ニューヨーク 国連本部ツアー 有名な総会ホール 建築 アート見どころ紹介!

ニューヨークのミッドタウン東部、イーストリバー沿いには、世界193ヵ国が参加する著名な国際機関である、国際連合 (United Nations) の本部(ヘッドクォーター)があります。国連本部では、内部を見学することができるガイドツアーが行われていて、特に海外からの旅行者に人気になっています。国連のツアーでは、国連総会ホール (General Assembly Hall) などを訪れ、国際連合の組織、役割、歴史など社会的な側面が学べる他、オスカー・ニーマイヤー (Oscar Niemeyer) や ル・コルビュジエ (Le Corbusier) ら著名建築家らのデザインによる国連の建物や、世界各国から国連に寄贈されたアートなど様々な見どころを見て回れます。国連本部ガイドツアーで訪れた国連の見どころや、行き方、チケット情報など詳しく紹介します。

ニューヨーク 国際連合ってどんなところ?

世界193ヵ国が参加している著名な国際機関、国際連合の本部は、ニューヨーク、ミッドタウンのイーストリバー沿いのエリア、タートルベイ (Turtle Bay) にあります。グランドセントラルターミナルから東に向かったところにあり、42ストリートから 46ストリートにかけて 1アヴェニュー沿いに主要国連機関の4つのビルが立ち並んでいます。

国連本部ツアーの中心となっていて、ツアーの集合場所となっているのは、国連本部にある、毎年9月に開催される国連総会の舞台となる、有名な総会ビル(ジェネラル・アッセンブリー ビル (General Assembly) )です。

国連には、総会の他、安全保障理事会、経済社会理事会、信託統治理事会、国際司法裁判所および事務局の6つの主要機関がありますが、ニューヨークには、そのうち5つの機関の本部があります。
敷地内には、総会ビル (General Assembly) の他、安全保障理事会や経済社会理事会の本部がある、カンファレンスビル (Conference Building)、ガラス張りの高層オフィスとなっている事務局ビル (Secretariat)、図書館 (Dag Hammarskjöld Library) の4つの建物があります。国連本部の北部には、芝生が美しい庭園、North Lawn があり、彫刻作品が点在しています。


(un.org)

国際連合が誕生した理由

国際連合は、世界大戦を防ぐことができなかった国際連盟の反省を踏まえ、世界の平和と安全の維持を目的に、第二次世界大戦中の1945年4月から6月にかけて、サンフランシスコで開催された連合国の会議で設立が決定され、戦争終結後 1945年10月に発足しました。第一回目の国連総会は、1946年1月10日にロンドンで開催され、その後 1951年までは、パリや現在 クイーンズ美術館 となっているニューヨーク、フラッシングメドウズパークのニューヨークシティパビリオンで行われていました。また 1946年には、安全保障理事会は、ブロンクスの リーマンカレッジ で開催されていました。1952年に国連本部ビルが完成してからは、1988年など一部の例外を除き、国連総会は、毎年、マンハッタン、ミッドタウンイーストにある、ニューヨークの国連本部で開催されています。

国連本部がニューヨークにある理由

国連本部がどうしてニューヨークにあるのか?実は、当時、サンフランシスコ会議で国連本部がアメリカにできることは決定されていましたが、場所選びが難航していました。フィラデルフィアに決まりかけていたその時、最後の最後で、ジョン D ロックフェラー ジュニア (John D. Rockefeller Jr.) から、当時の価値で $8.5 million 相当の土地を提供するという話が出てきたため、国連本部が現在の場所に決定したという経緯があります。

国連本部の建築デザイン

ニューヨークの国連本部は、ニューヨークのロックフェラーセンターやリンカーンセンターをデザインしたことで知られるアメリカ人建築家、ウォレス・ハリソン (Wallace Harrison) が長を務める、10人の世界の著名建築家のグループによって、1947年にデザインされた建築です。最終的には、ブラジル人建築家のオスカー・ニーマイヤー (Oscar Niemeyer) の案と、フランス人建築家のル・コルビュジエ (Le Corbusier) の案が融合したデザインとなりました。1948年から建設がはじまり、1952年10月にニューヨークの国連本部ビルは完成しました。

国連ビルエリアで一際目立つ建物が、国連事務局ビルです。バウハウス (Bauhaus) の流れを汲むインターナショナルスタイルで建てられたガラス張りの39階建ての高層建築です。国連事務局ビルの南側には、国連の図書館があります。

ニューヨーク 国連ガイドツアー参加方法

国連ガイドツアーは、種類がいくつかあります。通常のツアー(スタンダードツアー)の他、建築ツアー、アートツアー、国連本部の北側に広がる庭園を巡るガーデンツアー、そして、子供用ツアーなど様々なツアーがあります。また、国連ガイドツアーは英語だけでなく、日時は限られますが、日本語ツアーなどもあります。日本語ガイドツアーの申し込み方法は、記事の最後で紹介します。

国連ガイドツアーは、平日のみの開催で、開催時間は、9:30-16:45 まで 英語ガイドツアーの場合は 15分から30分おきに開催されています。
国連ツアーのチケット窓口を訪れた際、当日券は完売となっていたので、訪れる場合は事前にオンラインで予約していくのがおすすめです。
国連ガイドツアーとチケットの詳細は、こちら でご覧いただけます。

国連ガイドツアー料金
大人 $26.00
学生 (13+ 学生証要) $18.00
シニア (60+) $18.00
子供 (5-12): $15.00
5歳以下の子供はツアーに参加できません。

今回参加した、国連ガイドツアーは、ガイドさんが本当に物知りでお話好きな方で、ツアーの時間も延長されていたのですが、3時間でもいいよ!って参加者たちが言うくらい、時が経つのを忘れて聞き入ってしまう面白いツアーでした。

通常は、国連ガイドツアーのツアー時間は1時間です。1時間前にビジターセンターに来て、ツアー後に国連のギフトショップや郵便局などでお土産を見たりしていたら、国連内部見学の所要時間は、大体2時間半くらいかかると思います。

国連本部ガイドツアーは、世界的に有名な国際機関である国際連合に興味を持っている人はもちろん、建築やアート好きにもおすすめのツアーです。

ニューヨーク 国際連合本部への行き方

国連本部の場所は、ニューヨーク、マンハッタン、ミッドタウンの東側にあります。
最寄りの駅は、グランドセントラル駅になり、徒歩 11-15分ほどで 国連のビジターセンターに到着します。45ストリート沿いにまっすぐ歩いて行くだけです。
国連本部ビルは、国連ビジターセンターの目の前にあります。
グランドセントラル駅への地下鉄は、4, 5, 6, 7, S 線です。

国連本部 United Nations Headquarters
405 E 45th St, New York, NY 10017 地図

国連ビジターチェックインオフィス

国連ガイドツアー参加者は、ツアー開始時刻の1時間程前に訪れることが推奨されています。集合時間がとても早いように感じられますが、ビジター用 IDの作成と、セキュリティなどの手続きがあり、いくつかの場所をはしごするため 1時間前に来るのがおすすめです。

国連ガイドツアー参加者がまず最初に訪れるのが 45ストリートと 1アヴェニューの交差点、北西の角にある、ビジターチェックインオフィス (Visitor Check-in Office) です。
グループで訪れる場合は、代表者のみオフィスに入り、訪問者IDを作成します。その際、パスポートや運転免許証など政府発行の身分証明書が必要になります。写真撮影をして写真付きの訪問者ID、そしてグループの場合は、人数分の黄色いステッカーをもらいます。

国連本部総会ビルへの入館

代表者は、写真付きの訪問者IDのシールを貼り、グループの人は黄色いステッカーを手に巻き、通りを渡ってすぐの国連本部総会ビルの入口へ行きます。国連ビルの敷地へ入る前には、空港並みのセキュリティチェックが行われ入場します。
お天気のいい日には、世界各国の旗がはためいているのですが、雨の日は旗は掲げられていません。

国連本部ガイドツアー

国連本部ツアーに参加するために、国連総会ビルにやってきたら、まずはセキュリティチェックを受け、セキュリティエリアを抜けます。

総会ビルの入口を入って、真っ直ぐ進んで行くと、国連ガイドツアーのキオスクと集合場所があります。チケット窓口でツアーの予約情報を提示し、参加者のシールをもらい、出発時間まで待ちます。

今回参加したのは、国連ガイドツアーの建築ツアーです。通常のガイドツアーと基本的に回る場所は同じだと思いますが、外のエリアも含めて国連本部の建築やアートについてより詳しく解説してもらえます。

国連本部ツアー 有名スポットとアート

国連本部ビルには、彫刻作品が色々飾られている広々とした広場があります。

Sphere Within Sphere

国連の入り口を入ってすぐ見える目立つ場所にあるアートが、イタリアから寄贈されたイタリア人アーティスト、アルナルド・ポモドーロ (Arnaldo Pomodoro) の地球をテーマとした作品、Sphere Within Sphere の彫刻です。

発射不能の銃

国連の広場で最も有名なアート作品は、銃の先が結び目で閉ざされている『発射不能の銃』(Non-Violence) と題された、スウェーデン人アーティスト、カール・フレデリック・ロイテルスワルト (Carl Frederik Reutersward) の作品です。アーティストが、是非国連に飾りたいという意向を示したのですが、出身国であるスウェーデンからの寄贈品としては断られたようで、ルクセンブルクからの寄贈品として贈られ現在ニューヨークの国連に飾られています。

総会ビルは、4階建ての建築で地下もあります。建物の中に入ると吹き抜けとなっている開放感のある空間が広がっています。
館内には、様々なアート作品や歴史的なアーティファクトなどが展示されています。面白いところでは、地球が自転していることを証明したフーコーの振り子なども展示されています。

国連ビルには、世界各国から寄贈されたアートが飾られていて、アメリカとはまた少し違った感じの国際的な雰囲気になっています。メキシコ人アーティスト、Rufino Tamayo の Brotherhood と題された壁画、そしてその前には、古代ギリシアの彫刻、空中には、人類初の衛星となった旧ソ連のスプートニク号の模型が飾られています。

国連ビルの建築には様々な建築の技が見られます。建物の入り口では、入口の壁面に使用されているパネルは、上に行くに従って小さくなっていて、広々とした印象を与える工夫がされています。

シャガールのステンドグラス

1階には、有名な「シャガールのステンドグラス」があります。
フランスで活躍した著名アーティスト、マーク・シャガール (Marc Chagall) 作の『平和の窓』(Peace Window) と題されたステンドグラスです。ちなみに、シャガールは、ニューヨークとゆかりがあり、ユダヤ系で第二次世界大戦中から戦後にかけてニューヨークで暮らしていた時期があります。

瞑想室

シャガールのステンドグラスの隣には、瞑想室があります。部屋の中心にある鉄鉱石の祭壇は、スウェーデンからの寄贈品です。瞑想室の壁画とベンチもスウェーデン人アーティストのものとなっていて、さすが国連らしくアメリカでは見かけない独特の異国感のある雰囲気になっています。

国連総会ビルの地下会議室

国連総会ビルの地下の会議室です。1階からのぞいてみることができます。

平和の鐘 日本寄贈

国連総会ビルの南側の庭には、日本から1954年に寄贈された「平和の鐘」があります。南側の外には、ヘンリー・ムーアの彫刻なども飾られています。

総会ビルの上のフロアは、ツアーでのみ訪れることができます。エスカレーターで3階に向かうとロビーがあり、国際色豊かなアート作品の数々が飾られています。
国連本部のアート作品は、ほとんどが世界各国から寄贈されたものですが、珍しく国連のユース集会 (United Nations World Youth Assembly) により寄贈された、アメリカ人アーティスト、Lumen Martin Winter の Titan という作品があります。

ロビーから右手の川方面へ向かうと、カンファレンスビル (Conference Building) へと繋がっています。
総会ホールがある左側に向かうと、巨大なテキスタイルで存在感のある Chernobyl と題された作品など様々な作品が飾られています。

奥の吹き抜けからは、国連職員たちが通るロビーが見下ろせます。このロビーを飾っているのは、ブラジルから寄贈された壁画、War and Peace と、ベルギー寄贈のテキスタイル作品、Triumph of Peace などの巨大なアート作品です。

廊下を進んで、国連総会会議室へと向かいます。窓からは、カンファレンスビルディングやイーストリバーが見えます。ツアーの日は雨でした。

国際連合安全保障理事会 会議場

ツアーでは訪れなかったのですが、カンファレンスビルには、安全保障理事会、経済社会理事会、現在は活動が停止している、信託統治理事会など、国連の主要機関の会議室があります。
こちらは、国際連合安全保障理事会 会議場です。会議室の奥には、Mural for Peace と呼ばれる、ノルウェー人アーティスト、ペール・クローグ (Per Krohg) の印象的な壁画があります。

浦上天主堂の被爆した聖アグネス像

総会ホールへと続く通路には、廃絶に向けた核兵器に関する展示があります。第二次世界大戦中、広島 に続いて原爆が落とされた 長崎 の遺品も展示されています。こちらは、爆心地にあったカトリック教会、浦上天主堂の被爆した聖アグネス像です。

国連総会会議室ホール

国連本部の最大の見どころが、毎年国連総会が開催されている、国連総会会議室です。巨大な部屋に入ると、フランス人アーティスト、レジェ (Fernand Léger) の存在感のある壁画が左右に描かれています。こちらの壁画は、スクランブルエッグ (Scrambled Eggs) と呼ばれています。反対側の壁画は、Bugs Bunny と呼ばれています。

国連総会の会議室は、ドーム型で開放感がある空間で、正面奥には、国連のシンボルが描かれています。
国連の会議が行われていない時には、国連ガイドツアーで、実際に会議室の中に入り、各国の代表が座る席に座ってガイドさんの説明を聞くことができます。
一般の国連ガイドツアーの他、プライベートツアーも行われていて、日本からの修学旅行のグループなども来ていました。

国連総会ホールの奥には、黒大理石の演壇があり、ここで各国首脳らがスピーチをします。演壇の後ろには、国連総長をはじめ国連関係者が座る席があります。黄金の壁には、国連のシンボルが描かれています。

各国の代表が座る席には、手元に、投票用のボタンやイヤフォンなど会議に必要な装備が用意されています。イヤフォンでは、議場での発言を英語、フランス語、ロシア語、中国語、スペイン語、アラビア語の6つの公用語による同時通訳を聞くことができます。

この日は、国連総会に参加する世界の要人だけが利用する中央の通路も特別に案内してくれました。

2階にある中央の通路から入場すると、総会ホールはこんな感じに見えます。

国連本部の建物内外には、今回紹介した作品以外にも世界各国から寄贈されたたくさんのアート作品が飾られています。詳しくは こちら をどうぞ。

国連本部ビル 1階・地下

総会ビルの1階と地下は、訪問者が自由に訪れることができるエリアになっています。1階には、国際連合旗をはじめ国連関連の資料やアーティファクト、パブリックアート作品が展示されている他、様々なテーマの特別展も行われています。地下には、ギフトショップや本屋さん、トイレなどがあります。ツアーに参加できなくても、国連を訪れてみたいという人は、このエリアを訪れるだけでも国連の雰囲気を感じることができます。

国連 郵便局

地下には、国連のお土産屋さん、UN ギフトショップ (UN Gift Shop) と、国連本屋 (UN Bookshop)、国連郵便局 (UN Stamps) など、お土産探しができるお店が色々あります。ビジターサービスや、カフェ、待ち合わせに便利な休憩スペースやトイレも地下にあります。
国連本部は、アメリカにありますが、特別区域となっていて、独自の切手を発行しています。国連郵便局では、記念に国連から郵便を送ってみることができます。

国連 本屋

国連の本屋さんでは、国連や平和維持、環境問題など国際的な本が並んでいる他、マグカップや文房具など国連限定商品も置かれています。絵本やぬいぐるみなど子供用の商品も色々とあります。

国連 お土産・ギフトショップ

国連のギフトショップには、国連限定のチョコレートやTシャツ、帽子など、国連の定番のお土産グッズが色々あります。珍しいところでは、世界各国の著名ブランドの工芸品なども置かれています。

水筒、マグカップ、ぬいぐるみなども人気商品で、国連のロゴや、最近、国連が力を入れている地球環境問題、日本でもよく耳にするようになっている SDG のロゴの商品も色々登場しています。

国連周辺エリア

国連本部がある周辺エリアには、世界各国の領事館や国連の関連組織などが集まっていて、ニューヨークの中でも他の地域とは少し違った、ニューヨークにいながら首都のようなインターナショナルな雰囲気が漂っています。

ニューヨークで有名なミッドセンチュリーモダン建築と言えば、国連本部の他、例えば、Seagram Building、グッゲンハイム美術館MetLife BuildingTWAターミナルリンカーンセンター などがあります。建築好きの人は、足を伸ばしてみるのもおすすめです。

国連日本語ガイドツアー予約・申込方法

国連ガイドツアーは、英語のツアーは15分~30分おきに多数ツアーが出ていますが、それ以外に、各国外国語のツアーも開催しています。
国連日本語ガイドツアーも週2回、多いときで 週3回ツアーが開催されています。ただし日本語ツアーは、曜日も時間も決まっていない、不定期開催のため、チケットページのカレンダーから確認する必要があります。日本語ガイドツアーの料金は、英語のツアーと同料金です。
国連日本語ガイドツアーの申し込み方法を紹介しておきます。

まずは、国連のホームページ へ行き、”Book Now” の所からチケットページに入ります。

ガイドツアーチケットは、「個人チケット」か「グループ」か選ぶようになっているので、個人の普通の旅行者は、「個人チケット (Indivisual Tickets)」を選びます。

ガイドツアーは色々な言語のガイドツアーがあります。日本語 (Japanese) のツアーが見当たらない場合は、”Other Language” を選びます。日本語ツアーの選択肢はその中にあります。

“Other Language”のガイドツアーのページに入り、カレンダーの中から日にちを選びます。すると、その日に開催されるツアーが表示されるので、その中から日本語のツアーを見つけます。
国連日本語ガイドツアーは週2回くらい、不定期に平日に開催されます。
このときは水曜日の 10:15からのツアーが、日本語ツアーでした。チケット残数はオレンジ色の文字で表示されています。

ニューヨークといったら、自由の女神 や、エンパイアステートビル などの観光も見逃せないスポットです。
ニューヨークのディスカウントチケット も色々でているので、今お得に楽しめます。
ニューヨークのおすすめ観光スポットも参考にどうぞ。

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ニューヨーク 国連本部ツアー 有名な総会ホール 建築 アート見どころ紹介! was last modified: 1月 21st, 2024 by mikissh