ニューヨークの MOMA では、今、ブランクーシ (Constantin Brancusi) の特別展が開催されています。ブランクーシの作品は、普段は、MOMA の20世紀の有名アーティストの作品が集合した5階に何点か展示されていますが、現在は、モマの所有するブランクーシの作品の全てが2階の一室でまとまり特別の展示がされています。ブランクーシの曲線や直線など幾何学的な美しさがとても印象的な素晴らしい作品がいっぱいです。
コンスタンティン・ブランクーシ (Constantin Brancusi) は、ルーマニア出身で、後に、当時の世界のアートの中心であるパリに移り、パリで活躍したアーティストです。彫刻が有名ですが、絵画、写真などの作品も残しています。巨匠ロダンに認められ、ロダンの下で働いていたこともあるそうですが、”Nothing can grow under big trees.” と、早々に独立し、独自のスタイルの彫刻を確立しました。
パリ以外で、ロダンの最大のコレクションを誇るフィラデルフィアのロダン美術館の様子。シリアス、そしてドラマチックな作風です。
今では、すっかり世界的に有名な彫刻家として知られているブランクーシですが、1913年にニューヨークで開催されたアーモリーショーに初登場したブランクーシの作品は、当時のアメリカのアートに対する認識を越えたもので、大きな衝撃を与えたそうです。その時の作品を別の素材で製作したのが、左側の金色の Mlle Pogany です。右側は、Young Bird です。ちなみに、同名のニューヨーク最大のアートショーのアーモリーショーは、毎年、冬に開催されています。
そんな歴史について、こちらの映像で紹介されています。
天井に向けて伸び上がる感じを受ける作品、Bird in Space も鳥をテーマとしたものです。
こちらも鳥を表現した作品、Maiastra。ブランクーシは、鳥をモチーフとした作品を数多く残しています。
ブランクーシは、様々な材質のもので彫刻を製作しています。中には、Isamu Noguchi の作品を思い出させる美しい石の作品もあります。Isamu Noguchi さんは、若い頃、ブランクーシのアシスタントとしてパリの工房で修行していたこともあり、そんな影響が感じられます。
ニューヨークのクイーンズには、イサムノグチミュージアムがあります。
彫刻の他、写真やスケッチなども展示されています。
アメリカで最も多くブランクーシの作品を所有しているのが、フィラデルフィア美術館で、ブランクーシの作品が集められた部屋もあります。1913年のアーモリーショーで展示されたライムストーンの Portrait of Mlle Pogany の他、有名な作品 The Kiss などが展示されています。
こちらの映像では、ブランクーシの人生、The Kiss について紹介されています。