オルセー美術館でピカソの特別展開催中!世界中から集められた必見のコレクション Picasso: Blue and Rose

Musée de l’Orangerie

19世紀中頃から20世紀前半にかけてのフランスアートの黄金期の作品が大集合した見応えたっぷりのパリの大人気ミュージアム、オルセー美術館では、現在、ピカソの初期の頃の青の時代と赤の時代をテーマとした特別展、Picasso. Blue and Rose が開催されています。世界で有名な近代アートの巨匠ピカソの作品が、世界各国から集められた貴重な特別展ということで、会場にはたくさんの人がやって来ていました。オルセー美術館だけでも見どころがいっぱいですが、このピカソの特別展だけでも素晴らしい貴重な機会でしたので紹介します。

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パブロ・ピカソ (Pablo Picasso) は、スペイン出身ですが、フランス、パリで長く暮らし、最終的には、南仏で生涯を終えた、パリ、そしてフランスと縁の深いアーティストです。そんなピカソが、初めてパリを訪れたのが、1900年。1901年に、パリで親友を亡くし、バルセロナを拠点とし、パリへ行き来していた時期が、青や緑など暗い色調の色合いの絵を描いた青の時代に当たります。精神的に不安定な状態から回復し、1904年から、パリに定住することとなりますが、その後、数年間が、明るい色調の色合いの絵を描いたことから赤の時代とされています。今回の特別展では、そんな20世紀初頭の若い頃のピカソに焦点が当てられ、その時代の300点もの作品が展示されています。

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ニューヨークのメトロポリタン美術館やMOMAなど、アメリカの美術館からやって来た作品も含め、世界各国からピカソのその時期の作品が集まってきています。18歳にしてパリでの初の個展を開き、そして親友の死に直面するなど、当時ピカソの周りで起こった出来事と合わせて紹介されています。

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パリでの初の個展のために描かれた1901年のピカソの自画像、Yo Picasso です。力みなぎる雰囲気です。

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こちらも上の自画像と同じく、ピカソが20歳だった1901年に描かれたピカソの自画像です。短期間に随分と精神状態が変化している様子が見られます。

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1901年初頭にマドリッドで描かれ、展示された作品、Woman In Blue。初めて訪れたパリで見て影響を受けたと思われるロートレック (Henri de Toulouse-Lautrec) 風な作品です。

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こちらも、1901年に描かれた作品、Pierreuse, Her Hand on Her Shoulder, or Waiting (Margot)。シカゴ美術館の所蔵です。シカゴ美術館 にある有名な青の時代の作品、The Old Guitarist は、今回の特別展にはやって来ていませんでした。

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1901年の作品、Woman in the loge。

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1901年、当時の人気のモチーフだった道化師を描いた作品、Seated Harlequin。メトロポリタン美術館 所蔵です。

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1901年、失恋し、パリで自殺してしまった親友、カルロス・カセヘマス (Carles Casagemas) を描いた作品。当時、アート界で注目を集めていたゴッホ展があったようで、ゴッホの作品の影響が感じられます。

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カルロス・カセヘマス (Carles Casagemas) と元恋人を描いた作品、La Vie。クリーブランド美術館 からやって来た作品です。

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スープを題材とした1902年に描かれた作品、La Soupe。こちらは、トロントの オンタリオ美術館(Art Gallery of Ontario) からやって来た作品です。最近、こちらで紹介されているように、この絵は、何度も上書きされたものだということが発見がされました。

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ピカソの青青の時代のコレクションが見事に並んでいます。1901年に、パリで初の個展が開催されましたが、ピカソは、親友の死をきっかけに、次第に青系の暗いモチーフの作品ばかりを描くようになっていきました。今でこそこんなにも評価されているピカソですが、当時は買い手もつかず、ふさぎ込んだ状態で、貧しい生活を送っていたようです。

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1903年に描かれた Portrait of Sebastia Juñer Vidal。ロサンゼルスカウンティー美術館 からやって来ています。

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1903年から1904年にかけて描かた作品、Celestina。青の時代には、目の不自由な人をモチーフとした作品をよく描いていました。16~17世紀にかけてスペインで活躍したエル・グレコの影響を感じさせる作品です。

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ピカソは絵画だけでなく彫刻作品もたくさん残しています。数年前、ニューヨークの MOMA で、そんな貴重な ピカソの彫刻 が大集合した大きな特別展が開催されました。

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ピカソは、パリのモンマルトルに移住した1904年頃から、暖かみのある明るい色合いの作品を描くようになり、モチーフもサーカスや健康的な女性、家族などに変化してきます。こちらは、1905年の作品、Acrobat’s Family with a Monkey。パリで出会ったサーカスに、心を奪われたのかもしれません。

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1905年に描かれた Young naked girl with flower basket。今年、ニューヨークのクリスティーズで行われたロックフェラーコレクション (Peggy and David Rockefeller) のオークションで、$115 Million(約130億円)で落札された話題の作品です。

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Harlequin Sitting on a Red Couch, 1905

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1905年の作品、Acrobat on a Ball。

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1905年から1906年にかけて描かれた作品、Boy Leading a Horse。MOMA 所蔵の作品です。

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1906年、Nude on a Red Background。

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その後、当時のパリで行われていたのが、アフリカの文化を紹介するエキゾチックな展覧会です。当時の多くのアーティストに影響を与えたと思われますが、ピカソも大きな影響を受け、その後、キュビズムが生み出されていきます。ピカソは、時期毎に大きくスタイルを変えていったアーティストですが、モチーフに関しては、静物画、風景画はほとんどなく、人物や動物を徹底的に描いたアーティストです。

ピカソの特別展の会場を出ると、お土産コーナーがあり、ピカソの本やグッズがたくさん並んでいます。

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オルセー美術館でのピカソの青の時代と赤の時代の特別展、Picasso: Blue and Rose は、2019年1月6日までの開催です。

オルセー美術館 Musée d’Orsay
1 Rue de la Légion d’Honneur, 75007 Paris, France 地図

ピカソ好きの人は、ピカソの作品を中心に、所有していた同時代のアーティストの作品なども展示されているピカソ美術館(Musée national Picasso-Paris )もおすすめです。

オルセー美術館の常設展は、こちら。

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オルセー美術館でピカソの特別展開催中!世界中から集められた必見のコレクション Picasso: Blue and Rose was last modified: 7月 31st, 2023 by mikissh