ニューヨークは今、ものすごく暑い日が続いていますが、夏の旅行シーズン真っ盛り。世界中からたくさんの人がニューヨークに遊びに来ています。
最近人気の旅行のテーマとなっているのがその土地ならではの “食” そして “体験” です。
連日ブルックリンの美味しいピザ屋さんを紹介してきましたが、実は、先日、ブルックリンの有名なピザ屋さんを周るというニューヨークならではの食を体験することができる人気のツアー “A Slice of Brooklyn Pizza” に参加してきました。トリップアドバイザーでもとても評価の高いツアーで、Certificate of Excellence を獲得しているというツアーです。
このツアーでは、ニューヨークピザのメッカであるブルックリンで美味しいピザが楽しめるのはもちろん、ベイリッジの豪邸エリアやコニ―アイランドなど、生まれも育ちもブルックリンというガイドさんがブルックリンの歴史やカルチャーなどを詳しく説明してくれて、ブルックリンの知らなかった一面も知ることもできました。
A Slice of Brooklyn Pizza のツアーは、マンハッタンのユニオンスクエア周辺からバスで出発します。夏の旅行シーズンということもあり、参加者の数がとても多く驚きました。とても快適な大型観光バスに乗ってツアーの始まりです。定刻通り11時にバスは出発！
ガイドさんはとってもノリのいい楽しいガイドのMarcさん、ツアー中ずっとしゃべり続けていてブルックリンのことを語らせたらネタは尽きない感じです。参加者はオーストラリアやイギリス、ドイツなどから来ていて国際色豊かです。
このバスツアーでは、ブルックリンで有名な映画のロケ地となった場所もところどころ紹介してくれますが、そんな映画のワンシーンになった場所では、その映画のシーンを見ながら、景色を楽しむことができます。まるで自分がいまその映画のシーンにいる気分になってしまいます。
ニューヨークピザの名店グリマルディズへ出発
まずユニオンスクエアを出発し、マンハッタンブリッジを渡り、ダンボを目指します。車窓からは美しいブルックリンブリッジとダウンタウンの摩天楼の光景を楽しむことができます。
橋を渡り、フルトンランディングでバスから降りると美しい下からのブルックリンブリッジの景色がお出迎えしてくれます。
そして少し歩き向かった先が１軒目のピザ屋さん。ニューヨークピザの人気店、グリマルディズ (Grimaldi’s) です。美しい立派な外観の白い建物は昔銀行だった場所です。ニューヨークピザの有名店のひとつとして挙げられることの多いお店で行列のできる人気店ですが、このツアーには特権があり、並んでいる人たちがいても、優先的に入店することができます。
ツアーで出てくるピザは、王道のマルゲリータピザ！今まさに、ピザを作っているところです。ピザ生地の上に、たっぷりのモッツァレラと、濃厚なトマトソース、フレッシュなバジルをのせ、そして、仕上げにオリーブオイルを少々垂らして、マルゲリータピザの準備のできあがり！次は、石窯の中へ入っていきます。
熱々の熱が伝わってくる石窯の前で働く職人さんはプロフェッショナル。ベストタイミングで石窯から出てきたピザはこんなに美味しそう！ここから流れるような速さでピザがお皿の上にのり、ピザを待つお客さんのところに運ばれてきます。
やってきました、できたてアツアツの大きなピザ！美味しいです。この大きなピザを4人でシェアします。
お隣の女性ばかりのグループのテーブルでは次のピザ屋さんのことも考えて控えめにひとり一枚だけにしていて、ぺろっと食べてしまう男性陣の多いテーブルにもう少し食べない？とおすそ分けのオファーもしていましたが、まだまだ食の旅は続くので、みんな慎重に、食べ過ぎず、飲み過ぎず、次のピザ屋さんの分も楽しみにおなかのスペースをキープしていました。
ニューヨークの大人気ピザ店、グリマルディズ (Grimaldi’s) は、こんなお店です。
ちょうどみんなが食べ終わる頃、バスはピザ屋さんの横にお迎えに来てくれて、なんだかVIP待遇。バスに乗り、ブルックリンとクイーンズを結ぶ Brooklyn Queen Expressway で一路、ブルックリンの南の方へと向かいます。ニューヨークハーバー沿いの高架道路の上を走っていくので、窓からは綺麗なマンハッタンビューを楽しむことができます。
ベイリッジの豪華なお屋敷エリア
ダンボから2軒目のピザ屋さんへと向かう途中、バスの車窓からブルックリンの街並みを楽しみながら移動していきます。ブルックリンの南端、スタッテンアイランドに面したベイリッジには、ブルックリンの中でも豪華なお屋敷が並ぶ高級住宅街があるのですが、そのエリアもバスで通って行きます。普段、なかなか訪れることがないエリアで、ブルックリンとスタッテンアイランドを結ぶ Verrazano–Narrows Bridge もあります。
ベイリッジという名前になる前は、実は、このあたりの土壌の色からイエローフックと呼ばれていたそうです。かつてヨーロッパからの船がニューヨークに入ってくる時に通る航路で、長旅の途中、黄熱病などで病死した人を埋葬する場所でもあったようで、当時、度々流行し、とても恐れられた黄熱病の名前に似ていることからベイリッジと言う名前に改名されたそうです。
ブルックリンの大きな家が立ち並ぶエリアである、ダイカーハイツやベイリッジは、毎年、クリスマスシーズンになると美しい豪華なクリスマスイルミネーションをすることでも有名です。
バスの移動の途中に、そんな有名な住宅街の中を通り、ちょっとした車窓からの豪邸ツアーを楽しめます。中でも有名な家が、ジンジャーブレッドハウス (Gingerbread House) です。可愛らしい名前で本当に絵本に出てきそうな素敵なおうち。なんとこの家、現在売り出し中なのだそう。そんな色々なお話を聞きながらバスは進んでいきます。
こんな豪華なお屋敷、そして住宅街があったことを知りませんでした。
余談ですが、ニューヨークではレントの高騰で小さなお店は厳しい経営状態のことも多く、ベイリッジでも、美味しいカップケーキ屋さん Robicelli’s は閉店してしまいました。ボルチモアへ移動するとのことでした。ただし、そんな状態を逆手にとり、ある程度ブランドとして確立した小さなお店を手助けし、フランチャイズ化し、拡大するのを助けるといったようなビジネスも出てきているようで、再び Robicelli’s がニューヨークに戻ってくるといった、こんなニュースも出ています。
ブルックリンで撮影された有名な映画
かつて危険な街として知られたブルックリンは、警察の監視も少なかったのか、予算の少ない中、撮影許可なしにブルックリンで映画撮影のロケが行われたことも多かったそうです。
日本でも昔大ヒットし、ディスコブームの火付け役になった Saturday Night Fever という映画は、ベイリッジで撮影された作品で、オープニングで使われていた道をまさにバスで通っていきます。
アクションスリラー映画の French Connection もブルックリン南部の Gravesend、Bensonhurst で撮影されたそうです。この他、数々の映画やブルックリン出身の有名人が紹介されます。
このエリアは、シチリア系マフィアの Five families (Bonanno, Colombo, Gambino, Genovese, Lucchese) が拠点にしていたそうで、そんな話も登場します。
ニューヨーク No1.絶品シシリアンピザ
次にやってきたのは、シシリアンピザで有名な L&B Spmoni Garden です。ツアーのメンバーでテーブル 4-5列があっという間に埋まります。各テーブルに大きなピッチャーのソフトドリンクがあり、さらにビールを希望したい人は有料で各自注文することもできます。
各テーブルにこの巨大なピザがドンっと登場。
さすがローカルのおすすめのお店！絶品シシリアンピザです！1軒目のピザとは別物。モチモチの美味しいピザ生地の上にモッツァレラチーズが敷かれ、その上にはホームメイドの絶品トマトソースがたっぷりと。
このお店はスプモーニも名物のお店です。せっかくなので名物スイーツ、スプモーニも買ってみます！バニラとチョコレートとピスタチオの3色レインボーのスプモーニ。すごい量ですが美味しくて食べきってしまいました。
ローカルのお客さんが多い人気のシシリアンピザのお店 L&B Spmoni Garden はこんなお店です。
コニ―アイランド
すでに2軒のピザ屋を訪れ、みんなお腹いっぱい状態です。食後のお散歩ということで、コニ―アイランドではバスから降り、観光タイムになります。コニ―アイランドは、ハリケーンサンディーで大ダメージを受けたエリアですが、今ではこの通り、美しい景観を取り戻しています。夏のこの時期、ビーチやアミューズメントパークにはたくさんの人がやってきています。
コニ―アイランドのアイコンの一つとなっている コニーアイランドを代表するアミューズメントパークの一つ Steeplechase Park をつくったという George C. Tilyou さんの “Funny Face” がお出迎えしてくれます。
コニ―アイランドの歴史は古く、1829年にホテル Coney Island House が建てられて以来、裕福なニューヨーカーのリゾート地となっていた場所でした。次第に、ニューヨークとコニ―アイランドを結ぶ蒸気船や電車など交通網が整備され、多くの人が訪れることができるようになっていったそうで、ホテルやアミューズメントパークの開発ラッシュが起こりました。20世紀中頃まではアメリカで最も人気のあるアミューズメントパークだったそうです。
現在、コニーアイランドのアミューズメントパークはルナパーク(Luna Park)と、観覧車で有名な Deno’s Wonder Wheel Amusement Park の二つがありますが、もともとは、Luna Park、Steeplechase Park、Dreamlandなどいくつかの小規模のアミューズメントパークが林立していたそうで、そういう小さなビジネスが残っているところがニューヨークらしいです。
こちらは、1927年にオープンしたというルナパークにある歴史的な木製ローラーコースター、サイクロンです。ニューヨークのランドマーク、アメリカの歴史登録財 (National Register of Historic Places) にも指定されています。それ以前、1884年に、この場所には、アメリカ最古のスイッチバック式のローラーコースターがあったそうです。
サイクロン同様、目立つのがこちらの少し変わった、1920年に完成した歴史的な観覧車、Wonder Wheel。よく見ていると観覧車が回転しているだけでなく、それぞれの小部屋が横にも動いたりする、なかなか面白い観覧車です。
1939年にニューヨークで行われた万博でつくられたという The Parachute Jump。コニーアイランドに移され、今でも残されています。こちらもニューヨークのランドマークに指定されています。
そして同じく、コニーアイランドと言えば思い浮かぶこのボードウォーク(Boardwalk)、実は1923年に完成したもので、ランドマークに指定しようという動きもあるそうです。
コニーアイランドは気軽に地下鉄で訪れることもできるおすすめビーチで、この日もたくさんの人がくつろいでいました。
実は、ソーセージをパンに挟んで食べるというアメリカの定番ホットドッグの発祥はコニーアイランドだそうで、1867年にドイツ系移民の Feltmanさんが広めたものだそうです。そのお店で働いていた Nathan さんが独立し、はじめたお店があの有名な Nathan’s です。今ではホットドッグ大会で有名なお店ですが、今年で創立100周年記念だそうです。
などなどコニ―アイランドに関する様々なトリビアを紹介してくれます。
コニ―アイランドは、20世紀の後半頃、さびれた町で危険なエリアだったようですが、現在ではすっかり賑わいを取り戻し活気のある場所となっています。
コニ―アイランド周辺にはニューヨーク水族館やビーチもあり、もう少し歩けばリトルオデッサと呼ばれるロシア人街やブライトンビーチもあります。さらにこのコニ―アイランド周辺で探検してみたい人は、帰りはツアーバスに乗らずにお別れして地下鉄で帰るということもできます。
帰り道、車窓から見えたとても美しいガラスのウォータータンクと、ブルックリンブリッジ、マンハッタンビュー。
バスツアーは全部で4時間半、最後は集合場所のユニオンスクエア周辺に戻り3時半に解散となります。
ブルックリンにあるニューヨークピザの名店を効率良くはしごしてくれるのでニューヨークピザを楽しみたいというピザ好きの人はもちろんですが、ニューヨークの別の顔も見てみたい、クールで庶民的で多様なブルックリンの姿を見てみたいという人にもおすすめのツアーです。
ツアーの申し込みはこちらから。
ブルックリンの有名チョコレート屋さんを巡るツアーもあります。
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