今週の土曜日、7月20日は、アポロ計画のアポロ11により、人類が初めて月面に到着した1969年7月20日から50周年を迎える記念すべき日です。そんな節目の記念日に向け、ケネディ宇宙センターや、ヒューストン宇宙センターなど NASAの宇宙関連のミュージアムをはじめ、ワシントンDC、ニューヨークなど全米各地で、様々なアポロ11 のメモリアルイベントが開催されています。
7月20日の50周年メモリアル (Apollo50) を控え、NASA は、楽しい絵文字のツイートやアポロ11の秘蔵写真など色々アップしています。
☄️ . * . *
* 👨🚀 🌒👨🚀👨🚀
* . 🛰️ . *
⭐️ * .
. 🚀 * .
. . .
. * 🌎 * #Apollo50th #WorldEmojiDay— NASA (@NASA) July 17, 2019
アポロ11
人類を月に送ることを目標とし、アメリカとソ連が宇宙開発で競い合っていた冷戦時代の1961年にスタートしたプログラムが、アポロ計画でした。訓練中の火災により、3人の飛行士が亡くなるという1967年の不幸な事故を乗り越え、アポロ計画で、初めて人類が月面着陸に成功したのが、アポロ11です。1969年7月16日に、Saturn V のロケットにより、地球を出発し、7月20日に、ニール・アームストロング (Neil Armstrong) と エドウィン・オルドリン (Buzz Aldrin) の2人が、月への着陸に成功し、月面歩行などを行い、その後、7月24日には、無事に地球に帰還しました。ちょうど当時テレビが普及していた時代で、世界中の注目を集めた一大イベントだった、この人類月面着陸は、当時多くの人がテレビで見ていました。
こちらの映像では、どのようにロケットが打ち上げられ、月に着陸、地球に帰還したかについて分かりやすく紹介されています。
アポロ11による人類の月面着陸から50年目を祝って、様々な場所で、特別イベントが開催されています。以下、主なイベントを紹介します。
ケネディ宇宙センター
アポロ計画で使用された巨大ロケット、Saturn V の打ち上げ場所だったのが、フロリダ州の大西洋沿いにある、ケネディ宇宙センターです。現在、NASA が、さらに強力なロケット、SLS (Space Launch System) を開発中ですが、Saturn V は、現在まで開発されたロケットの中で最もパワフルなロケットです。Saturn V のロケットは全部で3機あり、NASAの宇宙博物館に残されています。ケネディ宇宙センター、ヒューストン宇宙センター、アラバマ州の U.S. Space & Rocket Center にて見学することができます。
ケネディ宇宙センターでは、アポロ11のものではありませんが、アポロ14のコマンドモジュールが展示されています。こちらは、月には、着陸せず、月の軌道で周回しながら指令を行う宇宙船です。
ケネディ宇宙センターでは、50周年記念イベント も開催されています。
ヒューストン宇宙センター
アポロ計画の管制室 (Mission Control Center) があったのが、テキサス州のヒューストン宇宙センターに隣接するジョンソン宇宙センターです。Saturn V やアポロのカプセルを見ることができます。
ジョンソン宇宙センターでは、1969年当時の管制室の状態を再現するプロジェクトも完了し、ヒューストン宇宙センターから出発するトラムツアーで見学することができます。
Two years in the making, this monumental project has returned this national historic landmark to how it looked in 1969. This room has been restored to look as it originally did during the Apollo program. #ApolloHOU 🚀https://t.co/cVjzgYBuL8
— Space Center Houston (@SpaceCenterHou) July 12, 2019
ヒューストン宇宙センターでも、記念イベント が開催されます。
また、Saturn V など Saturn シリーズのロケットが開発された NASAのマーシャル宇宙飛行センター (Marshall Space Flight Center) のあるアラバマ州のハンツビル (Huntsville) には、US Space & Rocket Center があり、テスト飛行用の Saturn V やアポロ16のカプセルなどが見学できます。こちらでも 記念イベント が開催されます。
ワシントンDC
ナショナルモール
ナショナルモールでは、今日から3日間、日中、Apollo 50 Festival が開催されています。また、ワシントンDCの象徴の一つ、ワシントンモニュメントでは、アポロ11を記念したプロジェクションマッピングも行われています。7月19日(金)、20日(土)の午後9時30分、10時30分、11時30分に、17分間のプロジェクションマッピングによるショー、Apollo 50: Go for the Moon が開催されます。
スミソニアン国立航空宇宙博物館
国立航空宇宙博物館では、Apollo Lunar Module や ニール・アームストロングらの飛行士が月面で着用していた宇宙服などが展示されている他、記念イベント も開催されます。
ワシントンDC から少し離れますが、ワシントン・ダレス国際空港の近くにある、スミソニアン国立航空宇宙博物館の別館、Steven F. Udvar-Hazy Center でも、メモリアルイベント が開催されます。
ニューヨーク
メトロポリタン美術館
メトロポリタン美術館では、Apollo’s Muse: The Moon in the Age of Photography という題名の月をテーマとした特別展が開催されています。写真を中心に、月をテーマとした様々なビジュアルアートの作品が展示されています。
イントレピッド海上航空宇宙博物館
空母が博物館となったイントレピッド海上航空宇宙博物館では、アポロ11の特別展が開催されている他、明日の夕方は、Free Friday となり、映画、First Man が上映され、特別イベントも開催されます。
このほか、7月20日には、アメリカ自然史博物館では、SpaceFest が、ニューヨーク・ホール・オブ・サイエンスでは、APOLLO, A PARTY! が開催されます。
ノーマンロックウェル美術館
アメリカの人気雑誌の表紙のイラストを描いてきた、アメリカの人気イラストレーター、ノーマンロックウェルは、1969年に世界の注目を集めた大イベント、人類の月面着陸の様子も描いています。マサチューセッツ州にあるノーマン・ロックウェル美術館では、そんな作品も展示されています。
これからの月プロジェクト Artemis
人類は、アポロ計画の Apollo 11 で、1969年7月20日、初めて月面着陸を果たし、その後、1972年まで、5度の飛行により、計12人が月を訪問しましたが、プログラムはそこで終了となりました。その後、50年近く誰も足を踏み入れることがなかった月ですが、現在多くの国や民間グループが、無人ロボットによる月面着陸や探査などの開発を進めています。
こちらの映像では、そんな様子が紹介されています。
そんな中、NASA は、2024年までに、再び人類の月面着陸を目指す Artemis Program を始動しています。今回の計画では、初の女性宇宙飛行士の月訪問も予定されています。現在の NASA の大きな目標は、人類の火星訪問です。将来的には、月に、火星訪問時の拠点を築くという計画となっており、 Artemis Program は、その第一歩となります。