エル・ムセオ・デル・バリオニューヨークを代表するラティンクス美術館の現代アートグループ展 ESTAMOS BIEN

ニューヨークには、世界の様々な地域の文化を代表するミュージアムがありますが、ラテンアメリカやカリブ海の国々などラテン系アートの中心となっているのが、ミュージアムマイルの北端、セントラルパーク沿いの五番街にある、エル・ムセオ・デル・バリオ (El Museo del Barrio) です。エル・ムセオ・デル・バリオでは、現在、ラテン系現代アーティストたちのグループ展、ESTAMOS BIEN – LA TRIENAL 20/21 が開催中で、ラテン文化の雰囲気が色濃く感じられる、様々なメディアの面白い作品の数々が展示されています。

エル・ムセオ・デル・バリオ(El Museo del Barrio) は、セントラルパークの東側の五番街沿い、104-105ストリートにある、ラテンアートに特化した美術館です。エル・ムセオ・デル・バリオは、アッパーイーストサイドのすぐ北側、スパニッシュハーレム、El Barrio とも呼ばれる、イーストハーレムにあり、プエルトリコ系を中心に、ドミニカ共和国、キューバ、メキシコなど中南米系、ラティンクス(Latinx) の人々が多く暮らすエリアです。隣には、Museum of the City of New York、向かいには、セントラルパークのコンサバトリーガーデンがあります。

エル・ムセオ・デル・バリオでは、現在、金曜日と週末のみのオープンとなっていて、3年に一度のラテン系アーティストによる現代アートグループ展、ESTAMOS BIEN – LA TRIENAL 20/21 が開催されています。会場となっているギャラリーは、二つで、まず正面左手の北側のギャラリーからスタートします。　

ギャラリーの入口すぐにあるのが、WHO DESIGNS YOUR RACE? と題された COLLECTIVE MAGPIE のインフォグラフィックスのような作品。人種に関する調査結果をもとにした面白いコンセプトの社会派作品です。

絵画作品はもちろん、タイル風、布、陶器など手作り感のあるクラフト系アートなど多種多様な作品が飾られていて面白いです。

淡いラティンクスらしい色使いで、神話に登場しそうなモチーフを描いた、独特の雰囲気の、Amaryllis DeJesus Moleski さんの作品の数々も印象的です。

ラテン風の色合いのスナック菓子が並べられた、アンディ・ウォーホル、クレス・オルデンバーグのような感じのポップアート風な Lucia Hierro さんの作品。

ektor garcia さんの紐を使った細やかなクラフトアート。

色合いの異なる陶芸のユニットが、美しく並べられたクラフトアート作品が続きます。

典型的なラティンクス風の家の壁の雰囲気が、コラージュやLEDなど様々な媒体を用いて再現した、Patrick Martinez さんの作品。

環境問題とその犠牲になった人々を描いた、Carolina Caycedo さんの社会的なテーマの作品。

まるで本当にそこに人がいる感じの Luis Flores さんの作品。壁の中から人を救出しようとしています。

部屋一面がカラフルな世界に。

正面左手にある北側のギャラリーに加え、正面右手奥のギャラリーも特別展の会場となっています。最初のギャラリーを見終わったら、いったんギャラリーの外に出て、もう一つのギャラリーに向かいます。
南側のギャラリーは、広々としていて開放感のあるお部屋で、まるでゲームコーナーのような感じのデジタルアートやパフォーミングアートを兼ねた作品など、こちらも面白いコンセプトの作品でいっぱいです。
正面のデジタルアートは、The Wall と題された Michael Menchaca さんの作品です。