アメリカの金利がぐんぐん上がる! 三連続0.75% 75bp の大幅利上げ FF金利 3.25% 2008年以来の高金利に

アメリカは、現在、40年振りの高インフレが続いていますが、そんなインフレを抑制すべく、政策金利の急激な利上げによる金融引き締めが行われています。政策金利のレベルを決定する連邦準備制度理事会 (FRB) による、米連邦公開市場委員会 (FOMC) が、昨日から今日にかけて開催されていましたが、市場の予想通り、6月と7月同様、9月も、75bp、0.75% の政策金利の大幅利上げが発表されました。アメリカでは、ここしばらく40年振りの高インフレが続いており、そんなインフレ抑制の最大のツールとなっているのが政策金利です。パンデミック中のゼロ金利政策から脱却し、3月には 0.25%、5月に 0.5%、6月には1994年以来約30年振りとなる 0.75% の利上げが行われ、翌7月も 0.75% の利上げと続き、さらに今月9月も、三回連続での 0.75% の利上げとなりました。アメリカでは、毎月のように預金の金利もぐんぐん上がっています。6月からは、中央銀行が今まで買い支えてきた債券など保有する資産の売却を進める、量的緩和(QT)の解除もはじまり、9月からはさらに加速しています。



アメリカでは、今年に入り、40年振りの高インフレが続き、食料品、ガソリンなど日常の生活の中でもインフレを実感する場面が多くなっています。インフレの原因は、パンデミックによる需給の激しい変動やサプライチェーン問題、ロシアによるウクライナ侵攻など様々な要因によるもので、コントロールするのは難しいですが、そんな中、政策金利の利上げは、インフレ抑制の最大のツールの一つとなっています。

パンデミック以来続いていたゼロ金利が今年3月に解除されて以来、5月4日には、2000年5月以来となる 50bp、0.5%の引き上げ が行われ、6月15日には、1994年11月以来となる 75bp、0.75%の大幅利上げ、7月27日には、再び 75bp、0.75%の大幅利上げ が行われてきましたが、今日9月21日には、三回連続となる 0.75% の利上げとなりました。これで、フェドレートは、3.0%-3.25% となり、前回の利上げサイクルの政策金利の最高値となった2019年のレベル越え、2008年以来の高金利になっています。今回のインフレサイクルで最高を更新した、6月の消費者物価指数、石油などエネルギー価格の下落にもかかわらず、高いインフレが継続している、7月8月の消費者物価指数の発表を受け、市場の予想通りの 75bp の利上げです。


(tradingeconomics.com)



3回連続での 75bp の利上げ以上に、インパクトがあったのが、FOMC を構成する12人のメンバーの今後のFF金利の見通しの変化です。ドットプロットと呼ばれるこちらのチャートでは、11月と12月の2回のFOMC会議が残されていますが、今後も50bp または、75bpのペースでの利上げが想定されています。来年2023年には、4%後半に達する見通しとなっています。


(FOMC – Projection(PDF))

こちらが、前回6月時点のドットプロットで、今月に比べて、かなり低いFF金利の見通しとなっていました。



FOMCの発表の詳細は こちら です。FRBのジェローム・パウエル (Jerome Powell) 議長の声明は、こちら(PDF) です。

急激な金融緊縮が続けば、株式や不動産の価格下落など資産価格全般への影響は不可避となり、既に様々なリスク市場で、大きな変化が起こっています。アメリカは、これまで同様、インフレ抑制に本気で取り組み続ける一方、景気などの動向にも注意を払っていくとしています。次回の連邦準備制度理事会 (FRB) の開催は、6週間後の11月1、2日となり、50bp または、75bp の利上げが予想されています。

銀行間の短期の貸し借りで使用される政策金利のFFレート (Federal Fund Rate) が上昇すると、短期金利が上がり、預金の金利が上昇するのはうれしいですが、一方、ローンやモーゲージ、クレジットカードなどで借りる際の金利も上昇してしまいます。
モーゲージレートも、大幅上昇していて、不動産市場にも大きな影響があります。


(freddiemac)

アメリカのびっくりなインフレの9月最新情報は、こちらです。

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