この一年間、ハイキングやバードウォッチングなどすっかり自然と触れ合う機会が増えた人も多いと思いますが、今年は、そんなトレンドの影響か、メトロポリタン美術館のルーフガーデンに、珍しい青いビッグバードが登場しています。セサミストリート (Sesame Street) でお馴染みの黄色のビッグバードが青く変身し、アメリカの著名アーティスト、アレクサンダー・カルダー (Alexander Calder) 風の色合いのお洒落な作品になっていて、緑いっぱいのセントラルパークとミッドタウンの高層ビルを背景に幻想的な風景が広がっています。
メトロポリタン美術館 屋上庭園への行き方
ニューヨークを代表する巨大なミュージアム、メトロポリタン美術館も、さすがに昨年は、旅行者も少なく、とても静かでしたが、再び多くの人が訪れはじめていて、今はとても活気が出て来ています。春から秋にかけて、メトロポリタン美術館へやって来たら、是非訪れたいのが、ミッドタウンの摩天楼やセントラルパークなどの素晴らしい眺望を見ることができる屋上スペース、ルーフガーデンです。今年は、ルーフガーデンは、4月16日からオープンしています。ルーフガーデンには、周囲の景観にマッチしたサイトスペシフィックな幻想的な作品が飾られるのが恒例となっていますが、2021年は、可愛い新作が登場しています。
美術館内にはいくつもエレベーターがあるのですが、屋上へとつながるエレベーターは、1か所だけです。館内のあちらこちらにスタッフがいるので、「ルーフトップ」へ行きたいと言えば、エレベーターの場所や行き方を教えてもらえます。
メトロポリタン美術館の屋上庭園(ルーフトップガーデン)への行き方の地図です。以下の緑の丸で囲んだところの上階が屋上庭園なので、ちょうどその真下にあるエレベーターに乗ると、屋上まで連れて行ってくれます。
雨や強風など悪天候時は、閉鎖されてしまうので、ルーフガーデンを是非訪れたいという人は、お天気のいい日を狙いましょう。昨年は、エレベーターは、一度に2人までとなっていましたが、現在は 4人までとなり、だいぶ進みが早くなりましたが、上手い具合に人数調整され、今年もゆったりと過ごすことができます。ちなみに、現在でも、メット館内、ルーフガーデン共にマスク着用が必須となっています。
ルーフガーデンの作品 2021年
メトロポリタン美術館のルーフガーデンの中央で一際目立っている、カルダー風の色合いの作品 As Long as the Sun Lasts と題された、アメリカ人アーティスト、Alex Da Corte による作品が、今年 2021年の屋上庭園の作品です。
Alex Da Corte は、面白いアーティストで、例えば、有名ラッパーのエミネムや今回のセサミストリートなどよく知られた人物やキャラクターをモチーフとし、個性的なビジュアルで表現した作品を得意としています。また、今回の作品の題名は、イタリア人作家、Italo Calvino さんのSFショート作品集、Cosmicomics の作品から名付けられたものだそうです。
作品の主役となっているのが、セサミストリートでお馴染みのビッグバード風の大きな鳥さんなのですが、今まで見たことがない珍しい青い鳥です。高層ビルを背景に、梯子を片手に、気持ち良さそうに三日月のブランコに乗っています。
このビッグバードは、実は静止しているだけでなく、風に揺られて、行ったり来たりして、面白い動きを見せてくれます。
何色か入り混じった尻尾もチャームポイントです。
ゆーらゆーら。とっても気持ちよさそうなビッグバード。
セントラルパークでは、バードウォッチングを楽しむ人も増えて、昨年から公園に住み続けている アメリカフクロウのバリー をはじめ、渡り鳥の Warbler たち など多数人気者が登場していますが、こちらの青いビッグバードも、次から次へと写真撮影にやって来る人が絶えない人気者になっています。
まるで自然の森の中にいる本物の鳥に見えてくる瞬間も。
こちらは、幻想的なルーフガーデンと風に揺られて、ゆっくりと動き回るブルービッグバードの映像です。
メットの屋上庭園は、見晴らしの良いとても気持ちのいい憩いのスポットです。ギャラリーでのアート鑑賞に少し疲れた時に、気分転換にやって来るのもおすすめです。ルーフガーデンは、10月31日までオープンしています。
ミュージアムショップでは、Alex Da Corte さんの作品に合わせて、セサミストリートの絵本もお土産に販売されています。
この Big Bird’s Red Book は、とても可愛らしい絵がいっぱいの絵本でした。
実は、ビッグバードは、1985年に公開された映画、”Sesame Street Presents: Follow That Bird” で、籠に閉じ込められ、青く塗られ、ブルーになっていたことがありました。今回の作品は、パンデミック中の制作で、様々な制約により、ブルーバードになったような心境を表現していたのかもしれません。
メトロポリタン美術館による Alex Da Corte さんの今回の作品の 紹介記事 には、メットのキュレーターによるインタビューがあり、Alex Da Corte さんは、セサミストリートの作者、ジム・ヘンソンさんに変装し、登場していました。
セサミストリートファンには、クイーンズにあるムービングイメージミュージアムのジム・ヘンソン展もおすすめです。
2020年のルーフガーデンの作品は、こちらです。
メトロポリタン美術館では、現在、ニューヨークで活躍した女性アーティスト、アリス・ニールさんの特別展も開催されています。
メトロポリタン美術館は、絵画や彫刻などのアート作品に加え、世界中の歴史的な遺品や工芸品も数多く展示されています。鳥は、古代エジプトの頃から現在に至るまで、人類にとても身近な存在で、数多くの作品でモチーフになっていて、館内の様々な場所で、鳥の作品を見かけます。
こちらは、古代エジプトのギャラリーに飾られている、ハヤブサの姿のホルス神像です。
メトロポリタン美術館は、色々なギャラリーをゆっくり見て回っていると一日、二日では見終わらないほど大きなミュージアムです。美術館の全体像は、こちらをどうぞ。
今週も楽しい週になりますように♡