ニューヨーク周辺の新ストリートアートスポット!ジャージーシティで壁画グラフィティ巡り

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ニューヨークでストリートアートが有名なエリアといえば、ブルックリンのウィリアムズバークやブッシュウィック、マンハッタンのロウアーイーストサイドやイーストハーレムなどが思い浮かびますが、近年、ストリートアートが急増しているのが、マンハッタンのハドソン川の対岸にある、ジャージーシティです。ジャージーシティの PATH の駅、グローブストリート駅 (Grove St) のあるダウンタウン周辺を中心に、ホーボーケンとの境界周辺、リバティステートパーク周辺、ジャーナルスクエア周辺など市内各所にグラフィティが点在していて、お天気のいい日に、散歩やサイクリングで巡ってみるのもおすすめです。Grove St 駅の側には、ニューヨークでもお馴染みの壁画アーティスト Shepard Fairey や Queen Andrea の作品が出迎えてくれます。

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ジャージーシティ 壁画アートプロジェクト

ニューヨークハーバーからマンハッタンのウエストビレッジのハドソン川の対岸にかけて広がる、ニュージャージー州のジャージーシティは、近年、壁画アートが続々と登場していて、さらに、アートギャラリーも増えている、新アートスポットになっています。この壁画アートの多くは、2013年にスタートした、ジャージーシティ壁画アートプログラム (Jersey City Mural Arts Program) によるもので、毎年、ニューヨーク周辺や、アメリカ、世界各地からやって来たアーティスト達により次々と新しい壁画が描かれ、現在では、なんと150近くの作品数に達しています。JCMAP のサイト では、多くの作品とロケーションが紹介されているので、そんな地図を見ながら、お天気のいい日に、散歩やサイクリングなどで、ストリートアート巡りをしてみるのもおすすめです。ジャージーシティでは、NYC と同じ シティバイク を利用することもできます。

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ダウンタウン Grove Street

ジャージーシティは、マンハッタンから PATH または、フェリーなどで訪れることができます。ジャージーシティには、PATH の駅がいくつかありますが、数多くの壁画アートが集まっているのが、ダウンタウンの Grove Street 周辺です。駅の目の前には、Queen Andrea さんのウォールアート “Welcome to Jersey City”。

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ちなみに、ハドソン川沿いには、エクスチェンジプレイス (Exchange Place)、ニューポート (Newport) と二つの駅があり、オフィスや居住用の高層ビルが立ち並ぶ、ビジネス街にもなっています。このエリアには、ウォールアートはあまりありませんが、ハドソン川沿いから、ニューヨークの絶景が楽しめるので、サイクリングの人は、ウォーターフロントからスタートしてみるのもいいと思います。また、ジャージーシティは、ホーボーケン の南側と隣接しているので、そこからスタートする方法もあります。自転車なしの場合は、Grove St 周辺を散歩してみるのがおすすめです。

Shepard Fairey “THE JERSEY CITY WAVE”

Grove Street の駅を出て、まず最初に見えるのが、オバマ大統領の “Hope” のポスターなどで知られる有名なストリートアーティスト、Shepard Fairey さんの作品、”THE JERSEY CITY WAVE” です。2014年に描かれたもので、自由の女神と大波が印象的なシュールな雰囲気の作品です。どのアーティストが影響を与えたのか分かりませんが、ジャージーシティは全体的に、シュールで、幻想的な作品が多い印象です。

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壁画は、Grove St 周辺では、大通りのコロンバスアベニュー (Columbus Ave) 沿いと、レストランなどが立ち並び、歩行者天国となっている商店街通りのニューアークアベニュー (Newark Ave) 沿いに集中しています。

PAWS 21 ”Beneath the Hudson”

コロンバスアベニュー沿いを西に進んで行くと現れるのが、自由の女神と船と時計が描かれたウォーターフロントの光景です。こちらは、ジャージーシティ周辺で活動しているアーティスト、PAWS 21 が2014年に描いた作品、”Beneath the Hudson” です。

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Catherine Hart “JC GIRAFFE”

Catherine Hart さんによる、2016年の可愛いキリンの作品、JC GIRAFFE です。

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GAIA “NATIVE”

GAIA による2014年の作品、NATIVE。先住民とヨーロッパからやって来た植民者が、対比され、描かれています。

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Pixel Pancho “Black Sheep”

イタリア出身のアーティスト、Pixel Pancho さんの2013年の作品、Black Sheep。少しダリのような感じを受ける、シューレアリスム的な作品です。

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Blair Urban “Cherry Blossoms”

ジャージーシティやニューヨークではなく、都市と山が近くに隣接するカリフォルニアのような景観の中、桜が印象的な作品、Cherry Blossoms。カリフォルニア出身のアーティスト、Blair Urban さんが、2012年に描いた作品で、最も古いものの一つかもしれません。その後のトレンドセッターになった可能性もあると思います。

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MARINA ZUMI “INTUITION”

アルゼンチン出身で、ドイツを拠点に活動するアーティスト、MARINA ZUMI による2019年の作品、INTUITION。宇宙の遥か彼方が描かれているような不思議な作品です。

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Alice Pasquini

イタリア人女性アーティスト、Alice Pasquini さんのコミック風の作品。276 1st St(地図) に描かれています。

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Beau Stanton “JERSEY CITY CROWN”

カリフォルニア出身で、ブルックリンを拠点に活動するアーティスト、Beau Stanton さんの2017年の作品、JERSEY CITY CROWN。几帳面にきっちりと描かれていて、とても存在感のある作品です。

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Blair Urban Lafayette Rising

こちらも思わず惹きつけられてしまう美しい青を基調とした、Blair Urban さんの作品、Lafayette Rising。写真は片面だけですが、3rd St & Newark Ave(地図) の鋭角部分にある建物の両側に描かれています。

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Mata Ruda

コスタリカ出身で、子供の頃にアメリカに移住してきたアメリカ人女性アーティスト、Mata Ruda さんの作品。211 Bay St (地図) に描かれている、ラテンアメリカの文化が感じられる、メキシコ壁画運動風の作品です。

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Nate Frizzell “The Lively”

Grove St の駅からハドソン川のある東側方面には、壁画はあまりありませんが、数少ない作品が、美しいダンスの様子を描いたこちらです。LA拠点のアーティスト、Nate Frizzell さんにより、2019年に描かれた作品、The Lively です。

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北部 ホーボーケンとの境界

DISTORT “MECCA OF STREET ART”

ジャージーシティのローカルアーティスト、DISTORT により、2016年、巨大なビルの一面に描かれた大作、MECCA OF STREET ART です。シューレアリスム的な雰囲気の作品です。

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T.DEE & DISTORT “CLIMATE OF CHANGE”

こちらもジャージーシティのローカルアーティスト、T.DEE & DISTORT のコラボで、2019年に描かれた作品、CLIMATE OF CHANGE。陸橋 (Overpass) 下のトンネル部分両側、外まで描かれています。

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ホーボーケンとの境界に近い、オランダトンネル近くの倉庫(地図)は、様々なアーティストにより描かれた壁画がずらりと並んで壮観なストリートアートスポットになっています。面白い作品が色々と描かれています。

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ストリートアートにも関わらず、少しクラシカルな雰囲気なビビッドな赤い作品なども印象的です。

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世界各地を旅行し、それぞれの都市ならではの特徴を捉え、都市名の文字に絵を描いていくというユニークな作風の Greetings Tour。近年、多くのストリートアーティストが、世界各地の都市で、壁画を描いていましたが、まさに、ライフスタイルビジネスのトラベルストリートアーティストらしい作品です。

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ニューヨーク、そしてジャージーシティでもよく見かける、独特の勢いのある文字アートを専門にしている、ニューヨークベースのアーティスト、クイーン・アンドレアさんの作品。

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クイーン・アンドレアさんは、経済再開後すぐのニューヨークの街中で、We ♡ New York を描いている姿も見かけました。

ニューヨークの最新ウォールアート トリスタンイートンの新作 & We ♡ New York by クイーン・アンドレア

懐かしい感じの昔ながらのストリートアートな雰囲気の壁画もありました。

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David Bowie を描いた、ニューヨークでもお馴染み、世界各国で壁画を描いているブラジル人アーティスト、Eduardo Kobra さんの2015年の作品。多くの人が知っている著名人を、独特のスタイルで描く作風で、一目でアーティストが思い浮かびます。ニューヨークでは、例えば、アインシュタインや、アンディ・ウォーホル、バスキア、フリーダ・カーロらのアーティストが登場する壁画などがあります。

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ジャージーシティの北側にあるホーボーケンも散歩、サイクリングにおすすめです。

ホーボーケン観光とニューヨークの絶景!マンハッタン対岸のNJ州の小さな街 Hobokenへ

南部 リバティステートパーク周辺

ダウンタウンから南に向かうと、マンハッタンや自由の女神が浮かぶニューヨークハーバーの絶景が楽しめるリバティステートパークがあり、壁画巡りの途中に、立ち寄ってみるのもおすすめです。歩くと少し距離がありますが、サイクリングだと気持ちよく楽に周ることができます。リバティサイエンスセンター周辺には、子供たちに人気の科学館、リバティサイエンスセンターもあります。

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Distort “RADAR”

リバティステートパーク近くの Communipaw Ave 通り沿いにもいくつか印象的な作品があります。こちらは、ホーボーケンとの境界でも登場した、ジャージーシティで活動するストリートアーティスト、Distort による RADAR という作品です。不安そうに遠くを眺めるワンちゃんの下に、幻想的な不思議な世界が描かれています。

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Distort “The Peach Tree War”

道沿いには、こちらも、同様の雰囲気で描かれた、Distort 作のThe Peach Tree War。薄暗い感じの青から緑の色彩が印象に残ります。

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途中、道をそれると、サッカー場、野球場、スケートパーク、プレイグラウンドなど色々な設備が揃った Berry Lane Park という公園 (地図) があります。

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CEKIS による、2015年の作品、UNTITLED。

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Jersey City の BLM

今年は、BLM が、ワシントンDCやニューヨークをはじめアメリカ各地の道に描かれましたが、 ジャージーシティにも描かれています。黄色い字で、Black Live Matter とシンプルに描かれる形が多いですが、ここでは、字は黒で、周囲が黄色、さらに赤と緑が使用されたクールなデザインの BLM です。元NFLの選手で、BLM のアイコンとなっている、Colin Kaepernick が描かれています。

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Emilio Florentine & Pawn “Lost Lenape Trail”

先住民のレナペ族をテーマにした、Emilio Florentine & Pawn による、2013年の迫力のある作品、Lost Lenape Trail。右側には、ASVP による、2017年のポップな雰囲気の作品、Triple Crown が描かれています。

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今回紹介した以外のジャージーシティのその他のエリアでも様々な壁画が見つけられます。サイクリングなどでふらっと巡ってみるのも楽しいと思います。例えば、ジャージーシティで最も西側にある PATH の駅、ジャーナルスクエア周辺にも色々な壁画が描かれています。例えば、古代エジプトとアメリカが合体した感じの面白い作品などもあります。

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ジャーナルスクエアには、アーティストのスタジオとギャラリーを兼ねた巨大なアートスペース、Mana Contemporary があります。ギャラリーは、通常は、一般公開され、様々な特別展が開催されていますが、現在は、ウィズコロナのため、アーティストや関係者のみで、一般公開は中止されています。

2021年は、壁画のお祭り、ジャージーシティミューラルフェスティバルが開催され、多くの新作が誕生しています。

クールな新壁画 続々登場!グラフィティアーティスト大集合のストリートアートフェスティバル ジャージーシティ壁画祭り 2021

ストリートアート好きは、ブルックリンのブッシュウィックもおすすめです!

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ニューヨーク周辺の新ストリートアートスポット!ジャージーシティで壁画グラフィティ巡り was last modified: 6月 22nd, 2021 by mikissh