Airline (2)

ロックダウン後の空の旅はどうなる?メモリアルデーの3連休 旅行者が少し復活

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コロナにより、ここ数ヵ月間、世界中でロックダウンが行われてきました。飛行機をはじめ、交通機関の利用者も激減し、アメリカでは、4月は、空港利用者が、なんと、昨年比 96% ダウンという日もありました。また、交通機関だけでなく、車の利用者も激減し、交通事故もほとんどない状態で、自動車の保険もリファンドする会社もあり、前代未聞の状態となっていました。欧米では、コロナの心配がなくなったわけではありませんが、ようやく少しずつロックダウンの解除がはじまりつつあります。メモリアルデーの3連休を前に、飛行機を利用する旅行者も、少し回復して来ているようです。



現在の旅行者状況

中国の武漢でアウトブレイクが起こったことが、年初に報じられ、その後、人から人へと感染が広がることなどの新事実が明らかになって以来、新型コロナウイルス (COVID-19) は、今年、世界中が注目する脅威の的となりました。その後の ウイルスの遺伝情報の研究 (詳細) によると、10月から12月初旬頃の間に最初の感染者が誕生したのではないかとされており、人知れず世界各地に感染は広がっていきました。欧米では、しばらく対岸の火事という雰囲気でしたが、3月には、既に感染が急拡大していることが発覚し、程度の差はあれ、政府主導の旅行制限とロックダウンで、多くの人が自宅で過ごす状態が続いてきました。

ヨーロッパでは、違反者を取り締まる形の厳しいロックダウンが行われている国もありましたが、アメリカでは、自由に運動や犬の散歩などの外出ができ、比較的、自主性に任せた自宅待機令となっていました。そんなアメリカですが、さすがに旅行者は激減し、TSA のレポート によると、4月は、昨年比 96% 減の日もありました。

ロックダウンが緩和されてきていることもあり、最近では少しづつ旅行者も回復してきているようで、メモリアルデーの3連休の前日の旅行者は、昨年の 12.5% でした。今のこの状況下でこの数字なので意外と旅行者が多いと思う人もいるかもしれません。もちろんこの数では、航空会社や、Hertz に代表されるようにレンタカー会社、ホテルなど、その他、旅行業界全般には大打撃が出ています。

アメリカでは、3月からはじまった、カナダとメキシコへの旅行制限が、6月22日まで延長されている他、EU圏 や、中国などいくつかのエリアを直近で訪れた外国人にはまだ 入国制限 が課されており、解除の見通しはたっていません。
また、ヨーロッパでも、EU圏外からの外国人に関する旅行制限も、6月15日まで延長されています。

EU カナダも入国制限へ 新型コロナウイルス対策

といった具合に、世界各国、地方自治体レベルで、様々な旅行制限が課されており、どうしても必要な旅行以外は、避けたいという人が多数で、しばらくは、車での自宅近くの日帰り & 短期旅行、または、長期の別荘滞在が中心になると思われます。



自由に旅行ができるようになるまでのステップ

自由に旅行できる環境が復活するには、以下のステップが必要になると思います。

1. 各国政府・地方自治体による旅行制限の解除

アメリカでは、例えば、ハワイ州やメイン州など地方自治体レベルで、州外からの訪問者に14日間の自主隔離を課すなど様々な旅行制限がされています。ハワイでは、ニューヨークなどアメリカ本土からの旅行者が逮捕され、ニュースになっています。ハワイに来たらビーチへ遊びに行きたくなりますが、14日間の隔離が済むまでは、ふらふら出歩くことは許されません。

コロナで大きな打撃を受けたヨーロッパ諸国は前向きな国も多く、イタリアは、6月3日から、スペインは、7月から、14日間の隔離などの特別な制約なしで、旅行で訪れることができるようになることを発表しています。開放したからといって、一気に旅行者がやって来るとは思いませんが、終息前に経済再開を目指す場合、早目に少数の旅行者を受け入れ、様子をみながら、コンフィデンスレベルを少しずつ上げて行くしか方法はないと思います。

アメリカでは、国外の他、国内でも州によっては、旅行制限が行われています。

ついにアメリカ国内でも旅行制限 国内移動者に14日間の自己隔離令 フロリダ ハワイ アラスカなど

2. コロナへの理解の深化と安全対策

例えば、こちらの ブログ記事 で分かりやすくまとめられていますが、感染には、ウイルスに暴露した時間と量が関係していると考えられています。多くの人が、閉鎖空間で、長時間過ごす状態が、最も危険とされていますが、マスクの着用など基本的な対策の他、例えば、飛行機の空気循環・清浄システムで、ウイルスはしっかりと除去できるのか?など、しっかりと実証された上での客観的事実が示されれば、安心感が高まります。

IATA では、様々な安全対策の実用性をレビュー (PDF) しています。各航空会社では、マスク着用などそれぞれコロナ対策を行っています。ソーシャルディスタンスを確保するために、3人席の真ん中の席を空ける、空けないなど色々議論がされています。体温チェックをする航空会社もありますが、安全と煩雑のバランスが難しくなりそうです。

これから飛行機に乗る時はマスク必須に!JetBlue ニューヨークフライオーバー今日飛びます!#ClapBecauseWeCare

空港で、セキュリティチェックを行う、TSA も、ソーシャルディスタンシングと、スタッフのマスク・フェースカバー着用、乗客へのマスク・フェースカバー着用の推奨、航空券をスタッフに手渡さずに見せるようにする、など、コロナ対策の新手順 が発表されています。
そのうち、もしかすると、空港のパトロールのワンちゃんが、無症状の感染者でもコロナを検知してくれるようになるかもしれません。

とうとうアメリカでペットの犬もコロナ感染確認

3. コロナ危機の終息

ワクチンの完成、治療法の確立、ウイルスの自然消滅、人間との安全な共存、集団免疫などによって、最終的には、時間が解決してくれ、ウイルスが脅威でなくなると思いますが、それまでの間、それぞれの企業が生き残れるかは、未知の状態です。
現在、世界各国で、様々なワクチン開発が急ピッチで進められている他、色々な治療法の研究も進められています。

オペレーションワープスピード 緊急ワクチン開発プロジェクト & 新型コロナ治療法 ギリアド Remdesivir に朗報

なかなか今後の予測は難しいと思いますが、国連の世界観光機関(UNWTO) のレポート(PDF)によると、今年は、旅行制限解除の時期に依存しますが、昨年比で、58% から 78% 程度の旅行者減になるとしています。
しばらく影響が続くことは避けられませんが、安心して世界を旅行できる日が一日も早く訪れるよう願うばかりです。

ロックダウン後の空の旅はどうなる?メモリアルデーの3連休 旅行者が少し復活 was last modified: 5月 23rd, 2020 by mikissh