ニューヨーク大学 (NYU) があり、学生たちがたくさんいるグリニッジビレッジエリアというエリアに、人気のコーヒー店、スタンプタウン・コーヒー・ロースター (Stumptown Coffee Roasters) があります。ポートランド生まれのコーヒー屋さん、ストンプタウン・コーヒーは、ニューヨークでの1号店がエースホテル内にあることでも有名です。このスタンプタウン、ニューヨークの1号店がおしゃれなだけに、2号店の存在が意外と知られていないように思いますが、2号店のお店もグリニッジビレッジらしいたたずまいのこじんまりとしたいい雰囲気のカフェです。
ストンプタウン・コーヒーは、質の高い豆のセレクション、ローストの仕方など質へのこだわりを求めるサードウェーブコーヒーの先駆けとなったコーヒーブランドのひとつです。品質の高いコーヒー豆の生産者から直接買い付けるというオーガニックコーヒー豆を使用したこだわりの味。
ニューヨークにスタンプタウンの直営店は2つしかありませんが、実は、小さなカフェやレストランなどでこのストンプタウンのコーヒーを取り扱っているところも増えてきていて、じわじわと広がっているのがすごいところです。
スタンプタウンブランドのコールドブリューコーヒー (Cold Brew Coffee) も有名です。いわゆる水出しコーヒーなのですが、じっくりと時間をかけて水で抽出したコーヒーのため、苦味の少ないまろやかな味わいが特徴です。
瓶タイプ以外に、缶バージョンもあります。缶のコーヒーは「ニトロ (NITRO)」という名前で、炭酸コーヒーです。グラスにつぐと泡の感じがビールみたいです。まだ試したことがないので、今度飲んでみようと思っていますが、コーヒーを炭酸にするというアイディア、意外と思いつかなかったかも。
あと、紙パックのバージョンもあります。甘いミルキーなアイスコーヒーです。チョコレートのバージョンが発売になっていたこともありました。
このようにスタンプタウンは、こだわりのコーヒー以外にも様々な商品開発も行っています。
スタンプタウンは、西海岸のポートランド、オレゴン発祥のコーヒー屋さんで、Duane Sorenson さんにより、1999年に創業されました。ニューヨークには2009年に1号店がエースホテルに、2013年にこちらのグリニッジビレッジに2号店が登場しました。
コーヒーから始まり、その後、クラフトビール、アルチザンチョコレートなど、様々な分野で、製造者がこだわりを持ち、つくり上げた質の高い商品を評価するという流れのきっかけの一つとなったのではないかと思います。
そんな中、昨年、ニュースとなったのが Jimmy Choo などの高級ブランドなどを傘下に持つ、ルクセンブルクの投資会社、JAB Holding Company の Peet’s Coffee が、ストンプタウン、そして同じく、シカゴ発のサードウェーブを代表するコーヒー店、Intelligentsia Coffee & Teaを買収したことです。ピーツ・コーヒー (Peet’s Coffee) は、スターバックスと並び、それ以前のインスタントコーヒーレベルから、質的に一段上の段階に持ちあげたセカンドウェーブを代表するコーヒーチェーン店です。ストンプタウンは、実は、既に、2011年に投資グループに、ほとんど売却していたようですが、その投資会社によるマーケットピークでのタイミングのいい売却だったようです。その反面、買収側は、ストンプタウン以外にも多くのコーヒー屋ブランドを束ねていて、巨大な存在となっています。そんな中、買収されたそれぞれのコーヒー店がアイデンティティーを失うことなく、うまく成長できていくといいですね。
ヴィレッジらしい落ち着いた雰囲気の店舗はこちらです。
Stumptown Coffee Roasters
30 W 8th St, New York, NY 10011 MAP
スタンプタウンのニューヨーク一号店はこちら。
Ace Hotel New York
18 W 29th St, New York, NY 10001 MAP
ニューヨークには、同じく西海岸発の有名店、ブルーボトルコーヒーもあります。こちらはカリフォルニア、サンフランシスコのお隣、オークランド発のお店です。コーヒー好きは飲み比べしてみても楽しいかもしれません。