Washington Monument (21)

アメリカ トランプ大統領令で失業保険週400ドル+で延長 立ち退き・学生ローン猶予 ペイロールタックス一部支払延期に

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アメリカでは、パンデミックによる非常事態宣言が出された3月、3ヵ月間程を見越して、新型コロナ救済策が成立しましたが、いまだに、失業率 10% 程、失業者数が数千万人レベルで、失業保険の一週間当たり600ドルの増額手当も、7月末で期限切れとなっています。国会では、ここ数週間、次の段階の救済・刺激策が話し合われていましたが、合意の気配がなく、毎回物別れに終わっていたのですが、そんな中、今日、大統領は、一週間当たり400ドルの失業保険の増額での延長、立ち退き禁止や学生ローン支払延長、ペイロールタックスの一部支払の延期とする大統領令に署名しました。

アメリカは、地域差はありますが、全体的には、未だにコロナの感染状況の収束は見られず、前回の 大規模経済救済策 (CARES Act) で、実体経済への影響もかなり緩和されましたが、想定以上に長期化しているため、実体経済への打撃は続いています。

ただし、影響は一律ではなく、リテールや、飲食、屋内でのエンターテイメントなど特定の業界に偏っていて、逆に、アマゾンやアップルをはじめ、大きな恩恵を受けている業界や企業も色々あることが明らかになっています。株式市場をはじめとしたアセットは、救済策とFRBの介入もあって、驚きの回復を見せていて、バブルの気配さえ感じられます。

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前回の救済策の柱の一つであった、1週間当たり600ドルに増額した拡充失業保険も7月末、立ち退き猶予は、7月24日に終了、スモールビジネスに対する PPP も今日で終了となり、国会では、次回の救済・経済刺激策が話し合われていましたが、合意の気配はありませんでした。そんな中、業を煮やしたトランプ大統領は、国会を迂回し、今日、ニュージャージー州の Bedminster にあるトランプさん所有のゴルフ場で、大統領令による、以下の救済策にサインしました。

* 1週間当たり400ドル増額で拡充失業保険の延長 (州が25%を拠出)
* 大家による立ち退き令に対する保護と家賃・モーゲージ援助
* 今年いっぱいの学生ローンの支払の延長
* 9月以降のペイロールタックスの従業員分 (6.2% + 1.45% for Social Security & Medicare) の支払延期 (10万ドル以下の従業員分のみ)

失業保険の割増は、これまでの600ドルから400ドルとなりますが、共和党案の200ドルと民主党案の600ドルの中間で、連邦政府としては、週当たり一人300ドルの支出となります。この他、今後の中間層以下の所得税、キャピタルゲイン税の減税も検討しているそうで、大統領選を控え、再選された場合、ペイロールタックスの延期分の支払の免除、そして減税の恒久化なども考えているそうです。

今回の内容の大部分は、国会の民主党、共和党も大枠では合意している内容ですが、メディケアとソーシャルセキュリティの財源となっているペイロールタックスの扱いに関しては、国会の民主党、共和党共に反対が主流となっていました。通常、予算に関する法律は、国会を通すことが必要となるため、ホワイトハウスの権限内とした、今回の大統領令による救済策は、今後、訴訟が起こる可能性があります。ただし、内容的には、緊急性が高く、大枠では両党合意していて、ペイロールタックスに関しては、免除ではなく、延期ということで、現段階で、明らかに問題と言える状況ではなく、訴訟もしくは、国会での今後の経済支援策の成立に関する遅延行動は、選挙を控える国会議員にとっては、あまり得策ではない状況になりつつあるかもしれません。

国会では、共和党の 1兆ドル規模の HEALS Act と民主党の 3兆ドル規模の Heroes Act から、妥協案が話し合われていましたが、両社の溝は深く、合意する気配はありませんでした。

CARES Act 同様の給付金やスモールビジネス用のPPPなど両案に共通の部分も多いですが、詳細で様々な差異がある他、大きな違いは、救済案の支出レベル、州や市など地方政府に対する大規模救済、地方税・固定資産税など(SALT)の控除の上限額($10000)の一時停止、コロナ関連での責任問題の保護条項などです。

こちらが、3月下旬に成立した、220兆円規模の CARES Act です。

史上最大220兆円のアメリカ経済救済法 現金給付1人$1200 失業保険拡充など盛りだくさんの支援に期待 The CARES Act

CARES ACt は、こんな経過となりました。

アメリカのコロナ経済支援策のその後 素早い対応と浮かび上がって来た問題点

アメリカの中央銀行、フェドも、珍しい社債購入など大規模な金融緩和策を行っています。政府、中央銀行のなりふり構わない対応により、ドルの価値の下落やインフレの懸念などから、NASDAQ、金や銀、仮想通貨 など特定のアセットが急騰しています。

アメリカのコロナ金融政策 Fedによる社債購入プログラム運用スタート

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