリスクで危険と隣り合わせか、過去の様々な犠牲の上に成り立っていることが偲ばれます。
宇宙飛行士ごっこをさせてくれる写真撮影スポットもあります。
宇宙服を着た可愛い宇宙飛行士のスヌーピーです。実はスヌーピーはNASAの大切なマスコットキャラクターなんです。アポロ11号による月面着陸成功前の準備任務で月の軌道を周回した「アポロ10号」の愛称が「スヌーピー」にもなっているくらい、NASAとの関係が深いのです。NASA の50周年記念の時にこのスヌーピー像がやってきました。スヌーピーが採用されたのは、アポロ1号の悲劇的な事故のイメージ払拭と安全性への配慮を高める目的のためだったそうで、安全のためのマスコットです。それは今現在でも続いていて、NASAで安全性を高めることに貢献したり、ミッション成功に特別に貢献したサポートスタッフに対して、宇宙飛行士から贈られるスヌーピーの名前が冠された賞 (Silver Snoopy Award) というのが残されています。
スペースシャトル アトランティス
アポロ計画の後、NASAの宇宙開発の中心となったのが、打ち上げはロケットのように飛び、帰還は飛行機のように飛んで帰ってくる再利用可能な、宇宙船の開発、スペースシャトルプログラムです。
スペースシャトルプログラムは、2011年に終了となりましたが、その最後のフライトを飾ったスペースシャトル、アトランティス号がケネディ宇宙センターに展示されています。
スペースシャトル実物の展示以外にも様々なスペースシャトルにまつわる展示がされています。
中には、スペースシャトルの打ち上げのシュミレーションを体験できる Shuttle Launch Experience というアトラクションがありおすすめです。待っている間、子供たちの悲鳴が中からこだましていて、聞いているだけでドキドキしてきましたが、恐る恐る乗ってみると遊園地のジェットコースター以上に怖いことはありません。ただ、これからこのまま宇宙へ飛んで行くんだと思うとあのガタガタ揺れる迫力はやはり怖いものです。シュミレーションとはいえ、いい体験になると思います。
アメリカでスペースシャトルというと、ケネディ宇宙センターのアトランティス (Atlantis) の他、ワシントンDCの航空宇宙博物館の Discovery、ロサンゼルスのカリフォルニアサイエンスセンターの Endeavour があります。宇宙には飛んでいないのですが、ニューヨークの イントレピッド海上航空宇宙ミュージアム にもテスト用として使用されたスペースシャトル、Enterprise があります。
NASAの現在とこれから NASA NOW + NEXT
NASAの最新ロケットや宇宙船、宇宙服などを見学したり、今後のプロジェクトについて学ぶことができる、NASA の現在とこれからをテーマとしたアトラクションが、NASA NOW + NEXT です。
ゲートウェイ GATEWAY: THE DEEP SPACE LAUNCH COMPLEX
2022年6月15日にオープンした、ケネディ宇宙センターの新展示、ゲートウェイでは、アルテミス計画の宇宙船 Orion や、SpaceX の荷物運搬用の Cargo Dragon、ロケット Falcon9、宇宙服、居住用モジュールなど NASA の現在とこれからの NASA の宇宙探索の中心を担う機材などが展示されています。
SPACEPORT KSC
ゲートウェイでの展示物の見学の後、Spaceport KSC では、ライドアトラクションで、火星、トラピスト1 (Trappist-1)、馬頭星雲 (a Horsehead Nebula)、土星など4つの冒険を楽しむことができます。
火星への道のり Journey to Mars
NASAの次世代のビッグプログラムが、2030年を目標に火星に人類を送るプログラムです。そんな火星の探査に関する展示も行われています。
館内では、ライブのプレゼンテーションが行われている他、探査機なども紹介されています。
民間企業のスペースX (SpaceX) は、一足早く人類を火星に送る計画があり、NASA とともに火星に向けた競争が進んでいます。そして、そんな火星を目指す宇宙飛行士のリクルートもそのうち始まると思います。初めて火星に人類が降り立つのはいつになるのでしょうか?そしてそれを達成する宇宙飛行士は誰になるのでしょうか?
アイマックスシアター
ビジターコンプレックスのアイマックスシアターでは、”Asteroid Hunters”、 “Journey To Space” の二つの作品が上映されています。
“Asteroid Hunters”のトレイラーはこちらです。
“Journey To Space”の予告編はこちら。
どちらも入場料に含まれています。両方共おすすめですが、どちらかと言うと 国際宇宙ステーション (ISS) 内の様子がよく分かる “A Beautiful Planet” が面白かったです。
宇宙飛行士を体験
別料金となりますが、宇宙飛行士の訓練を受けたり、宇宙飛行士と昼食を食べたりなどケネディ宇宙センターならではの特別な体験をすることもできます。火星を念頭に置いた宇宙飛行士トレーニングプログラム Astronaut Training Experience などがあります。
ケネディ宇宙センターのお土産
ケネディ宇宙センターには、世界最大の宇宙関連商品のギフトショップと銘を打たれた大きなお土産屋さんがあります。アポロ計画やスペースシャトルの展示の建物などにもお店が点在しています。ケネディ宇宙センターならではのお土産が色々あり、なかなか人気となっていますが、思わず買ってしまう特に人気のお土産というとやはり宇宙食です。
ミニチュアのロケットやスペースシャトルがあったり、
可愛い宇宙飛行士のぬいぐるみなど、ケネディ宇宙センターへ来た思い出におすすめのお土産が色々あります。
ロケット打ち上げの日は、とても混み合うので、公式のビューポイント から見学するには、かなり早目にやって来る必要があります。打ち上げ時の様子はこんな感じでした。
フロリダ旅行の見どころはまだまだあります。
宇宙好きの人には、ジョンソン宇宙センターを見学することができる、スペースセンターヒューストンもおすすめです。