ニューヨークにはかなりの数のミュージアムがありますが、中でもアート好きならはずせないのはニューヨークでも1、2位を争う人気の美術館であるニューヨーク近代美術館 (The Museum of Modern Art (MOMA モマ))です。住んでいても時々ふと立ち寄ってみたり、興味のある特別展がある時に訪れたりするので、数か月に一度くらいは訪れています。著名な画家の作品がこれでもかというほどたくさんあり、定期的に作品の入れ替えや配置換えも行われ、定番から新鋭のアートまで幅広く展示されています。ミッドタウンのビル群の中にある美術館ですが、素敵な中庭もあり、人々の憩いの場所にもなっています。
MOMAでは、期間限定の特別展も随時行われています。現在は、あのオノヨーコさんの”Yoko Ono: One Woman Show, 1960–1971″という特別展が行われています。5月17日から9月7日まで開催の予定です。
こちらは、展示室へ入ってすぐのOno Yokoさんの作品、”Apple”。
“To See the Sky” 空はいつでもどんなときでもそばにいてくれる。空をみるのが好きなオノヨーコさんの心のこもった作品です。このらせん階段を上って、空を見て、降りてくることができる展示です。ひとりづつ順番になるため、列ができていました。あと、オノヨーコさんが手書きで書いた日本語のメモを作品にしたようなものも展示されていました。日本語の文字列はある種アートかもしれませんね、特に外国人たちからみた場合。
白いチェスセットのテーブルの作品。後ろのドアを開けて入っていくと、ミュージックルームになっています。John LennonとYoko Ono、ふたりの写真や、Yoko Onoさんの音楽作品を聴くことができるようになっています。他にも、黒い布袋を全身にかぶった人が何をするわけでもなくもぞもぞと動いているだけのアートとか、他にもかなり奇抜なアートもあり、個性的なアーティストだったようです。彼女の作品群を見ていると、現代ならまだしも、当時としてはかなり革新的な存在だったのではないかと思われます。
Yoko Onoさんのサイト、Imagine Piece でも紹介されていますが、実は、1971年にMOMAで同名の “One Woman Show” と題した非公認イベントを行っていたそうです。
ようやく2015年、MOMA 公認、6階で堂々と展示が行われることになりました。Ono Yoko さんは、現在82歳だそうですが、パワーがあふれています。
美術の教科書にも登場するような MOMA らしい代表的な作品がいろいろあり、見どころ満載なのですが、中からいくつか有名な見逃せない作品とアーティストを上げておきます。
ロイ・リヒテンシュタイン (Roy Lichtenstein) “Drowing Girl (溺れる女)” 。アンディ・ウォーホルらと同時代に活躍したアメリカのポップアーティストです。
アンディ・ウォーホルの有名作品、キャンベルスープ缶。
マリリン・モンローが亡くなってすぐに描かれた、ゴールド・マリリン・モンローは、アンディ・ウォーホルがニューヨークで開いた初の個展で大評判となった作品のひとつです。
こちらのカラフルなマリリン・モンローは、アンディ・ウォーホルの展示の中で一番人気があります。
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ (Vincent van Gogh)の “The Starry Night”。MOMAにはゴッホの作品はたくさんありますが、中でもこの作品は特に人気があります。
パブロ・ピカソ (Pablo Picasso)のキュビズムの作品、 “Girl before a Mirror (鏡の前の少女)”。
ピカソの “Les Demoiselles d’Avignon” という作品も有名です。
ヘンリ・マチス (Henri Matisse) の有名作品、”ダンス(Dance (I))”
独学でアートを学んだ、アンリ・ルソー (Henri Rousseau) “The Sleeping Gypsy” 物語のシーンのような世界観がいいです。
ジョルジョ・デ・キリコ (Giorgio de Chirico) “The Song of Love”。
キリコは、Pittura Metafisica(Metaphysical Art)という、現実と幻想が入り混じった独特の世界を描く画法で、ダリやマグリットなど後のシューレアリズムに大きな影響を与えた画家です。
スペイン人画家、サルバドール・ダリ (Salvador Dalí) の “The Persistence of Memory(記憶の固執)”。溶ける時計のイマジネーションの世界が人々を惹きつけます。
ダリと並びシューレアリズムの代表的なベルギー人画家であるルネ・マグリット (René Magritte) “The False Mirror(偽りの鏡)”
フランス印象派の代表的な画家クロード・モネ (Claude Monet)の大作 “睡蓮の池に映る雲の反映”
日本のポップアーティスト、村上隆 (Takashi Murakami)さんの作品も展示されています。
ジョルジュ・スーラ (Georges Seurat)、独特の点描の美しい風景画作品、”The Channel at Gravelines, Evening”。
ポートレートが印象的なメキシコ人画家フリーダ・カーロ (Frida Kahlo)。
スイス人画家、パウル・クレー (Paul Klee)のかわいい目をひく作品 “Cat and Bird”。個人的なお気に入りです。
オーストリア出身、グスタフ・クリムト(Gustav Klimt)の”Hope Ⅱ”。クリムトの作品はMOMAにも数点あります。その他の著名な作品は、ノイエギャラリー、そしてメトロポリタン美術館にもあります。
ロシア出身、後にフランスで活躍したマルク・シャガール (Marc Chagall) “I and the Village”。ロシアっぽい光景がキュビズムで描かれています。
MOMAの中庭は大都会のオアシスという感じで、水もあり、花もあり、癒しの空間になっています。
中庭には、可愛い巨大なバラの作品があります。
みんなカフェでお茶したり、ベンチに座っておしゃべりしたり、気持ちのいい風のふく中庭での幸せのひとときを過ごしています。MOMAの1階には中庭の景色が見えるMOMAのファインダイニングレストラン、The Modernがあります。美しいフレンチ・アメリカン料理が頂ける有名店で、ドラマSATCでもでてきたお店です。キャリーがシャーロットたちに結婚することを告げたシーンです。
その他、MOMAの5階にあるカフェ、”Terrace5″もおすすめ。手早くカジュアルに済ませたい場合は、2階に”Cafe2″もあります。
現在、ビョーク(björk)の特別展も行われていて、こちらは明日6月7日までとなっています。
ラテンアメリカの建築に関する特別展も行われています。精巧なミニチュアがいろいろ展示されています。
MOMAの現在の建物は、建築家、谷口吉生さんの設計によるもので、2004年に900億円をかけて増改築されたものです。
MOMAの建物は本当にアーティスティックにできているな、と思うこんな瞬間もあります。
MOMAのアートはすばらしい作品がまだまだいっぱいあります。美術館内を見て周るのに必要な所要時間は、最低でも2時間、普通はもう少し時間を見ておいた方がいい場所です。中庭のベンチに座ったり、カフェでくつろいだり、またじっくりいろいろ見ていたら、半日でも一日でも楽しめる場所です。ニューヨークに来た際には是非訪れて見て下さい。何度も訪れている人でも、特別展があったり、ディスプレイなども頻繁に変更されたりしているので、時々訪れてみると楽しめますよ。
MOMA美術館 行き方 チケット購入
MOMA 美術館への行き方
MOMA美術館はミッドタウンのとても交通の便がいいところにあります。
最寄の地下鉄の駅は、E線またはM線の5 Avenue & 53 Street 駅です。
MOMA 美術館 開館時間 休館日
開館時間:10:30 a.m.–5:30 p.m. (金曜日のみ10:30 a.m.–8:00 p.m.)
休館日:サンクスギビンデー (11月第4木曜日) と クリスマス(12/25)
MOMA 美術館 入場料 チケット購入
大人 $25
学生 (ID要) $14
シニア $18
子供16歳以下 無料
お得にニューヨーク観光ができる ニューヨークパス の利用もできます。
MOMA では、金曜の夕方4時から8時の間はユニクロがスポンサーとなり入場無料となっています。4時前後は大行列になりますので、逆にふらりと6時過ぎとか遅い時間に訪れるくらいの方がチケットの列は空きます。ただし、館内はすごく混みます。
オーディオガイド もあります。MOMA 美術館内は WiFi 利用可能です。
The Museum of Modern Art (MoMA)
11 W 53rd St, New York, NY 10019 (5-6th Avenue) MAP
定期的に入れ替わる MOMA の特別展もぜひチェックしてみてください。
MOMA の分館 MOMA PS1 へは、MOMA のチケットを持って14日以内に訪れれば入ることができます。
おしゃれな雑貨が並ぶMOMAデザインストアもおすすめです。