アメリカの物価 インフレ再び加熱気味? 2024年3月0.4%上昇 消費者物価指数 3.5%に

アメリカの物価の上昇、インフレは、最近まだまだ続いていることが感じられます。一昨年の2022年は、消費者物価指数 (CPI) が 7% 以上という、40年振りの高水準のインフレとなりましたが、直近では 3% 台まで下がり、アメリカの大セールもよく行われるようになっているので、上手にお買い物をすれば出費を抑えることができますが、まだまだインフレを感じることも多いです。
株式市場や労働市場など好調な経済が続いていて、根強いインフレ圧力があるため、消費者物価指数が、目標に掲げる 2% に到達するには、まだまだ時間がかかりそうな様相になっています。そんな中、今日、アメリカの物価・インフレ率を表す、2024年3月の消費者物価指数 (CPI) が発表されました。

消費者物価指数 (CPI)

消費者物価指数 (CPI) とは、モノやサービスなど、アメリカの物価の動きを捉える経済指標で、アメリカ労働統計局により毎月中旬頃に発表されています。全ての物価を総合した「消費者物価指数 (CPI) 」と、価格変動の大きいエネルギー関連と食費を除いた「コアCPI」があります。

消費者物価指数 (CPI)

3月の消費者物価指数 (CPI) は、市場の予想値 3.4% を若干上回る、3.5% となりました。1ヵ月間の消費者物価指数 (CPI) の上昇率は、これまで通り住宅費の上昇が継続している上に、ガソリンをはじめとしたエネルギー関連価格も上昇し、市場の予想値 0.3%を上回る、0.4% の上昇となりました。

コアCPI

コアCPIは、市場の予想を若干上回り、1ヵ月間で 0.4%、一年間で 3.8% の上昇となっています。先月と同じ数字で、ここ4ヵ月間、ほぼ変動のないフラットな状況が続いていてなかなか下がりません。

アメリカの金利の上昇

CPIの動向が、大きな影響を与えるのが、アメリカの政策金利の水準です。パンデミック以降、FF金利(フェデラル・ファンド金利)がゼロの状態が続いていましたが、インフレ抑制のため、この一年間で、急激な利上げが行われ、現在、FF金利は、5.25 – 5.50% となっています。ここしばらく政策金利を決定する会議、FOMCでは変動なしでしたが、今年のいつかのタイミングで利下げがスタートすると予想されています。長期金利は、昨年10月、アメリカ国債価格が急落し、長期金利が上昇していましたが、その後落ち着いて来ていました。今年に入り、再び上昇傾向にあります。

また長く停止されていた学生ローンの返済は10月から再開しています。

一昨年から急激な利上げが行われてきましたが、昨年後半からは様子見が続いています。3月19日から20日にかけて行われた最新の FOMC でも、金利の現状維持が継続されました。次回の FOMC は、4月30日、5月1日に行われ、現状維持が予想されています。

アメリカ金利 5連続で変動なし!ドットプロット更新 利下げはさらに緩やかに

インフレの加速によりその抑制のために、アメリカで金利がどんどん上がり、モーゲージレート、ローン、クレジットカードなど借入金利が上昇する一方、
預金の金利も上がり、利子が上昇し、アメリカに預金がある人たちにはうれしい恩恵もあります。

消費者物価指数 (CPI) 2024年3月の詳細

2024年3月の消費者物価指数 (CPI) が、今日4月10日、アメリカ労働統計局 (Bureau of Labor Statistics) により発表されました。3月のCPIは、市場の予想 3.4% を上回り、3.5% となっています。1ヵ月間の上昇も、市場の予想値 0.3% を上回る、0.4% となっています。


(tradingeconomics.com)

価格変動の激しいエネルギーと食費を除外した、コアCPIに関してはここしばらくフラットな状態です。
3月のコアCPIは、2月同様、1ヵ月で 0.4%、1年間では 3.8% の上昇となっています。

3月のCPI変動の主な要因

3月のCPIの最大の要因となったのが、根強いインフレ圧力が続く「住宅費」と、1.7% 上昇したガソリンをはじめとしたエネルギー関連価格の上昇です。食費は微増、多くの項目ではこれまで通り微増、フラットが継続していて、-1.1% の下落となった中古車などわずかな項目以外では、明らかに下落に転じているものがほとんどない状況です。

住宅費の物価上昇

多くの人々の生活に影響を与える、食費 (自宅 0.0%、外食 0.3%) は、0.1% の微増で、1年間では 2.2% の上昇となっています。卵の値段は、今年に入り、鳥インフルエンザなどの影響で再上昇していますが、3月も 4.6% の上昇となっています。
一方、住宅費 は、0.4% と上昇は継続していて、1年間で 5.7% の上昇となっています。

旅行費用・交通費・航空券

交通費も上昇が続いており、1月の 1.0%、2月の 1.4% に続き、3月は 1.5% となっています。
一方、航空券は、1、2月は上昇していましたが、 3月は-0.4% と下がっています。
その他、車両保険の値上がりが続いていて、1月の 1.4%、2月の 0.9% に続き、3月も 2.6% の上昇となっています。1年間では 22.2% も上昇しています。

3月のCPI に関する詳細は、こちら です。

アメリカの消費者物価指数 (CPI) の変化

アメリカの消費者物価指数 (CPI) は、今回のインフレサイクルで初めて 7% を越えた2021年12月以来、以下のように推移してきています。
2021年12月のインフレ率 は、1年間で 7% 📈
2022年1月のインフレ率 は、7.5% 📈
2022年2月のインフレ率 は、7.9% 📈
2022年3月のインフレ率 は、8.5% 📈
2022年4月のインフレ率 は、8.3%、📉
2022年5月のインフレ率 は、再び上昇 8.6% 📈
2022年6月のインフレ率 は、今回のインフレサイクルで最高となる 9.1% 📈
2022年7月のインフレ率 は、8.5% 📉
2022年8月のインフレ率 は、8.3% 📉
2022年9月のインフレ率 は、8.2% 📉
2022年10月のインフレ率 は、7.6% 📉
2022年11月のインフレ率 は、7.1% 📉
2022年12月のインフレ率 は、6.5% 📉
2023年1月のインフレ率 は、6.4% 📉
2023年2月のインフレ率 は、6.0% 📉
2023年3月のインフレ率 は、5.0% 📉
2023年4月のインフレ率 は、4.9% 📉
2023年5月のインフレ率 は、4.0% 📉
2023年6月のインフレ率 は、3.0% 📉
2023年7月のインフレ率 は、3.2% 📈
2023年8月のインフレ率 は、3.7% 📈
2023年9月のインフレ率 は、3.7%
2023年10月のインフレ率 は、3.1% 📉
2023年11月のインフレ率 は、3.1%
2023年12月のインフレ率 は、3.4% 📈
2024年1月のインフレ率 は、3.1% 📉
2024年2月のインフレ率 は、3.2% 📈

アメリカのインフレの原因

パンデミック中は、サプライチェーンの問題や、労働者の逼迫、需給のミスマッチなど様々なインフレ要因がありましたが、現在は、それらのほとんどは解消し落ち着いています。
パンデミックも終わり、インフレはいつまで続くの?と気になるところですが、ウクライナ侵攻に加え、ガザ紛争もあり地政学的なリスクが高まっている現在、やはり最も大きな影響を与えているのが、石油や天然ガスなどのコモディティ価格です。ただ、最近では、石油をはじめとしたコモディティ価格が落ち着いているにもかかわらず、インフレが継続しており、絶好調の株式市場、堅調な労働市場など経済の好景気を背景に、値上げにもかかわらず消費意欲の減退があまり見られないことが主要因と言えるかもしれません。

原油価格

原油価格の指標となっている、WTI原油先物は落ち着きつつありますが、2023年12月は $70 以下と2023年の最低価格水準を推移していましたが、現在は、再び上昇中で $80 代まで上昇しています。

アメリカの ガソリンの平均価格 は、年初は、昨年2023年以来最低レベルの $3.08 前後まで下がっていましたが、こちらも再び上昇に転じ、現在は、$3.62 程となっています。
石油価格は、もともと経済の見通し、減産、政治情勢など様々な要因で変化しやすいですが、エネルギー価格が、より安定するためには、ウクライナ侵攻、ガザの紛争などの終結が重要となります。


(tradingeconomics.com)

モノ消費の物価

モノ消費に関しては、在庫も増え、価格も落ち着き、デリバリーもスピーディで完全に正常化しています。一時期高くなっていた感があるオンラインの価格も、セールがとても増えていてお買い物がしやすくなっています。

目標としている数字は 2%。全体としては達成までにはまだもうしばらく時間がかかりそうです。

高いレベルのCPIの推移により、2023年のソーシャルセキュリティの給付額は、8.7% の大幅アップとなりましたが、2024年は 3.2% アップの調整 (COLA) となりました。

パンデミックにより様々な物の需給が急速に変動し、金融緩和によるアセットバブルの状態が続きましたが、利上げがはじまり、株式市場をはじめ、様々な資産の価格も大きく変動しています。インフレ時には、インフレに連動したアメリカ国債、インフレ連動債もあります。I-Saving Bond は、利率が これまでで最高の9.62% となっていましたが、インフレの落ち着きと共に下降しました。2023年11月から2024年4月までは、横ばいのインフレ連動部分に加え、固定金利部分の上昇により、利率5.27% と上がっていて、条件のいい預金口座やCDと比べても負けない高い金利になっています。

年利5.27%にアップ!アメリカの低リスク インフレ連動預金用債券 I Bonds 2023年11月更新 固定金利部分1.3%に

アメリカのインフレによる物価高はまだまだ続いていますが、
アメリカでは、お得にお買い物ができる裏技がいっぱいあります。

アメリカでは頻繁に大きなセールが開催され盛り上がりますが、オンラインショッピングをお得にする方法 を利用するとさらにお得にお買い物ができます。

アメリカの日本食オンラインショップ も、最近は日本から入荷している食品やお米などがとても安く買えるようになっていておすすめです。初めて利用する人はさらに20ドル分の割引券が使えます。

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アメリカの物価 インフレ再び加熱気味? 2024年3月0.4%上昇 消費者物価指数 3.5%に was last modified: 4月 10th, 2024 by mikissh