メトロポリタン美術館 ゴッホ特別展!糸杉 サイプレス MoMAで大人気の星月夜など世界中の有名作品が大集合

メトロポリタン美術館では、現在、世界中で愛されているポスト印象派の著名アーティスト、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ (Vincent Van Gogh) の特別展が行われています。ゴッホがよく描いたモチーフ、サイプレス(糸杉)をテーマとした展示となっています。ゴッホの代表作で、MoMA が誇るスター作品、星月夜をはじめ世界の様々な美術館やプライベートコレクションからサイプレスをテーマとした素晴らしい作品が一堂に会し、大人気となっています。他のアーティスト同様、ゴッホも納得するまで同じモチーフの作品を何度も何度も描いていますが、そんな作品の数々が隣同士に並び見比べることができるという大変貴重な機会のおすすめの特別展です。

フィンセント・ファン・ゴッホ (Vincent Van Gogh) と言えば、現在では、世界で知らない人がいないほど有名なオランダ出身の19世紀後半のポスト印象派の画家です。
ニューヨークでは、ゴッホの作品の数々は、メトロポリタン美術館で見ることができますが、現在は、特別に世界の名だたる美術館からさらに多くの作品が大集合しています。

メトロポリタン美術館では、2023年5月22日から8月27日の3ヵ月間に渡って、ゴッホがよく描いたモチーフ、地中海周辺でよく目にする糸杉、サイプレスをテーマとした特別展、Van Gogh’s Cypresses が開催されています。

特別展の会場となっているのは、Gallery 199 で、入口は、1階正面左手、古代ギリシア美術のギャラリーにあります。現在、開催されているファッション展同様、バーチャルキュー制となっていて、まずQRコードで登録し、順番になったら入口に向かい入場します。
カール・ラガーフェルド ファッション展&バーチャルキュー入場について
世界中の名だたる美術館からやって来ている貴重な作品が多く、会場では大きな荷物や液体、ベビーカーなどの持ち込みが厳しく禁止されています。

ゴッホは、19世紀末、オランダ出身のポスト印象派の頃のアーティストです。現在では世界で知らない人がいないのではないかというほど有名な巨匠ですが、生前は恵まれず、評価されることがないまま、1890年に若干37歳にして亡くなってしまった人物です。アートディーラーなど様々な職についていましたが、遅ればせながら、20代後半に画家となり、南仏プロヴァンス地方で過ごした死の直前の数年間に、独特のスタイルの画法を生み出し、素晴らしい作品の数々を残しています。
南仏など地中海周辺でよく目にするイトスギは、ヒマワリと並び、ゴッホの最盛期の作品によく登場するモチーフで、今回の特別展では、イトスギを中心にキュレートされています。

素晴らしい作品だらけですが、中でもスター的な存在となっているのが、MoMA の大人気作品、星月夜 (The Starry Night) です。特別展ギャラリーでも、MoMA のギャラリーのように人だかりが出来ています。
星月夜 (The Starry Night) は、MOMA で必見の有名作品ですが、メトロポリタン美術館のゴッホの特別展の期間中は、MoMAへ行っても見られません。

MoMA とメトロポリタン美術館のゴッホの代表作が隣同士に飾られているという、とても珍しい光景が見られる貴重な特別展です。

星月夜 (The Starry Night) は、躍動感のある星と糸杉が印象に残る幻想的で美しいゴッホの代表作です。晩年は、精神病院などの施設で過ごすことが多く、Saint-Rémy で過ごしていた、1989年6月に描かれました。

星月夜の右隣には、炎のようにうねった感じで一際存在感のあるサイプレスが登場するメトロポリタン美術館の2作品を含む 3作品が並んでいます。

こちらは、1889年6月に描かれた、メトロポリタン美術館所蔵の「糸杉のある麦畑」(Wheat Field with Cypresses)。

お隣には、ロンドンのナショナルギャラリーの 1989年9月に描かれた同名作も合わせて展示されています。同じモチーフ、構図ですが、精神状態の変化によるものか、色合いと躍動感が少し異なっています。ナショナルギャラリーには、この他、ゴッホのヒマワリで最も有名な作品があり、ゴッホ好きにおすすめの美術館です。→ ロンドン・ナショナルギャラリー

1889年に描かれた、メトロポリタン美術館のもう一つの糸杉の作品 (Cypresses) も一緒に展示されています。

ゴッホが、亡くなる数年前 1888年から1890年までの2年間に、花と緑が美しい自然豊かなプロヴァンス地方で描いた絵画、デッサン、その他、イラスト付きの手紙などが、時系列に沿って展示されています。ゴッホは、アートの中心地でもある大都市のパリで2年間過ごしましたが、飲酒や喫煙などによる不摂生で病気がちになり、1888年2月にプロヴァンス地方アルルに引っ越しましたが、そんな時期以降の作品が展示されています。
水色など美しい色合いで描かれた、印象派風の1888年の作品、Drawbridge。ドイルのケルンにあるミュージアム、ヴァルラフ・リヒャルツ美術館 (Wallraf-Richartz-Museum ) からやって来ています。

イエール大学アートギャラリーからやって来た、サイプレスに囲まれた果樹園 (Orchard Bordered by Cypresses)。1888年4月に描かれた作品です。

こちらも同名、同じく1888年4月に描かれた、サイプレスのある果樹園 (Orchard Bordered)。 オランダのクレラー・ミュラー美術館 (Kröller-Müller Museum) からやって来た作品です。

こちらも、似たモチーフの 1888年4月の作品、桃の木とサイプレスの果樹園。クリスティーズのオークションで、2022年に、$117.18m で売却され、現在は、プライベートコレクションの作品です。

1888年7月に描かれたアルルの庭園 (Garden at Arles)。オランダのデン・ハーグ市立美術館 (Kunstmuseum Den Haag) からやって来ています。新天地、南フランスのアルルで様々なスタイルを試行錯誤し、楽しんで描いている様子が伺えます。

そんなゴッホにとって、大きな転機となってしまったのが、アーティストの友人、ゴーギャンとの共同生活です。ゴッホはゴーギャンがやってくることを心待ちにしていました。1888年8月にゴッホの代表作の一つとなる、ヒマワリを描いています。そして 1888年9月に、待ちに待ったゴーギャンがアルルにやって来ます。ところが、二人の共同生活は上手くいかず関係は悪化してしまいます。ゴッホが、自分の耳を切り落とすという耳切り事件が起こるなどし、波乱の時期となり、1888年12月には精神病院に入院します。
こちらは、ワシントンDCのナショナルギャラリーからやって来ている、1889年1月に描かれた、青い手袋と共にオレンジとレモンの静物画 (Still Life of Oranges and Lemons with Blue Gloves) です。折れた糸杉が飾りのように配置されています。

こちらは、1889年4月に描かれた、躍動感のある雷雲が印象的な作品、Landscape under Turbulent Skies。事件前と比べて、筆使いがダイナミックになり躍動感が出て、作風が大きく変化して来ている感じがします。

1889年5月には、アルルからサン=レミ=ド=プロヴァンス (Saint-Rémy-de-Provence、) へと移ります。
こちらは、1889年5-6月頃に描かれた独特のタッチの美しいデッサン、Stairs in the Garden of the Asylum。アムステルダムのゴッホ美術館からやって来ています。

1889年6月に描かれた、サン=レミの風景 (Landscape from Saint-Rémy)。ゴッホらしいウネリがあるこちらの作品は、コペンハーゲンのニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館からやって来ています。

1889年6月に描かれた、躍動感ある「ポピー畑」 (Field with Poppies)。ブレーメン美術館所蔵の作品です。MoMA の「星月夜」、メトロポリタン美術館の「糸杉のある麦畑」などゴッホの代表作が描かれたのも、この頃です。

ゴッホ美術館からやって来ている、1890年1月の作品、糸杉と二人の女性 (Cypresses and Two Women)。それまで脇役であまり目立たなかったイトスギですが、1889年中頃からは、大きく描かれ主題のように中心的な存在になっていっています。

最後のセクションでは、糸杉を含め地中海らしい木々が登場する絵が集まっています。こちらは、クリーブランド美術館 からやって来ている、1889年10月に描かれた、サン=レミ近くのアルピーユ山脈の2本のポプラの木 (Two Poplars in the Alpilles near Saint-Rémy)。

オリーブの木々に囲まれた農家 (Farmhouse among Olive Trees)。1889年12月に描かれた作品です。

1890年3‐4月頃の作品、Reminiscence of Brabant。病院生活で自由に動けず、故郷の景色を思い出して描いた作品です。どこか別世界のように幻想的に描かれています。

クレラー・ミュラー美術館 (Kröller-Müller Museum) からやって来ているこちらの作品は、1890年5月に描かれた、プロヴァンス地方の夜の田舎道 (Country Road in Provence by Night)。星月夜に通じる、幻想的な夜の景色の作品です。星月夜と言えば、パリのオルセー美術館 の作品も美しい作品です。

メトロポリタン美術館は、ゴッホの作品を30点近く所蔵しており、ゴッホの代表的な作品は 2階正面左手の印象派・ポスト印象派ギャラリーで常設展示されています。ゴッホ好きの人は、こちらもまわってみるのもおすすめです。
こちらは、パリ時代の1887年に描いた自画像。

面白いのは、裏面に、全く関係のないジャガイモの皮を剥く女性が描かれています。

この他、ゴッホがよく描いたアイリスや、

ヒマワリもあります。

ミレー風に、農家の日常のワンシーンを描いた作品。

ゴッホの友人だったアルルの郵便配達員の奥さんを描いた肖像画、La Berceuse。

この他にも、メトロポリタン美術館には、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ (Vincent Van Gogh) の色々な作品が展示されています。

メトロポリタン美術館への行き方と見どころ、基本情報はこちらです。

メトロポリタン美術館 ミュージアム見どころ完全攻略法

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メトロポリタン美術館 ゴッホ特別展!糸杉 サイプレス MoMAで大人気の星月夜など世界中の有名作品が大集合 was last modified: 6月 18th, 2023 by mikissh