ニューヨークのミッドタウンにある人気美術館、MoMA では、アメリカ近代アートを代表する女性アーティスト、ジョージア・オキーフ (Georgia O’keeffe) の特別展、Georgia O’Keeffe To See Takes Time が開催されています。オキーフと言えば、花や動物の頭蓋骨、アメリカ各地の風景などの絵画で知られていますが、今回の特別展では、絵画に加え、鉛筆やチャコール、絵の具などで同一テーマを描いた様々なシリーズ作品も展示されていて、制作過程や若い頃の実験的なスタイルが垣間見られる、オキーフの新たな一面を知ることができる面白い特別展になっています。
ニューヨーク、ミッドタウンにある、ニューヨーク近代美術館(MoMA) は、ゴッホ、モネ、ピカソ、マティス、ダリをはじめ19世紀後半の印象派やポスト印象派から現代アートまでの近現代アートに特化した人気美術館です。
モマの3階のギャラリーでは、アメリカ近代美術 (American Modernism) の代表的なアーティストの一人、ジョージア・オキーフ (Georgia O’Keeffe) の特別展、Georgia O’Keeffe To See Takes Time が、2023年8月12日まで行われています。
オキーフは、20世紀のアメリカを代表する女性アーティストです。1910年代から1986年に98歳で亡くなるまで長い間に渡り活躍しました。
当時の美術界は、ほぼ男性のみの世界でしたが、そんな中活躍した数少ない女性アーティストで、リアリズムと抽象の狭間を描く独特の作風で知られています。ウィスコンシン州出身で、シカゴで学び、その後、ニューヨークで活動していたアーティストで、晩年は、ニューメキシコ州サンタフェに移り住み、アメリカ南西部の荒野の風景の作品を多く残しています。
オキーフの代表的なモチーフと言えば花。精密に描写された花の作品も、面白い距離感で描かれていて、どこか別世界のような抽象アートのように見えてきます。こちらは、MoMA所蔵の1941年の作品、ラン (An Orchid) です。
今回の特別展の主役となっているのは、120点もの紙に描かれた作品です。色合いや形状を確かめる実験をしているかのような、鉛筆、チャコール、絵の具など様々な道具を用いて、同一テーマを描いたシリーズ作品が多数あります。
こちらは、まだ駆け出しの頃だった1916年に描いたシリーズ作品、ブルー。
こちらも、1916年の作品、日の出。美しい自然が、個性的な抽象アートで表現されています。
宵の明星 (Evening Star) を描いた1917年のこちらのシリーズも壮観です。
オキーフと言えば、静物画や風景画の抽象アート作品が思い浮かびますが、若い頃は、意外な作品も描いています。こちらは、1917年に描いた人物画でヌードのシリーズ作品です。
オキーフらしくない暗い色調の作品もあります。こちらは、ミルウォーキー美術館所蔵の1916-1917年頃に描かれた、No. 20—Special です。
ジョージア・オキーフと言えば、現在では、すっかり世界的なアーティストとなった 草間彌生さんと親交のあったアーティストさんです。草間彌生さんが、日本から手紙を書き、アメリカに移住後、活動をサポートしてくれたアーティストさんでした。草間さんの作風にはそんなオキーフの影響が感じられます。
絵の具やパレットなどオキーフが使用した道具なども合わせて展示されています。
1918年の作品、Music Pink and Blue 1918。色合いと形状を変え、同一モチーフを描いた作品が並んで展示されています。
1960年の作品、It Was Yellow and Pink。川をモチーフにした抽象アートのようです。
こちらも川をモチーフにした、1964年の抽象アートの作品、On the River (From the River Light Blue)。下絵のデッサンと合わせて展示されています。
今回のオキーフの特別展は、2023年8月12日までなので、見てみたいという人は、急ぎましょう。メンバーは、8月13日まで見ることができます。
MOMA 美術館へは、ニューヨークパス や ニューヨーク エクスプローラーパス を使ってお得に行くことができます。
また、8月はディスカウントチケットも出ています。→ MOMA のチケットを割引で買えるディスカウントコード情報はこちら
MOMA美術館への行き方や見どころの基本情報はこちらで詳しく紹介しています。
オキーフの作品は、ホイットニー美術館 や メトロポリタン美術館 でも見ることができます。
ニューヨークではオキーフのアートはとても人気があり、二ューヨーク植物園でもオキーフの特別展が開催されたことがあります。
