ニューヨークにマザーカブリニ像登場!ニューヨーク湾が見渡せる絶景公園に

Wagner Park (2)

ニューヨークのマンハッタンのウォーターフロント沿いにはたくさんの公園がありますが、ローカルの憩いの場所となっている素晴らしい隠れスポットの一つが、バッテリパークに隣接する、ワグナーパーク (Wagner Park) です。ハドソン川の川沿いにあるので、目の前には広々とした水辺の景色と、ニューヨークハーバーに浮かぶ自由の女神の絶景が見られます。芝生でのんびりとピクニックが楽しめる密かな人気公園なのですが、そんなワグナーパークの北側に、マザー・カブリニ (Mother Cabrini) 像が、今年、2020年10月12日のコロンバスデーに新しく登場しました。ニューヨーク、そしてアメリカでも最近話題のマザーカブリニとは、どんな人物なのでしょうか?

Mother Cabrini (5)

マザー・カブリニ像

ワグナーパークから北側にあるサウスコヴパークに向かう途中の道に、今年、2020年のコロンバスデー、10月12日に、ニューヨークで新たに登場した彫刻作品が、マザー・カブリニ (Mother Cabrini) 像です。マザー・カブリニ (Mother Cabrini) 像は、ジューイッシュヘリテージ博物館 の裏手で、枝分かれする遊歩道の真中の目立つ位置に建てられました。

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先日、ニューヨーク州知事クオモさんによりお披露目されたばかりの話題の新彫刻作品という事で、たくさんの人が立ち止まって像に注目していました。

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マザー・カブリニ像は、イタリア出身の Giancarlo Biagi さんと養女の Jill Burkee-Biagi さんという二人組で活躍する異色のアメリカ人アーティストコンビにより作成された作品です。マザーカブリニと共に2人の子供がいます。詳細の解説は、こちら にありますが、マザーカブリニと子供たちは、移民の象徴となっている自由の女神やエリス島を見つめています。

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マザーカブリニたちは、紙で出来た折り紙のような船に乗っています。像の下部には、マザーカブリニの生涯を記した絵が描かれています。

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ニューヨークでは今女性像ブームになっていて、マザーカブリニ像だけでなく、先月、セントラルパークにも3人の女性像が誕生していて、最近、ニューヨークの女性像が急ピッチで増えています。

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マザー・カブリニってどんな人?

マザー・カブリニとして知られている、マリア・フランチェスカ・カブリニ (Maria Francesca Cabrini) さんは、イタリアからアメリカに移住し、アメリカ人として初めてカトリックの聖人として認められた女性です。19世紀末に、カトリックの布教でアメリカを訪れ、1917年にアメリカで亡くなるまで、多くの孤児院や病院を設立し、移民や孤児への援助活動で活躍しました。そして、1946年、移民の守護聖人として、アメリカ人として初めてカトリックの聖人として認定され列聖されたのです。

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像の近くには、マザーカブリニの生涯についての簡単な説明があります。Maria Francesca Cabrini は、1850年にイタリアのロンバルディア地方に生まれ、1880年には、Missionary Sisters of the Sacred Heart of Jesus を設立しました。中国への布教を希望していたそうですが、ローマ教皇の薦めにより、1889年に、6人のシスターと共に、イタリア系移民が急増していたアメリカでの布教活動を行うためニューヨークにやって来ました。その後、アメリカ各地で、移民や貧しい人々のために孤児院や病院などを設立し、布教活動に専念し、1909年にアメリカ市民になりました。1917年に亡くなりましたが、1946年に、ローマ教皇により聖人として認定されました。ワシントンハイツには、マザーカブリニが祀られている、St Cabrini Shrine (地図) があります。

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どうしてニューヨークにマザー・カブリニ像が登場したの?

マザーカブリニの像は、昨年の10月にプロジェクトがスタートし、今年のコロンバスデーに登場しました。
マザーカブリニは、コロンブスの代わりの存在となるべく、コロンバスデーに登場したのです。
昨今、これまで、イタリア系アメリカ人やカトリックにとって、お祭り的な日でもあった、アメリカ大陸の発見者、クリストファー・コロンバスにちなんだコロンバスデーが、コロンバス自身の新大陸での素行や先住民への配慮などから不評になってきています。コロンバスデーは、州によっては、先住民の日としたり、コロラド州では、今年からコロンバスデーの代わりに、マザーカブリニデーとして祝日になったりしています。

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ニューヨーク州でも不評になっているコロンブスの存在を、誰もが尊敬できる人物に移行していこうという、象徴的存在がこのマザー・カブリニで、イタリア系アメリカ人やカトリックの意識高揚の記念日は、継続したいという考えが背景にあります。現在、歴史上の人物の見直しが進んでいるニューヨークでは、コロンバスサークルやセントラルパークにあるコロンブス像をはじめ狙われそうな像は、警察がつきっきりで警備しています。そのうちニューヨークでもコロンバスデーがマザーカブリニデーになる日がやってくるかもしれません。

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マザーカブリニは、イタリア移民のアメリカ人で、アメリカ人で初めて聖人として認められた人ですが、アメリカ生まれのアメリカ人で初めて聖人として認められた聖人の教会もニューヨークにあります。その聖人とは 1975年に列聖した Elizabeth Ann Seton です。ニューヨークのダウンタウンに、Elizabeth Ann Seton の可愛い小さな教会があります。

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ニューヨークにマザーカブリニ像登場!ニューヨーク湾が見渡せる絶景公園に was last modified: 10月 20th, 2020 by mikissh