ニューヨークのダウンタウン、ワールドトレードセンター近くにある、ズコッティパーク (Zuccotti Park) は、とても小さな公園ですが、高層ビルが林立するロウアーマンハッタンのちょっとしたオアシス的存在です。場所柄、コンクリート造りのシンプルなスペースなのですが、紅葉がはじまり、黄色と緑の木々の美しいコントラストや、カラフルな花々、イルミネーションと秋らしい落ち着きのある美しい光景が広がっています。
ズコッティパーク (Zuccotti Park) は、オフィスビルで イータリー などが入っている 4 World Trade Center 近く、周囲にはオフィスビルが林立する、トリニティプレイス (Trinity Place) と、ブロードウェイ (Broadway) の間の一区画に広がる公園です。もともとは、リバティプラザパーク (Liberty Plaza Park) という名称で、1968年に誕生した公園なのですが、現在では、ズコッティパークと呼ばれる、ブルックフィールドらが所有する民間所有の公園となっています。普段は、ランチや休憩で、ちょっと息抜きに外にやって来たオフィスワーカーや旅行者が集まるにぎやかな憩いのスポットになっていますが、現在は、閑静な憩いのスペースに変身しています。
ズコッティパークといえば、巨大な目を引くパブリックアートでも有名です。西側のトリニティプレイスには、MoMA のスカルプチャーガーデン にも作品が飾られている Iza Genzken さんの巨大な薔薇像、Rose III があります。
反対の東側には、ストームキングアートセンター が思い浮かぶ、Mark di Suvero さんの作品、Joie de Vivre が飾られています。
園内は、現在、黄色く色付いた北側の木々と緑のままの南側の木々のコントラストが見事で、美しく照らす、イルミネーションも合間って、幻想的な雰囲気になっています。現在の閑静な雰囲気からは想像しにくいですが、かつては、Occupy Wall Street の拠点となっていた公園です。Occupy Wall Street と言えば、リーダーの一人だったのが、アナーキストの文化人類学者、負債論 貨幣と暴力の5000年 (Debt: The First 5000 Years) や、ブルシットジョブ (Bullshit Jobs) などの著者としても知られる、デイビッド・グレーバー (David Graeber) さんで、最近9月に亡くなられ、追悼イベントが、公園で行われていました。
今、ニューヨークの様々な場所で見かける旬の菊系のカラフルな花々がギッシリと美しく植えられています。
公園の中央に大きな花壇があり、また、公園の周囲を囲うようにもたくさんの花が咲いていて、公園中、見事にお花でいっぱいです。
パブリックアートも周囲の高層ビルと上手くマッチしています。Mark di Suvero さんの作品、Joie de Vivre は、1998年の作品で、もともとは、オランダトンネルのロータリーに飾られていましたが、2006年に、ズコッティ公園に移動して来ました。
ブロードウェイの向かいには、イサムノグチのお揃いの赤い巨大な立方体の作品、Red Cube もあります。こちらは、公園の誕生と同時にできた 1968年の作品です。
ワールドトレードセンターに隣接するズコッティパークは、2001年に起こった911事件で大打撃を受け、当時飾られていたパブリックアートもほぼ崩壊してしまいました。そんな中、唯一生き残ったのが、Seward Johnson さん の Double Check です。いかにもオフィス街らしいこちらの作品は、2018年までトリニティプレイス沿いに飾られていましたが、現在は、ブロードウェイ沿いのリバティストリートの公園の向かい側に移動しています。
ズコッティパーク Zuccotti Park 地図
ズコッティパークの近くには、911メモリアルや、リバティパークもあるので合わせて訪れてみて下さい。
金融街などビジネスエリアとして有名なロウアーマンハッタンは、現在、ウィズコロナのため自宅で働く人が多いこともあり、とても空いています。証券取引所前では、アーティストが絵を描いていたりと長閑な時間が流れています。
ロウアーマンハッタンには、歴史的な美しい建物も多く残っているので、歴史や建築好きの人は、巡ってみるのもおすすめです。