MoMA PS1 Greater New York ニューヨークのアーティスト展

クイーンズのロングアイアイランドシティにある、モマ (MoMA) のコンテンポラリーアートの別館ミュージアム、MoMA PS1 では、現在、ニューヨーク周辺で活動するアーティストたちの大規模なグループ展、Greater New York 2021 が開催中で、残り一ヵ月程、2022年4月18日までとなっています。アメリカ、そして世界中から集まり、多種多様なバックグラウンドを持って、ニューヨーク周辺で活動する個性豊かなアーティストたちの作品が、館内の様々なギャラリーに飾られ、面白い展示になっています。

MoMA PS1 は、ニューヨークの有名なミュージアム、モマ (MoMA) の現代アートに特化した別館の美術館です。クイーンズのロングアイランドシティの地下鉄 7,G,E,M の Court Square 駅近くにあります。MoMA の本館は、マンハッタンの五番街のそばにあり、美しい建物で、誰もがよく知っている有名アーティストの作品が目白押しです。一方、MoMA PS1 は、もともと学校だったところをリノベーションした建物にミュージアムがあります。まだあまり広く知られていない、現代アーティストの特別展が中心となっていて、面白いアイデアに触れることができたり、リラックスした雰囲気でのんびりと過ごすことができます。NYC の住人は無料で訪れることができたり、さらにそれ以外の人も Pay What You Wish で気軽に訪れることができます。ふらっとやってきて、カフェでお茶したり、アート本が集まるブックショップを覗いたり、アート好きのニューヨーカーがちょっと時間のある時に、気軽に遊びにやって来るスポットです。

MoMA PS1 のミュージアムの入口から入場すると、まず登場するのは、中庭です。現在は、Rashid Johnson さんのステージと童話の世界から飛び出して来たかのような彫刻作品が飾られています。こちらは、フランス出身でアメリカで活動していたアーティスト、Niki de Saint Phalle さんの、La femme et L’oiseau fontaine と題された 1967年の作品です。MoMA PS1 では、昨年、春から夏にかけて、Niki de Saint Phalle さんの特別展が開催されていました。

学校風の建物内が、ギャラリーとなっています。現在のメインの展示となっているのが、ニューヨーク周辺で活動する47人もの現代アーティストたちをフィーチャーしたグループ展、Greater New York 2021 です。Greater New York は、今回5度目の開催となります。もともとは、2020年の開催予定でしたが、パンデミックのため一年延期されての開催で、2022年4月18日まで行われています。

まず登場するのが、メッセージ入りのTシャツが雑然と並べられたこちらの作品です。こちらは、Shanzhai Lyric という二人組の Incomplete Poem と題された作品です。最近、メッセージ入りのファッションをよく見かけますが、そんなメッセージ付きのものを収集し、詩的に表現するというユニークなスタイルの作品です。

Shanzhai Lyric の作品は、他にもあり、こちらは、様々なまがいものが無造作に置かれた部屋が丸ごとインストレーションアートになっています。実は、こちらは、空き店舗が多かった2020年、カナルストリートにポップアップアートとして登場した、Canal Street Research Association in retail drag という作品です。こちらによると、アートは、不動産の価値を上げると大家さんを説得し、飾ることになった作品だそうですが、大家さんが想像するアート作品とは大きく異なり、すぐに撤去することになったようです。そんな作品がミュージアムに飾られ、Shanzhai Lyric さんの価値は、上がったことは間違いないと思います。面白いコンセプトを考えだした後、実際に行動し、セールスできるかが、アーティストの大切なスキルと言えるかもしれません。

地下のギャラリーでは、映像作品が上映されています。こちらは、ぎっしりと並べられた牡蠣の殻に、映像が映し出されています。こちらは、Midden と題された、Alan Michelson さんの2021年の作品で、植民地時代に搾取された先住民や土地など、アメリカであまり語られない歴史をテーマにしています。

2階と3階の大ギャラリーには、たくさんのアーティストの作品が飾られています。

ブルックリンで活動する女性アーティスト、Nadia Ayari さんの作品。色使いと幾何学模様がとても美しく魅力的な作品群です。

教室の床に窓から陽が射し込んでいる感じで、なんだか学校にやって来た気分になります。絵画、彫刻、写真などなど様々なメディアの作品が飾られています。

部分部分を見ると、ありふれた素材の組み合わせですが、全体で見るとなんだか美しく見える、というまさにアーティストの力が発揮されたという感じの作品が色々あります。

珍しい先住民アーティストのセクションもありました。
G. Peter Jemison さんは、紙袋をキャンバスとし、絵を描いています。

シューレアリスム的な雰囲気の日本出身アーティスト、E’wao Kagoshima さんの作品。

目の前には、椅子と手錠とスーツを並べた、Kayode Ojo さんの作品が並べられています。

気に入ったアート作品と一緒に、写真撮影して楽しんでいる人たちもいます。

こちらは、日本出身のアーティスト、Yuji Agematsu さんの作品。道端に落ちているガラクタも、綺麗に並べると大変身。
壁一面、カレンダー型で、たくさんの小さな作品が並んでいます。
一日一作品というスタイルは、ディアビーコン などでお馴染み、毎日日付を刻み続けた On Kawara さんと共通のスタイルです。

フィラデルフィア出身、ブルックリンで活動する黒人女性アーティスト、Doreen Garner さんのマットレスと、とげとげのポールを使用した彫刻作品です。

感光紙に光で、描くという面白い手法のイラン出身アーティスト、Hadi Fallahpisheh さんのどこかユーモラスでシュールな作品。絵画の周りには、頭が壺に入ったぬいぐるみが並べられています。パンデミックの影響か、動物が登場する作品が多く見られます。

こちらのシューレアリスム的な近代アート風の独特の雰囲気の作品は、1930年生まれのエジプト出身のアーティスト、Ahmed Morsi さんの絵画。 

動植物をテーマとしたメルヘンチックな作品の数々。Nadia Ayari さんの植物がモチーフの作品が、ここにも飾られています。

遺跡のようだけど、壊れてしまっている石のアートと共に、モダンアート的な作品が飾られた、シューレアリスム的な空間もありました。

1階には、アート本がとても充実しているブックショップもあります。
子供用の可愛いグッズも色々揃っています。

MoMA PS1 の基本情報は、こちらです。長期間閉鎖されていた James Turrell さんの空を見上げる作品も再び見られるようになっています。
MoMA PS1 では、若手建築デザインコンテストやアートブックフェアなど様々なイベントも開催されています。

MOMA PS1 モマの別館 NYのコンテンポラリーアートミュージアム

MoMA PS1 近くに、2021年、クイーンズの最新のトレジョが登場しました!

Trader Joe’s ニューヨークのトレジョ最新店舗ロングアイランドシティ店 クイーンズLICの風景がいっぱい

MoMA PS1 Greater New York ニューヨークのアーティスト展 was last modified: 3月 28th, 2022 by mikissh