ニューヨークから、ちょっと遠出のお出かけをしたい時におすすめの美術館が、ニューヨークのアップステートにある、Dia:Beacon(ディアビーコン)です。 歴史ある工場跡の巨大な空間にアートが映える Dia:Beacon という現代アート美術館には、とても広大なギャラリーの空間に、見事にマッチした色とりどりのミニマルアートの作品の数々が美しく展示されています。ディアビーコンは、アンディ・ウォーホルや、クモの彫刻で有名な、ルイーズ・ブルジョワをはじめ、色合い、幾何学模様、素材感など、独自のコンセプトで、ミニマリスト的な美的感覚の作風を築き上げた著名なアーティストの作品が揃っているとても面白い、ニューヨーク近郊のおすすめ現代美術館です。
Dia Beacon 行き方
営業時間:
金—月 10 am — 5 pm(休館日:火-木)
入場料:
大人 $20
シニア $18
学生 $12
子供(12歳未満)無料
時間指定のチケットを こちら から事前予約します。
Dia Beacon 行き方 ① – 車
Dia:Beacon(ディアビーコン)があるのは、ニューヨークシティから車で北へ1時間半から2時間程のハドソン川沿いのニューヨーク州の町、ビーコン (Beacon)です。
車で行くのもおすすめですが、実は電車でも手軽に訪れることができます。
Dia Beacon 行き方 ② – 電車
グランドセントラル駅から ビーコン(Beacon) 駅行きのメトロノースの電車(Poughkeepsie行き)が1時間に1本くらいの頻度で出ています。
乗車所要時間は90分。
金額は、片道 $17.75 です。
Dia Beacon の電車往復チケット + ミュージアムチケット込みのプラン だと少しお得になります。
メトロノースの電車の時間や料金等の最新情報はこちらで、出発地 (Grand Central Terminal)、行き先 (Beacon) を入力して検索できます。
グランドセントラル駅から Dia Beacon までの行き方はこちらの 地図 です。
Dia:Beacon (ディアビーコン)
3 Beekman St, Beacon, NY 12508 地図
Dia:Beacon ディアビーコン
Dia:Beacon のある Beacon は、春から秋にかけての気持ちのいい季節に、日帰りや一泊二日で訪れるのにおすすめのエリアです。美術館の駐車場に車を駐めて、美術館の正面左手にある建物で、チケットを入手し、いよいよ広大なギャラリーのあるミュージアムの建物へと入っていきます。
Dia:Beacon は、1929年に建てられたナビスコ (Nabisco) のボックス印刷工場だった建物が、リノベーションされ、2003年にオープンした現代アート美術館で、国家歴史登録財 (National Register of Historic Places) にも指定されています。とても広々としたギャラリーには、1960年代以降のミニマリズムな抽象アートを中心とした作品が展示されています。NPO の Dia Art Foundation が運営しているミュージアムで、ニューヨークのチェルシーにも、Dia:Chelsea のアートギャラリーがあります。
Charlotte Posenenske: Work in Progress
ギャラリーを入ってすぐ目に飛び込んでくるのが、今年、2019年の3月から9月9日までの期間限定で、展示されている Charlotte Posenenske の Work in Progress と題された特別展です。様々な幾何学模様の立体彫刻が点在し、遠くから眺めてみると絵画のようにも見えます。Charlotte Posenenske は、20世紀に活躍したドイツ人のミニマリズムアーティストです。
Andy Warhol: Shadows
20世紀の有名なアメリカ人アーティスト、アンディ・ウォーホルの作品もあります。アンディウォーホルが50歳だった1978年の影 (Shadows) と題されたシルクスクリーンプリントの作品が、部屋いっぱいに飾られていて圧巻です。ウォーホルらしい色合いのシルクスクリーンに、抽象的なモチーフが描かれています。
人気アーティスト、アンディウォーホルの作品が集結した大規模な アンディウォーホル特別展 がニューヨークのホイットニー美術館で開催されたこともあります。ポップアートのアーティストのイメージがありますが、晩年は、抽象アート的な作品も描いています。
Dan Flavin
照明器具を使ったミニマリズムで有名な、20世紀に活躍したアメリカ人アーティスト、Dan Flavin の作品も展示されています。こちらは、明るい部屋バージョン。
そして、場所を変え、暗い部屋バージョーン。ライトアップの色が映える綺麗な作品でした。
John Chamberlain
スクラップメタルの作品で有名なアメリカ人アーティスト、John Chamberlain の作品も展示されています。
Dan Flavin や John Chamberlain の作品は、ロサンゼルスのコンテンポラリーアート美術館、ロサンゼルス現代美術館 MoCA LA でもフィーチャーされています。
Richard Serra
Dia:Beacon で最も存在感のあるアーティストが、巨大な鉄鋼アートで有名な、アメリカ人アーティスト、リチャード・セラ (Richard Serra) です。美しい曲線が印象的な鉄鋼板です。
リチャード・セラ (Richard Serra) の展示は、大きなギャラリーへと続いていて、曲線がとても美しい鉄鋼板の作品がいくつも並んでいて素晴らしかったです。
作品の中の空間に入ってみることもでき、内部は、声がよく響くので、思わず歌ってしまう人もいました。その響きの美しさもアートでした。
Louise Bourgeois
Dia:Beacon は、1階及び地下で構成されていますが、唯一の例外が、フランス出身で、アメリカで活躍した不気味なクモの作品で有名なアーティスト、ルイーズ・ブルジョワ (Louise Bourgeois) の2階のギャラリーです。リチャード・セラ (Richard Serra) のギャラリーから2階に上がると、ルイーズ・ブルジョワ (Louise Bourgeois) らしい不思議な空間が広がっています。
一番奥の部屋には、クモが出現!Crouching Spider と題された作品。シューレアリスム的な独特な世界感の作風です。ルイーズ・ブルジョワ (Louise Bourgeois) のクモの作品と言えば、東京の六本木ヒルズやオタワの National Gallery of Canada の前の作品、Maman が有名です。
Dorothea Rockburne
こちらは、ガラリと雰囲気が変わり、正真正銘のミニマリストな感じです。カナダ出身、アメリカで活躍するアーティスト、Dorothea Rockburne の作品です。
幾何学の問題のように見える作品が並んでいますが、Dorothea Rockburne は、数学や天文学などに興味があったアーティストだったそうで、なるほど、という感じです。
Sol LeWitt
壁に描かれているアートなのに、立体感があって、まるで飛び出しているように見える作品です。幾何学模様のウォールアートで有名な Sol LeWitt さんの作品です。
MASS MoCA というミュージアムでも、Sol Lewitt の数多くの作品が、展示されています。
おすすめ MASS MoCA の見どころ マサチューセッツ州にある世界最大規模の現代アート美術館
Michael Heizer
こちらは、逆に、壁に本物の巨大な石が埋め込まれていますが、平面的な絵のように見える面白い作品です。
こちらは、地面に幾何学模様の穴があいていますが、こうやって見てみると平面的に見えます。目の錯覚を利用したトリックアートのような感じの面白い作品が、色々と並んでいます。
Michelle Stuart
自然環境を利用した作品で有名なアーティスト、Michelle Stuart さんの1976年の作品、Sayreville Strata Quartet。かつてレンガの採石場だった場所で、染められた作品で、グラデーションが美しいです。
Lee Ufan
どこか日本っぽい雰囲気の作品もありました。こちらは、韓国出身で、日本やヨーロッパを中心に活動している Lee Ufan の作品です。1960年から70年代にかけて盛んだった「もの派」と呼ばれる日本的なミニマリストアートムーブメントの代表的アーティストの一人です。
砂の大地にすすき畑が広がっているような自然の雰囲気を出した面白い作品です。
シンプルな素材の組み合わせで、独特の世界を作り出しています。
日本の直島には、李禹煥(リー・ウーファン)Lee Ufan のミュージアム 李禹煥美術館 があります。
Donald Judd
ミニマリズムの代表的アーティスト、Donald Judd の作品もあります。大きな空間に巨大な箱が並んでいます。
直方体を組み合わせたような、箱型の作品が特徴のアーティストさんです。
材質が変わって、こんな作品も。
テキサス州の荒野の小さな町、マーファの Chinati Foundation にも Donald Judd の巨大な作品があります。
Robert Morris
様々な形状のグレイの直方体が、バラバラに点在している作品。ミニマリズムアートの代表的なアーティストの一人、Robert Morris の作品です。
こちらも、素材は、違いますが、グレイの作品です。
Robert Smithson
自然そのものを素材とする Land art で有名なアメリカ人アーティスト、Robert Smithson さんの作品。室内ですが、土、ガラス、鏡を使用し、不思議な世界を作り出しています。
Anne Truitt
ミニマリズムと言うと、モノクロの作品が多いですが、淡いカラフルな色使いが印象的だったのが、アメリカ人女性アーティスト、Anne Truitt です。彫刻と絵画を組み合わせ、優しい雰囲気の空間が作り出されていました。
On Kawara
こちらのギャラリーには、ひたすら日付が描かれた作品がずらりと並んでいます。日本出身で、ニューヨークで活躍したコンセプトアーティスト、On Kawara の作品で、毎日一枚づつ、その時いた国の日付の表記方法で、微妙に違った感じで、ひたすら日付を描き続けたという作品です。
こちらの映像で、詳しく解説されています。
Robert Ryman
ひたすら白をベースにした白い作品ばかりが並んでいるのは、アメリカ人アーティスト、Robert Ryman のギャラリーです。描き方によって、また質感とキャンバス、フレームなどの材質の違いによって作風が違う作品に仕上げています。
Bruce Nauman
地下には、映像やネオンのアートで有名な Bruce Nauman のギャラリーがあります。
接近すると後ろ姿が見えてくる映像作品や、
宙に浮く椅子やネオンの作品など面白い空間になっています。
François Morellet: No End Neon
地下には、照明アートで有名なフランス人アーティスト、François Morellet の幻想的なインストレーションアートもあります。
Dia:Beacon ミュージアムの本館は、ギャラリーのみですが、チケット購入カウンターのある Admission Desk がある建物には、カフェがあり、ちょっとした休憩やランチもできます。
お土産は、お洒落なブックショップで。
全体を見て回るには、3時間程かかります。近くにある野外彫刻美術館のストームキングアートセンターと合わせて、アートな一日を楽しんでみるのもおすすめです。
また、ニューヨーク近郊の人気のプレミアムアウトレット、ウッドベリーコモン へも車で30分程なので帰りに立ち寄ってみても楽しめます。
まだまだある、ニューヨーク近郊のおすすめスポットはこちら!