ニューヨークの街中は、たくさんの旅行者が押し寄せ、まだまだホリデームードいっぱいで盛り上がっていますが、今年2022年も残すところあとわずかとなりました。
パンデミックが2020年以来世界中の人々に大きな影響を与えて来ましたが、今年2022年は、ようやく風邪に近いレベルになり、旅行をはじめ様々な制限が解除され、通常の生活が戻って来ました。その一方、ロシアによるウクライナ侵攻が起こってしまい、アメリカでは40年ぶりのインフレになるなど、世界中で物価の上昇が起こりました。そんなインフレに対応するため、経済刺激策や金融緩和から緊縮に一転し、急ピッチに金利が上昇しています。
激動の2022年、ニューヨークで印象に残った、最新スポットや、トレンド、イベント、ニュースなどを振り返って紹介します。
ポストパンデミック ニューヨークの旅行者は2019年の85%に回復
2020年3月以来続いて来たパンデミックですが、2022年の年初は、感染力の高いオミクロンの大流行ではじまりました。その後、さらに感染力の高いオミクロンの変異種が登場し、今までは大丈夫だったけど、今年初めて罹ってしまったという人も多いと思います。幸い、ワクチン接種済みの人や、これまでに既に感染した人も多いので、ほとんどの人は、風邪やインフルエンザ程度の症状だったのではないかと思います。
そんな状況を受け、現在では、多くの国で、マスク着用、入国前PCR検査などパンデミック中の多くの制限が解除され、パンデミック以前の日常生活に戻り、だいぶ自由に旅行できる状態になっています。
ホリデーシーズンのニューヨークは、世界中からの旅行者でいっぱいでした。
NYC & Companyによる、こちらの発表によると、今年2022年のニューヨークの旅行者は、5640万人となり、2019年の85%に達する見込みとしています。
ニューヨークでは、2月中旬にマスク着用義務が廃止されました。6月中旬からアメリカへの国際線のフライト前の検査義務が廃止されています。
日本では、9月初旬から入国前検査義務が廃止されました。来年は、ここ数年訪れることができなかった海外からの旅行者が押し寄せそうな予感がします。
ロシアによるウクライナ侵攻
少し前までは、大国による戦争が起こるとは夢にも思っていませんでしたが、世界中の人々を驚かせたのが、今年2月に、突如、起こったロシアによるウクライナ侵攻です。世界各国が協調し、ロシアへ経済制裁を課しています。アメリカをはじめ世界各国の支援もあり、当初の予想に反し、ウクライナは、粘り強く戦っており、現在も戦争が続いています。早期のロシアの撤退を願うばかりです。
アメリカ 40年振りのインフレ 物価急上昇
パンデミックモードから正常化に向かい需給が急変しました。そんな中、オミクロンによるサプライチェーン問題、ロシアによる戦争、干ばつなど様々な問題が絡み合い、アメリカでは、今年6月に 消費者物価指数 9.1% 40年振りの数値 になり、現在でも CPI は 7%以上と、まだ高い物価上昇が続いています。
卵や小麦など食品の大幅な値上がりにびっくりです。
急ピッチの利上げ
アメリカでは、40年振りのインフレに対応するため、中央銀行、FRB は、急ピッチで利上げを行っています。年初は、ゼロ金利でしたが、3度の75bp の利上げが行われ、現在では、FFレートは、4.5% になっています。モーゲージやカードローンなどローン金利が上がるので借り手の負担は大きくなりますが、その一方、預金やCDなどの利回りも大幅に上昇するので、貯金のある人はどんどん利息が増える状態です。パンデミック中に行われた金融緩和、経済刺激策により株式をはじめ資産価値が急上昇していましたが、一転、急激に緊縮に転じたため、株式、債券、不動産、仮想通貨など様々な市場が不安定となっています。仮想通貨取引所のFTX が経営破綻するなど、価格が下落すると、上昇気流に乗っていた時には、見えなかった問題が次々と出てきそうです。
ニューヨークの名物イベント完全復活!
ニューヨークでは、一年を通じ様々なイベントが行われますが、2020年は、ほぼ全てのイベントがキャンセルとなり、バーチャルでの開催となってしまいました。昨年、2021年は、夏頃から正常化し、入場制限やワクチンチェックなどをした上での開催となっているものもありましたが、今年2022年は、ほぼ全ての人気イベントが復活し、制限の全くない通常モードで開催されました。
今年のメイシーズ花火大会は、イーストリバー沿いの花火の打ち上がる目の前から見ました。普段は混み合うのであまり訪れませんが、今年はまだ比較的空いているかなと訪れた所、激混みでした。
昨年は、バーチャルだったイースターパレードやマーメイドパレードなどニューヨークの歴史ある名物イベントも復活を遂げています。
初のジャパンパレードも開催されました。
コンサート 世界中からアーティストたちが大集合
パンデミックで、2020年にパフォーミングアートがなくなってしまったことの反動で、逆に、昨年からよく訪れるようになったのが、野外フェスです。
昨年はまだパンデミック中ということで、ニューヨーク、アメリカ国内のアーティストのコンサートが中心でしたが、今年は、世界各国、全米から様々なアーティストがやって来ました。
セントラルパークのサマーステージには、ジャズの大御所、ハービー・ハンコックが登場した他、K-POPの人気グループをはじめ様々なアーティストが登場していました。
特に、K-POP は、たくさんの熱烈なファンが集まり、大盛り上がりとなっていました。
ハービーハンコック ジャズの巨匠ニューヨークでコンサート!キーヨンヘラルドとセントラルパークサマーステージ2022に登場
ニューヨークでK-POPコンサート!韓国の人気グループ Brave Girls & Golden Child セントラルパーク サマーステージに登場
この他、ニューヨークフィルのセントラルパークで開催される夏のコンサートが復活した他、リンカーンセンターでのダンスパーティ など様々なパフォーミングアートイベントが行われました。
ブルックリンのプロスペクトパークでの夏のコンサートには、Kamasi Washington など がやって来ていました。
昨年、初めて行われたタイムズスクエアでのブロードウェイミュージカルの特別イベント、Curtain Up Broadway Festival は、今年も開催されました。
こちらでは、オープニングコンサートの様子を紹介しています。
ジャヴィッツセンターなどでの展示会も、多くの恒例イベントは、今年は通常通りの開催となりました。
ニューヨークで印象的だったアート展
ニューヨークでは、今年も、様々なアート展が開催されました。
特に、ディスプレイに凝った、メトロポリタン美術館やブルックリン美術館でのファッション展が印象に残っています。
メトロポリタン美術館 ファッション展 2022 アメリカのクラシック映画の世界へ In America: An Anthology of Fashion
メトロポリタン美術館の Kimono Style、ブルックリン美術館のアンディウォーホル特別展、ホイットニー美術館の Biennial 2022など様々な展示が行われていました。
最近では、モネの庭 や、墓発見100周年を迎えた ツタンカーメン など没入型のイマーシブエクスペリエンスの特別展が増えています。
ニューヨークの自然
パンデミックによって新しい趣味を見つけたという人も多いと思いますが、ニューヨークでも野鳥や野生動物などニューヨークの自然が大人気になっていました。
今年も、セントラルパークやブライアントパークをはじめニューヨーク周辺の自然スポットで、様々な野鳥や野生動物を見ることができました。
まるで踊っているかのように歩く、アメリカヤマシギ をはじめ、ハヤブサ、オウゴンアメリカムシクイ、アメリカフクロウ、アメリカキンメフクロウ、スカンク など様々な動物に遭遇しました。
パンデミック中、ニューヨーカーの間でバードウォッチングがとても流行り、セントラルパークが人気のスポットとなっていました。そこで、アメリカフクロウ (Barred Owl) の バリーと出会い、他の鳥たちも見るようになり、すっかりニューヨーク周辺の野鳥に詳しくなってしまいました。ニューヨーク周辺の野鳥の様子は、こちら のプレイリストにまとめてあります。大都会のイメージが強いニューヨークで、こんなにも面白い野鳥がいっぱいいることに驚くと思います。
大人気のヴィンテージ
ニューヨークで、以前にも増して、人気となっているのが、ヴィンテージショップです。パンデミックで、引越しやモノ消費が増え、供給が激増した一方、商業物件が安くなったこともあり、ヴィンテージショップがかなり増えています。インフレの今、お得にお洒落な掘り出し物ショッピングを楽しめる、ヴィンテージショップが賑わっています。ウィリアムズバークやグリーンポイント、イーストビレッジなど以前からヴィンテージショップのメッカだった場所に加え、その周辺にもどんどん新しいお店が登場しています。
異常気象
つい先日も、極寒のウィンターストームでこの時期としては、記録的な気温を記録しましたが、ここ最近、ニューヨークでは、激しい雷雨やスノーストームなど温暖化などによる気候変動の影響を感じるようになっています。ここ数年、パンデミック、鳥インフルエンザなどの疫病に加え、アメリカ、そして世界でも干ばつ、洪水、大雪などの異常気象が起こっており、農作物の生産に影響が出ています。それによる物価上昇など社会の不安定要素にもなっています。
今年は、アメリカの多くの場所で、極寒のクリスマスとなりました。
ニューヨーク治安悪化 強盗 盗難増加中
ニューヨークでは、パンデミック中、精神を病んでいると思われる人による通り魔的な事件が目立ちました。銃撃や殺人事件が急増していましたが、日常が戻りつつある今年2022年は、銃撃事件はマイナス17%、殺人事件はマイナス12%で減少しています。その一方、強盗、窃盗など経済的な目的の犯罪が急増していて、全体的には、犯罪は、23.5% も増加しています。
ミッドタウンなどマンハッタンの旅行者の多いエリアは、ニューヨークの警察 (NYPD) による警備がしっかりしているので、あまり心配は要りませんが、ニューヨークシティ全体としては、パンデミック以前の2019年より危険になっています。旅行者の多いエリアであっても、深夜や人気のない所は出歩かない、貴重品をできるだけ携帯しないなど自衛が大切になります。
大賑わいのホリデーシーズン完全復活
ニューヨークのホリデーシーズンには、2年振りとなった昨年以上にたくさんの人がやって来ていて、ロックフェラーセンターのクリスマスツリーや、デパートのホリデーウィンドウ、ダイカーハイツのクリスマスイルミネーションなどキラキラ輝く街並みを楽しんでいます。ニューヨークのクリスマスデコレーションは、1月1週目頃まで続くので、もう少し楽しめます。
ニューヨークのクリスマスの様子は、こちらの映像で詳しく紹介しています。
パンデミックを経て、ニューヨーク植物園 や ブルックリン植物園 などでは、美しいクリスマスイルミネーションが楽しめる、新たな屋外イベントがはじまりましたが、今年も開催されています。
2022年ニューヨークの最新スポット
今年2022年は、ハドソン川沿いのハドソンリバーパークに、周囲の景色を一望できる憩いのスポット、ピア57が誕生しました。リトルアイランドやダウンタウンをはじめハドソン川沿いの絶景が楽しめます。
ニューヨーク最新無料展望スポット!ピア57 ルーフトップパーク 絶景が広がるハドソンリバーパークの新屋上庭園でピクニック
ピア57のすぐ南側には、昨年2021年にニューヨークに誕生した、リトルアイランド があります。花と緑溢れる景色が美しい公園で、イベントも開催されたりし、いつも人々が集まる憩いの人気スポットとなっています。建築的にも面白い公園です。お天気のいい日に、ハドソン川沿いのハドソンリバーパークを散策しながら、ピア57やリトルアイランドに立ち寄ってみるのもおすすめです。
RiseNY、ブロードウェイミュージアムなど新しいミュージアムも続々と登場しています。
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